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MonsterAdapter LA-FE2 ハンズオンレビュー

このページではMonsterAdapterのソニーEマウント用ニコンFマウントレンズAFアダプター「LA-FE2」のプリプロダクションモデルのファーストインプレッションを掲載。粗削りな部分もありますが、DタイプFマウントレンズでAFを利用できる画期的なアダプター。

おことわり

今回はMonsterAdapterより無償提供していただいたプリプロダクションモデルの「LA-FE2」を使用しています。レビューに際して金銭の授受などはなく、レビュー内容に関する指示は受けていません。また、装着するニコンFマウントレンズに関しては自費で購入しており、あくまでも個人的な興味からLA-FE2をレビューしていることを明言しておきます。また、今回はあくまでも試作機となるため、製品版では外装やデザイン、動作が異なっている場合があります。

This review uses the LA-FE2, a pre-production model provided free of charge by MonsterAdapter. No money was exchanged, and no instructions regarding the content of the review were received. I purchased the Nikon F-mount lenses to be used with the LA-FE2 at my own expense, and I am reviewing the LA-FE2 solely out of personal interest. Also, since this is only a prototype, the exterior, design, and operation may differ from the production version.

LA-FE2についておさらい

前モデル「LA-FE1」はメカ絞りとレンズ側モーター駆動のレンズに対応していましたが、ボディ側モーター駆動の「Dタイプ」レンズのAFには非対応でした。(下部の画像を参照)

ご覧の通り、LA-FE1にはレンズマウントに動力を伝達するためのカップリングがありません。利用できるのはE / G タイプのレンズが中心となります。これでも十分に魅力的な製品であり、競合する製品はほとんどありません。(VILTROX NF-E1くらい)そこに登場したのが新しい「LA-FE2」。あらたにボディ側モーターに相当する機構を内蔵し、マウント部にカップリングを搭載。モーター非搭載のレンズでもカップリング経由でAFを動作させることが可能となっています。このような機能を持つFマウント用アダプターは他にありません。今のところ正式発表がいつ頃になるのか不明ですが、MonsterAdapterはX公式アカウントにて「2023年発売予定」と明言しています。

MonsterAdapter LA-FE1
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外観

プリプロダクションモデルのため外箱や説明書は同梱していません。さっそく本体を見ていきたいと思います。

プリプロダクションモデルのため外箱や説明書は同梱していません。さっそく本体を見ていきたいと思います。外装は全体的に金属製でしっかりとした作り。メカ絞りやカップリング駆動を内蔵する必要があったためか、アダプター株が突出。三脚ネジ穴には対応していません。

ボディ側に装着する金属製マウントは4本のビスで固定。周囲は防塵防滴用と思われるゴムシーリングがあります。

レンズ側を装着する金属製マウントも4本のボスで固定。その他にレンズをロックするピンと、モーター駆動を伝達するためのカップリングがあります。左側面にはロックを解除するスイッチと、AF/Mスイッチを搭載。「AF」時はカップリングとモーターが接続されているため、Dタイプレンズのフォーカスリングは固定されています(回すこともできそうですが、故障の原因となりそう)。「M」時はカップリングとモーターの接続が解除され、フォーカスリングを自由に操作することが出来るようになります。

ロック解除スイッチはレンズを取り外すときに使用するほか、不具合発生時のリセットボタンの役割もあるようです。(後述)

 

 

FTZとの比較

ボディ側の対応マウントは異なるものの、同じFマウントレンズ用アダプターとして比較。FTZはニコン純正レンズアダプターですが、残念ながらDタイプのAFレンズを駆動するためのカップリングがありません。後継モデルである「FTZ II」も基本的に同じ。今のところLA-FE2は唯一無二の選択肢と言えるでしょう。アダプター内はどちらもマットブラックな塗装で光の反射を抑制しています。ただし、比較してLA-FE2のほうが反射光がやや強めに見えます。

レンズ装着例

今回は手持ちの「AI AF Nikkor 50mm f/1.4D」「AI AF Nikkor 85mm f/1.8D」を使用。装着時に大きな問題はありません。

ソニーα7R Vに装着。がたつきなど違和感はありません。アダプターの下部がカメラ底部より突出するため、場合によって雲台や三脚と干渉する可能性あり。

AFの動作

動作の確認はα7R Vと「AI AF Nikkor 50mm f/1.4D」の組み合わせを使用。

一眼レフと同じく、撮影時以外は基本的に絞り開放で固定。絞りリングをAポジション(最大F値)に設定していたとしても、絞りは完全に開いた状態で固定されています。当然ながら測距も絞り開放で実施されるため、今回の場合は「F1.4」の状態でAFが動作。

AF-Sのフォーカス速度は実使用に耐えうる水準であり、あくまでも「マウントアダプター経由のカップリング駆動AF」であることを理解していれば特に不満はありません。周辺部や隅を使ったAFでも(合焦速度は低下しますが)動作します。

