PhototrendがCP+2024におけるキヤノンへのインタビュー記事を公開。RFマウントの方向性、サードパーティレンズ、VRやAIについて。最後にEOS R1を絡ませつつ、パリオリンピックで白レンズとEOSボディを数多く見るであろうことを示唆。
Phototrend:Interview Canon CP+ 2024 : « vous verrez de nombreux boîtiers Canon aux JO Paris 2024 »
RFシステムの方向性
- RFマウントの3つの大きな特徴
・光学系と関連機能の設計の自由度が向上
・レンズとカメラ間の通信が非常に高速かつ安定
・オートフォーカスの高速性と精度、さらには暗い場所でも非常に高い画質- 将来のビジョンに基づいてこのエコシステムを開発。
- まだまだ開発と改善の余地がたくさんあると信じている。
- オートフォーカスの精度や画質も向上する可能性がある。
- 人工知能とディープラーニング技術をカメラに組み込む予定。
- 昨年末の時点で当社のRFマウントレンズは41本。写真から映像、動画への移行ニーズの高まりに応えるためには、まだまだ提供の余地がある。
- トレンドがビデオに移行している。これが大きなトレンドであることは疑いの余地がない。
イメージング部門の財務状況は?
- 非常に良い成長を遂げた。
- レンズ交換式カメラに関しては、世界市場で見るとキヤノンが現在48%のシェア。
- 全世界をカバーし、フルサイズカメラ市場全体について十分に正確で検証可能な生の情報を備えたデータは存在しない。
- レンズ交換式カメラの分野ではキヤノンが堂々の1位。
RF-Sレンズについて
- APSの強化に本格的に取り組んでいる。
- すべては顧客が何を望んでいるのか、何を求めているのかによって異なる。
- フルサイズレンズに目を向けると、幅広いラインナップがあり、それらはすべてAPS-Cボディで使用できる。
サードパーティ製レンズについて
- 今話している時点で、オートフォーカスを備えたサードパーティの RF レンズは存在しないことを明確にしておきたい。
- ご存知のとおり、私たちはオープン戦略を採用していない。
- とはいえ、お客様のニーズを満たすためには製品の多様性が必要。
- 現在、昨年よりもはるかに多くのサードパーティ メーカーとのコミュニケーションを行っている。
- 今のところ言えるのは、発売するレンズの種類や市場での位置付けに関して、他のメーカーと機密保持契約を結んでいるということだけだ。
サードパーティのレンズは、ボディのパフォーマンスと機能に純正品同様のアクセスが可能か?
- 最高の機能を手に入れたい場合はキヤノン純正品の組み合わせでのみ実現。
- 独自の技術を備えたサードパーティメーカーは、可能な限り最高の結果を達成しようと努めると確信している。
- キヤノンはボディに関するあらゆる情報を把握している。このため、レンズだけを作っている会社では限界があると思う。
RF24-105mm F2.8 L IS USM Zについて
- 動画撮影の需要が高まっている。プロおよびアマチュアのビデオグラファーの要件を満たすために開発した。
- 光学系は専門家の特定のニーズをすべてカバーするように設計。。レンズの取り扱いや操作性も同様。
他のパワーズームレンズについて
- 今回の発売後、もう一度消費者に目を向け、彼らの声に耳を傾けて、適切な製品とテクノロジーの適切な組み合わせが何かを判断していく。
仮想現実 VRについて
- デジタルカメラ市場が写真から動画に移行している。市場は進化しており、それは今後も続く。
- そして今、2D から 3D へ、そして仮想現実 (VR) が登場し、VR 市場はさらに加速する。
- ただし、VR 市場が発展し勢いを増すには、さらに時間がかかる。
- VRのアクセシビリティ、使いやすさ、撮影を推進していく。
- VRヘッドセットに関しては、コンポーネントは基本的にカメラと同じ。画面、カメラ、ビューファインダーがあり、両目用に設計するだけ。
AIについて
- 当社はセンサー、画像処理プロセッサーレンズを自社生産している。したがって、すべての情報はデータベースにある。
