Photons to Photosがパナソニックのミラーレス一眼「LUMIX G9 PRO」のISO毎ダイナミックレンジチャートを公開しています。(追記:ISO毎のリードノイズも追加しました。)
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APS-Cセンサー機と互角のダイナミックレンジ
マイクロフォーサーズの中でもなかなか優秀なセンサーを持つGH5と比べてもISO感度全域でやや良好な結果となっているようです。
マップカメラの開発者インタビューで「GH5と同じセンサーとエンジンを使用しているが独自のチューニングを施している」とパナソニック側がコメントしています。どうやら独自チューニングが静止画の画質において功を奏しているみたいですね。
ライバルモデルとなるオリンパス「OM-D E-M1 Mark II」と比較しても拡張感度Lowの領域でやや優れているようです。差は僅かなので気にする必要は無いでしょう。
私自身、手持ちの両機を撮り比べて上記のような結果となりました。ダイナミックレンジはG9がやや有利、高感度はE-M1 Mark IIがやや有利。ダイナミックレンジの使い方は両機で大きく異なり、ISO Lowを使用した際にG9はバランス型(白飛びし難くダイナミックレンジが広い)、E-M1 IIはシャドー重視(白飛び上等でシャドーの持ち上げ耐性強化)となるので注意。
正直に言うと、G9のダイナミックレンジが使いやすいです。
同じ2000万画素センサーを搭載するPEN-FやGX7 Mark IIIと比べても良好なパフォーマンスのようです。特にGX7 Mark IIIはセンサーもエンジンもほぼ同世代と思われますが、差がハッキリとしていますね。
ちなみに1600万画素センサーを使用するLUMIX G8との比較ではさらに差が開きます。最低感度で約1段分の差が生じるとのことなのでRAWファイルを編集する際の柔軟性は大きく変わってきそうです。
同じ「追従20コマ秒」を実装するカメラとしてソニーのフルサイズミラーレス「α9」をピックアップ。
ほぼ同等のダイナミックレンジ最大値のようですね。高感度性能が異なり、特にデュアルネイティブISOを実装するα9は途中からG9を引き離します。
幸いにもマイクロフォーサーズには軽くて非常に明るいレンズが多いので低感度を維持しやすいかもしれませんね。
ちなみにソニーのAPS-Cセンサーカメラ「α6500」との比較。最大値・ISOレンジごとの数値はほぼ互角。
センサーサイズは大きく異なりますがダイナミックレンジのパフォーマンスでラージフォーマットの優位性は無いようです。
G9はα6500には出来ない追従20コマ連写・AFL60コマ連写・6K30pがあり、α6500はG9には無い像面位相差AFを持っています。これは好みの問題かもしれません。
個人的にはハイレゾモードや強力な手振れ補正を有するG9推しですが。
同じくAPS-CフォーマットのキヤノンEOS M5との比較。
センサーサイズが大きいカメラと比べて優れているようです。とは言え、僅差なのでそこまで強調する必要は無いかもしれません。やはりM5は像面位相差AFを搭載しているので、G9と比べて優位な撮影シーンは存在します。
同じ価格帯のキヤノンフルサイズ一眼レフをピックアップ。
明らかにG9 PROのダイナミックレンジが優れているようです。キヤノン両機のセンサーは古い世代のセンサーとなるので最新の小型センサーには敵わないようですね。
と言っても手持ちのEOS 6D Mark IIでダイナミックレンジが狭いと感じるシーンは少なかったですが…。キヤノンはAEが優秀なのでそこまで困らなかったのかもしれません。
同じ価格帯と言うことでX-Trans III APS-C CMOSセンサーを搭載する「FUJIFILM X-H1」との比較。
α6500の時と同じく互角のパフォーマンスですね。
同じセンサーと処理エンジンを持つX-E3を使った者として正直に言うと、X-Trans CMOSの像面位相差AFよりはLUMIXのコントラストAFのほうが早い気がします(レンズ性能も込みで考えると)。
さらに同価格帯のNikon D500との比較。
僅かにD500が良好ですが、あまり大きな差は無いようですね。D500はD5と同じ高性能なAFモジュールを搭載しているので、AF性能を重視するのであればD500,連写性能や携帯性、動画性能を重視するのであればG9で良いかもしれません。
最後に手持ちのカメラで最も高いパフォーマンスと思われるNikon D850をピックアップ。
やはり最新のフルサイズセンサーとあってG9を大きく離すパフォーマンスを持っていますね。
ただし、Nikon D850を実際に使った者として言うと、光学手振れ補正のみのD850で最低感度を常時維持するのは極めて難しかったりします。一方でレンズとボディの手振れ補正を連携させるG9 PROはパフォーマンスが高い状態をキープしやすい。三脚を使用しない限り実写ではダイナミックレンジでそこまで差は出ないのかなと。
晴天下でシャッタスピードを稼ぐことが出来るシーンはそもそもD850でもダイナミックレンジ足りませんし…。
三脚を使えるシーンならG9 PROはハイレゾモードでシャドー持ち上げ耐性が大きく改善するのでD850とそこまで変わらなかったりします。おまけに8000万画素まで解像しますし。
ISOノイズもGH5と比べて有利?E-M1 Mark IIよりも少し劣る
同じようにISO感度ごとのリードノイズの結果も公開されています。
GH5と比べて全体的に優れ、E-M1 Mark IIとでは高感度域でやや劣っているようです。
APS-Cや古いフルサイズ一眼カメラと比べて互角か有利
「ダイナミックレンジ」に限って言うと、G9 PROが明らかに優れたカメラは最新のセンサーを搭載するフルサイズ(もしくは中判)一眼カメラくらいかもしれませんね。
レンズサイズや価格などシステムのバランスを考慮するとフルサイズ一眼より魅力的と感じる人も多いことでしょう。
高感度ISOのノイズ耐性や激しく動く被写体への追従性能などのバランスを考慮するとNikon D850やα7R IIIなどの選択肢はもちろんアリ。
下げ止まったG9 PRO
20万円の初値からじりじりと値を下げていましたが、どうやら下げ止まったようですね。今が底値と言うことでしょうか?
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