注意すべきはレンズ側で、レンズの絞り開放がソフトな画質(低コントラストなど)だとAF性能や合焦速度が低下します。特にソフトな周辺部・隅を使ったピント合わせは難しい可能性あり。残存する球面収差の量が多い場合、前後でボケが硬い部分(コントラストが強い)にピントを合わせてしまう可能性もあります。個性的なレンズを使いたくなるところですが、「AFでレンズを使いたい」のであれば、絞り開放がシャープなレンズがおススメです。

AF-Cも過度な期待をしなければ実用できるレベル。ただし、ロックオンAFは状況によって不安定となる可能性があるのでオフ推奨。また、動画撮影時は強制的にMFとなりAFを利用することができません。この際、「AF」設定のままフォーカスリングを操作することはできないので、「M」に設定を変更してから使用する必要があります。(絞りも動作しないので開放の使用が前提)

既存の不具合について

MFのまま電源オフ

LA-FE2はカメラの電源オフ時にレンズのピント位置を無限遠に戻します。この際、アダプターの設定が「M」の場合はカップリングにモーターの力が伝達できず、延々とモーターが回り続けます(そしてカメラの電源がオフにならない)。このため、電源オフ時は「AF」にスイッチを戻す必要があります。機構的な問題となるので、製品版で改善できるのかは不明。

追記

ファームウェアVer02で問題が解消しました。

絞りの動作不良

絞って撮影する際に、絞りが動作せずに露出オーバーとなる場合があります(カメラ側の設定「ISO」「シャッタースピード」は絞りに合わせて動作する、絞れなかったぶん露出オーバーとなる)。この症状が発生すると、同時にAFも動作不良を起こすのでリセットが必須。アダプタやレンズを取り外す必要はなく、前述したアダプターのロックピンを解除するスイッチを操作するだけでリセットできます。この不具合についてはMonsterAdapterに報告済み。

AFの動作不良

前述した露出オーバーと同時、もしくは単独で発生。カメラ側でAFを動作させようとしても、AFエリアが紫色表示(本来ならばレンズの最短撮影距離を割り込んで測距できない場合に表示される)で動作しなくなります。ピント位置が無限遠にある場合でも紫色表示となるため、リセットが必須。この不具合についてはMonsterAdapterに報告済み。

実写

前述した複数の不具合に対処できるようになるまで快適な撮影とは言えませんでしたが、慣れてくるとAFはキビキビと動作し、思いのほかテンポよく撮影することが出来ました。基本的に絞り開放を使った測距となるので、低照度や夜間でもAFを利用できる場合が多かったです。レンズによっては接写時に収差が大きくなり、微妙なピントのズレが発生する場合もあるので注意が必要です。高解像センサーモデルで大きく拡大しなければ気にならない程度の誤差であり、ウェブや小さなプリントでは特に気になりません。AF-Cや被写体検出、ロックオンは動作するものの、前述したように過度な期待は禁物。特に動物など予測が難しく素早い動きの被写体は難しいと思ったほうが良いでしょう。撮影できないこともないですが、ネイティブEマウントレンズと比べると遥かに厳しい結果となります。とは言え、木に止まっている鳥を撮影する程度であれば、普通に使えると思います。

まとめ

Fマウントのレンズ資産が豊富で、特にボディ側駆動に依存するDタイプのレンズが多いのであれば検討する価値のあるアダプター。思い出のあるレンズをかつてのようにAFで利用することが可能となります。ただし、ゼロから「Fマウントレンズ」と「LA-FE2」を集めようと考えている際は熟考が必要かなと。既にDタイプのレンズはニコンで生産していないので、必然的に中古品を入手する必要があります。特に最近はオールドレンズの価格が高騰しており、状態の良し悪しも届いてみないと分からない場合が多い。強くおススメすることはできません。

いっぽう、PENTAX Kマウント用のAFアダプター「LA-KE1」ならば、今でも新品のPENTAXレンズを入手することが可能。Dタイプのレンズを入手するよりも難易度はぐっと下がると思います。特にニコンやFマウントに思い入れが無いのであれば、LA-KE1のほうが良いでしょう。LA-FE2はあくまでも既存のFマウントレンズユーザー向けなのかなと。(もちろん、Eマウントボディユーザーであることも必要)では「Zマウントの可能性はあるのか?」と聞いてみたところ、残念ながら今のところ可能性はない模様。このあたりはニコンに期待するしかないかもしれませんが、既に生産完了しているDタイプに合わせるアダプターを新発売する可能性は低そう。以上の点を理解したうえで、手持ちのFマウントレンズを楽しむためのツールとしてはかなり面白いアイテム。ソニーαボディも以前と比べると使いやすくなっており、クリエイティブルックなど個性的なJPEGと組み合わせることで十分に楽しむことが出来るはず。

参考:LA-FE1とLA-KE1の購入早見表

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Sample

その他のサンプルはFlickrにて。

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