- AI に関しては、主にオートフォーカスの向上に使用し、被写体の認識を支援するためにディープラーニングを使用している。
- AIは画像処理の分野で活躍。たとえば、低照度では、AI がノイズの改善、シャープネスの向上、収差の補正によってサポートする。
- 当社の方針と哲学は画像処理に関するものであり、画像作成に関するものではないことも強調しておきたい。
Content Authenticity Initiativeについて
- キヤノンの機器からの信頼性と安全な画像を確保する方法を積極的に検討している。
- これ以上は言えないが、プロジェクトは存在する。
- デバイスが写真をキャプチャすると、元のファイルにさまざまな追加データ、特定のメタデータが追加される。
グローバルシャッターについて
- 我々は既に産業用のグローバルシャッターを使用している。
- グローバルシャッターはもちろん利点もあるが、大きな欠点もある。
- 感度管理(訳注:高感度ISO?)はあまり良くなく、ダイナミックレンジもそれほど広くない。
- このタイプのセンサーは非常に複雑な構造をしているため、これを最適化するのは難しい。
- これらの要素を取り入れるかどうかは、メリットとデメリットのバランスを見て今後検討する。
画質を妥協してでもグローバルシャッターの恩恵を受けたい
- その一点で妥協してもいいのではないかという声があることは承知している。
- しかし、これを当社の主力製品に統合する必要がある場合は、完全なテクノロジーが必要だ。
- 画質は妥協できるものではなく、それが我々の哲学だ。
- とはいえ、製品カテゴリーに応じて検討する必要がある。
EOS Mについて
- R50 とR100を発売。これらはコンパクトで軽量に設計されており、市場で非常に好評。
- EOS Mのボディも非常にコンパクト。マーケティングの維持は市場に依存する。一部の地域では引き続き M シリーズの販売が好調だが、他の市場では R シリーズの方が好まれており、それが我々の現在の状況だ。
EOS R1について
- この質問を聞くのは101回目だ。
- 新製品がいつ発売されるかはまだ言えない。
- しかし、今年がオリンピックの年である。我々全員がオリンピックに関わっており、カメラマンが高性能のカメラを使用できれば、もちろんそれが理想的だ。我々はその準備をしている。
カメラ操作の習熟には時間がかかる
- 本当にその通り。実際のところ、プロが競技会で実際の状況であらゆる機材を使用できるようになるには、約 6 か月の学習と毎日の使用が必要だ。
- したがって(仮定の話だが)我々が主力製品を準備している場合、一部の専門家はすでにこの新製品の使用を練習する必要があることを意味している(笑)
- パリオリンピックでは、たくさんの白いLレンズを備えたキヤノンのボディをたくさん見ることになると思う。
とのこと。
サードパーティレンズに関しては、様々なメーカーとのコミュニケーションを行っているとしつつも、最高の組み合わせはキヤノン純正品と強調。また、「オートフォーカスを備えたサードパーティの RF レンズは存在しない」と言及しており、YONGNUOやMeikeなどリバースエンジニアリングのRFマウントレンズは認めていないようです。過去にはサムヤンのRF AFレンズも存在しましたが、現在は販売を停止しています。
国内ではほぼ販売を終了したEOS Mシリーズに関しては明言を避けています。地域によっては販売を継続している国もあると思いますが、開発や製造は終わっているのかもしれませんね。緩やかにEOS Rへと移行し、自然と消えていくのかもしれません。
肝心のEOS R1に関して明言はしていないものの、パリオリンピックでの登場は示唆していますね。オリンピックまでに正式発表するのか、水面下で特定のプロフォトグラファーと調整を続けるのか気になるところ。また、EOS R5 Mark IIも登場すると噂されていますが、真相やいかに。
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