シグマ「18-50mm F2.8-4 OS」「17-40mm F4 OS」などの光学系に関する特許出願

2022年10月17日付けでシグマの気になる特許出願が公開。基本的には「18-50mm F2.8 DC DN」用と思われますが手ぶれ補正を含み、「18-50mm F2.8-4」「17-40mm F4」などの実施例もありますね。

概要

【公開番号】P2022158386

【公開日】2022-10-17

【発明の名称】結像光学系

【出願日】2021-04-02

【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ

【課題】ズーム全域で開放F値が小さく小型な結像光学系を提供する。

【背景技術】
【0002】
近年、結像光学系と撮像素子の間に配置され、光線をファインダー光学系に導くクイックリターンミラーを廃した、所謂ミラーレスカメラが普及している。ミラーレスカメラはミラーを廃したことにより筐体が小型化されているため、それに伴い結像光学系の小型化が求められている。また、ズーム全域で開放F値の小さい大口径ズームレンズが求められている。

【0004】
特許文献１では、開放Ｆ値が２．８程度の明るいポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、結像光学系のサイズが大きいという問題がある。また、特許文献２では、結像光学系が小型化されたポジティブリード型のズームレンズが開示されている。しかし、望遠端での開放Ｆ値が６．３程度と暗いという問題がある。

実施例1

焦点距離：18.60-48.50

F値：2.92

半画角：79.04-31.24

像高：14.20

全長：91.81-114.15

実施例6

焦点距離：18.43-53.40

F値：2.91-4.00

半画角：80.50-28.42

像高：14.20

全長：85.00-110.00

実施例7

焦点距離：16.30-38.99

F値：2.91

半画角：87.23-38.26

像高：14.20

全長：85.01-106.84

実施例8

焦点距離：17.45-48.50

F値：4.11

半画角：83.61-31.16

像高：14.20

全長：80.01-105.10

実施例9

焦点距離：23.45-68.00

F値：2.91

半画角：63.7-22.74

像高：14.20

全長：115.01-144.79

実施例10

焦点距離：28.50-72.80

F値：2.92

半画角：79.08-31.60

像高：21.63

全長：135.24-165.37

レンズ構成やパラメーターを見た限りでは「18-50mm F2.8 DC DN」の光学系に関する特許出願に見えますが、よく見てみると製品化されたレンズには無い手ぶれ補正を想定している実施例となっています（図面では「GS」）。現行モデル開発段階で「OS」無しモデルに決めたのか、それとも現行モデルとは別に手ぶれ補正搭載の標準ズームを検討中なのか、今のところは不明。今のところAPS-C Eマウントには手ぶれ補正を搭載した大口径標準ズームが「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」くらいなので、コンパクトサイズを維持しつつ手ぶれ補正を搭載した大口径ズームは需要がありそうですね。（それにボディ側に手ぶれ補正を搭載したカメラは少ない）

実施例では「18-50mm F2.8」の他に「18-50mm F2.8-4」「17-40mm F4」となりそうな実施例もあります。実施例9は一見するとフルサイズ対応の「24-70mm F2.8」のように見えますが、面白いことにAPS-C用。実施例10はフルサイズ対応の「28-70mm F2.8」ですが、現行モデル「28-70mm F2.8 DG DN」の光学系とは異なります。

ちなみに私は「18-50mm F2.8 DC DN」ユーザーの一人。低価格ながら全体的に高水準な光学性能を実現しているおススメの一本。年内に富士フイルムXマウント版も登場するという話もあり、Xマウント版も購入しようか検討中です。レンズに手ぶれ補正があるに越したことは無いですが、手ぶれ補正搭載カメラが増えつつある富士フイルムなら特に困ることは無いはず。

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