DPREVIEWが「Z50II」のファーストインプレッションを公開。画期的な新機能などはなく、センサーは旧製品を継承しているものの、初めてカメラを購入する人々には適していると言及。ただし、クラウド機能やピクチャーコントロール関連は少し戸惑うかもしれないとのこと。
DPREVIEW:Nikon Z50II Initial Review: A fun APS-C camera on a budget
Z50IIは、その名の通り、Z 50の改良版である。その改良の多くは、EXPEED 7プロセッサの採用によるものであるが、それ以外にも、微妙ではあるが潜在的に重要な追加機能がいくつかある。
ピクチャーコントロールボタン
- 処理能力とは関係のない変更点だが、Z50IIが何であり、誰を対象としているかを明確に示すものである。
- このボタンとどまらない。Z50IIは、追加のプロファイルを調整したりダウンロードしたりできる「柔軟な」ピクチャーコントロールプロファイルを提供する初のモデルとなる。
- カメラには31のプロファイルが搭載されているが、さらに追加したり、ピクチャーコントロールボタンを押したときに表示されるプロファイルを制限できる。
- Imaging Cloudからレシピプロファイルをダウンロード可能。
明るいファインダー
- ファインダーもより明るくなり、現行モデルの最大輝度の2倍にあたる1000ニットまで表示可能。
- しかし、HLGのプレビューにディスプレイの輝度は十分ではなく、解像度は236万ドットのままとなっている。
被写体認識/3Dトラッキング
- 新プロセッサーによる最も大きな改善点のひとつ。
- 被写体認識モードに対応し、検出可能な被写体は9つとなっている。
- より素早く追従できる3DトラッキングAFモードも追加されている。
C30とプリキャプチャーモード
- 電子シャッターモードで高速撮影可能。
- シャッターを半押しした時点で画像のバッファリングを開始し、シャッターボタンを完全に押し切る1秒前までの画像を保存できる。
- C30モードとC15モードでは、それぞれ最大30fpsと15fpsでオートフォーカス撮影が可能だが、JPEGのみの記録となる。
Nikon Imaging Cloud
- Z6IIIとともにデビューしたNikon Imaging Cloudサービスにも対応している。
- Wi-Fiネットワークに接続すると、撮影した写真を自動的にニコンのサーバーにアップロードし、そこからDropbox、Google Drive、Lightroomなどのサードパーティ製クラウドストレージサービスに振り分けることができる。
- 自動的にダウンロードしてファームウェアを更新したり、パソコンやスマートフォンで選択したピクチャーコントロールプリセットを同期させることもできる。
- 多くのカメラに同様の機能があるが、それらを使用するにはスマートフォンやカメラとペアリングする必要がある。しかしZ50IIは、ルーターに接続するだけで単独で使用できる。
動画の新機能:
- Z50と同じセンサーを使用しているにもかかわらず、Nikonはより優れた動画を撮影することに成功した。
- Z50IIは、10ビット精度で動画をエンコードすることが可能になり、N-Log内部キャプチャにより色とトーンのグレーディングの可能性を最大限に引き出すことができる。
- また、HLG(ハイダイナミックレンジ)キャプチャにより、HDRディスプレイやテレビでの再生も可能だ。
- Z50IIは、センサーのクロップ領域から4K/60映像をキャプチャする機能も備えている。
- さらに、ニコンは動画モードでの電子式手ブレ補正(eVR)が改善されたと述べている。
- Z50IIには「製品レビュー」オートフォーカスモードも搭載されており、カメラの前に物体が掲げられた場合は顔検出AFを無効にする。これは、紹介したい特定の製品について語るブロガーにとって便利な機能である。
比較
- 対応するメーカーが徐々に少なくなっている層のカメラである。
- 富士フイルムはX-M5を200ドルほど安く提供しているが、ファインダーは付いていない。
- ソニーは、今となってはかなり古いα6400を同等の価格で提供している。その旧式さゆえに動画のスペックが大きく遅れを取っている。
- Z50IIとほぼ同等のライバル機を提供しているのは、EOS R10を擁するキヤノンだけだ。
- 対応するレンズラインアップはサードパーティ製品が増えてきている。
- それでも、富士フイルムXマウントの品揃えや、ソニーには遠く及ばない。
ボディと操作性
- 前モデルと非常に似ており、フルサイズZカメラを小さくしたようなデザイン。
- 小型化されたにもかかわらず、Z50IIはかなりしっかりとしたハンドグリップ。
- 外装は主にプラスチック製。重量感はあまりないが、かなりしっかりとした感触がある。
- グリップ部分とカメラ後部角にはカバーが施されており、カメラをしっかりと握ることができる。
- フロントとリアのコントロールダイヤルは、カメラを持つ手を動かすことなく、人差し指と親指で操作できる位置に配置されている。
- 背面には従来機種よりも4つのボタンが追加されており、フルフレームのZモデルの操作系により近づけている。
- カメラ上部にも専用の「ピクチャーコントロール」ボタンがある。
- ジョイスティックはない。
- 再生ボタンとドライブモードボタンは配置が入れ替わっているが、この違いが問題になるほど多くの人が両者を並べて撮影しようとするとは思えない。
- 背面モニタの可動方式がチルトからバリアングルへと変わった。ニコンはクリエーター向けと主張しているので、この変化には驚かない。
ビューファインダー
- 旧モデルの2倍の明るさとなる1000ニットまで明るくすることができる。
- HLG画像を完全にプレビューできるほど明るいわけではない。
- 低価格なポジションにふさわしく、相変わらず236万ドットの比較的低解像度のパネルを使用。
- 換算で0.68倍のファインダー倍率で、この価格帯のカメラとしてはかなり大きい。
ポートおよびスロット
- SDカードスロットは高速書き込み可能なUHS-IIに対応。
- USBポートはC-Typeにアップグレードされ、転送速度は5Gbit/sに向上。
- USBビデオおよびオーディオ規格であるUVC/UACにも対応したため、特別なドライバーやソフトウェアを必要とせずにウェブカメラとして使用できる。
- ヘッドフォンジャックもあり、音声のモニタリングが可能になった。
バッテリー
- 容量が8.5Whから9.4Whに増加した新しいEN-EL25aバッテリーを使用している。
(訳注:2023年後半に単体で販売開始しています)- この10%の増加にもかかわらず、CIPAバッテリー評価は背面液晶使用時で250枚、ファインダー使用時で230枚となっている。
- おそらくより強力なプロセッサを搭載した結果として、前機種よりも20%ほど低い数値。
- USB-C経由で充電できるのでバッテリーを簡単に充電する方法はある。
- バッテリーチャージャーは同梱されていない。
ファーストインプレッション
- ある意味では、Z50IIは前機種のマイナーアップデート版である。同じセンサーを同じようなボディに収めただけで、革新的な機能は追加されていない。前例のない機能や、写真撮影で何が可能かを考え直させるような機能はない。
- 主な購買層は初めてカメラを購入する人々であり、ターゲットに適したカメラであると感じる。
- 試用期間は短かったが、このカメラが安っぽい・低価格と感じることはなかった。
- 人間工学と作りはサイズにぴったりで、性能は機敏。カメラの遅延や、高速撮影で捕捉できないと感じることも一度もなかった。
- 特にオートフォーカスは際立っていた。従来通り、同様に優れた性能。
- 被写体検出機能も搭載し、シャッターチャンスに慌てふためくことなく、考えなければならないことが一つ減る。スポーツに興じる子供たちの素晴らしい写真を撮りたい保護者や、動きの速い犬や猫を撮影して自慢したいペットの飼い主にとって、とてもありがたい機能だ。
- 動画機能も充実しており、コンテンツクリエーターのみならず、映像学科の1年生もターゲットにしているように感じられるほどだ。
- 動画撮影も行いたい初心者カメラマンは、標準の4K機能に満足するだろう。N-Logや波形などの機能は必要ない。
- カラープロファイルが写真に興味を持つ人を引きつけるものだとは全く思わないが、カメラメーカーはそうは考えていないようだ。パナソニックがLUTボタンをデビューさせ、富士フイルムがフィルムシミュレーションダイヤルを搭載。さらにニコンがピクチャーコントロールボタンを採用した。
- 人々が色調コントロールを切望しているとしても、ニコンのシステムのあいまいさは初心者には少し厄介かもしれない。スマートフォンからカメラに直接転送するのではなく、ニコンのアプリで必要なものを選択し、カメラがWi-Fi経由でダウンロードする。
- 長年テクニカルサポートに携わってきた経験から、カメラをインターネットに接続する必要があることについて、多少の混乱が生じるだろうと私は思う。
- 本当に厄介なのはレンズだ。同社は、APS-Cシステム用の「DX」レンズを5種類製造している。単焦点レンズが1種類、開放F値が3.5以上のズームレンズが4種類だ。
- サードパーティ製の単焦点AFレンズもいくつかあるが、F2.8やF4のズームレンズが欲しい場合、フルサイズ用の重く高価なものを選択するしかない。
2024年末に登場したニコンのAPS-Cミラーレスカメラ。
ニコンAPS-Cではお馴染みの2000万画素CMOSセンサーを継承しつつ、最新の画像処理エンジンであるEXPEED 7 プロセッサを搭載。被写体検出や3Dトラッキングに対応する最新のAFシステムを利用でき、センサーが足かせとなるものの連続撮影や動画撮影も高機能化。外装のデザインも一新され、より一般的で使いやすい物理ボタンが大幅に増加しています。
さらにZ6IIIと共に始まったNikon Imaging Cloudにも対応しており、Wi-Fiに接続してカメラ単独でのアップロードやレシピのダウンロードが可能となっています。販売価格は前モデルより数万円高くなっているものの、改善した機能を考慮すると妥当な値付けと言えそう。競合他社を含めて、被写体検出AFに対応するAPS-Cミラーレスとしては比較的安いほう。
DPREVIEWのファーストインプレッションでは、見方によってはマイナーチェンジと言えなくもないとしつつ、エントリーモデルとしては本格的で機能的なカメラに仕上がっている模様。オートフォーカスは被写体検出や3Dトラッキングに対応したことで飛躍的に使いやすくなっているようです。元Z fc・Z 30ユーザーでしたが、AFが気になって手放してしまったので、このあたりがZ 8・Z f 並になるのだとしたら魅力的。
古いイメージングセンサーの性能が気になるところですが、何も言及していないところを見ると従来通りでしょうか?高感度ISO画質は問題ないものの、ローリングシャッターの影響は多少目立つかもしれませんね。
(エントリーモデルとしては)Nikon Imaging Cloudやピクチャーコントロールなどの活用は敷居が高いようです。カメラ単独でのインターネット接続やイメージングレシピのダウウンロード方法は少し厄介。パナソニックのように、スマホアプリで管理・転送したほうが便利かもしれません。
- 発売日:2024年12月13日
- 予約開始日:11月12日10時
- 希望小売価格:オープンプライス
- ニコンダイレクト:
・ボディ:145,200円
・16-50 キット:166,100円
・18-140 キット:199,100円
・ダブルズームキット:198,000円
Z50II ボディ | |||
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Z50II 16-50 VR レンズキット | |||
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主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:APS-Cサイズ/DXフォーマット
・有効画素数:2088万画素
・除塵ユニット:
・手振れ補正:レンズシフト方式 - ISO 100~51200
- 静止画:RAW(ロスレス・高効率・高効率★) / JPEG / HEIF
- ストレージ:SD UHS-II
- プロセッサ:EXPEED 7
- AFシステム:ハイブリッドAF
・測距点:209点
・測距輝度範囲:-9~19EV f/1.2レンズ使用時
・被写体認識:人物(顔、瞳、頭部、胴体)、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車 - ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:1/4000~30秒
・電子シャッター対応
・フラッシュ同調速度:1/250秒
・撮影速度:約11コマ/秒 / 約15コマ/秒
・撮影枚数:200コマ以上
・プリキャプチャーモード - ファインダー:0.39型XGA OLE 約1.02倍 約236万ドット
- モニター:バリアングル式8cm/3.2型TFT液晶モニター 約104万ドット
- 動画:
・4K:60p
・FHD:120p
・出力:MOV、MP4
・H.265/HEVC(8bit/10bit)、H.264/AVC(8bit)
・N-Log
・動画撮影中の赤枠表示
・RECランプ - インターフェース:
・USB:Type-C端子(SuperSpeed USB)
・ヘッドホン:φ3.5mm
・マイク:φ3.5mm
・HDMI:Type D
・Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n/a/ac
・Bluetooth:Ver.5.0
・その他:GN7 フラッシュ内蔵 - バッテリー
・タイプ:EN-EL25a
・撮影可能枚数: ファインダー 約230コマ / モニター 約250コマ
・充電方法:USB-C - サイズ:約127×96.8×66.5mm
- 重量:約550g