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タムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」は単焦点レンズに匹敵する解像性能

Sony Alpha Blogがタムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」のレビューを公開。小型軽量なF2.8ズームですが、単焦点レンズに匹敵する解像性能を備え、E 10-18mm F4を遥かに上回る性能を持つと高く評価しています。

Sony Alpha Blog:Tamron 11-20mm F2.8 Di III-A RXD

レンズの紹介:

  • APS-Cミラーレス用2本目となる大口径ズームレンズだ。優れた光学性能の17-70mm F2.8 Di III RXDを補完し、ソニー純正レンズよりも優れたサードパーティ製レンズである。

ビルドクオリティ:

  • ビルドクオリティは良好である。従来のソニーEマウント用タムロン製レンズと一致するものだ。
  • フィルター径は他のレンズと同じ67mmで統一されている。

携帯性:

  • サイズが小さいのでVlogやジンバルの使用に適している。

操作性:

  • コストを最小限にするため物理コントロールは省かれている。

オートフォーカス:

  • AFは高速かつ正確だ。
  • 瞳AFは良く効く。
  • トラッキングはとても良好だ。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 2400万画素のα6000と組み合わせてテストした。
  • 中央は絞り開放から全ての焦点距離で素晴らしい結果だ。F8以降は回折の影響でシャープネスが低下する。
  • 四隅は開放から良好で、絞ると焦点距離によって非常に良好?優れた結果を得ることができる。
  • Eマウント用で最もシャープなAPS-C用ズームレンズだ。最高のAPS-C用単焦点レンズに近いパフォーマンスである。
  • クローズアップの中央は遠距離と同程度のシャープネスだ。
  • 遠景では絞り開放から中央は優れた結果を得ることができ、四隅も良好だ。全体的に優れた結果を得たい場合はF5.6まで絞るといいだろう。
  • ポートレートの撮影距離では優れたシャープネスを発揮する。肌の色合いも素晴らしい。

像面湾曲:

  • クローズアップ時は像面湾曲が目立つ。

ボケ:

  • 玉ボケは絞り開放で十分な丸みを帯びている。絞ってもほとんどは丸いままだ。7枚羽根の影響はあまり見られない。
  • 広角レンズとしては後ボケが柔らかいが、騒がしい背景の場合は少し影響が見られる。
  • 発色は抜群だ。

色収差:

  • とても良好に補正されている。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 11mmで中程度だが、20mmまでに徐々に逆転し、僅かな糸巻き型へと変化する。実写で大部分の場合は補正が必要ない。

周辺減光:

  • 11mm F2.8で目に付くが、他の焦点距離では非常に少ない。

コマ収差:

  • 天体撮影でコマ収差は良く補正されている。

逆光耐性:

  • 逆光耐性は平凡だ。太陽をフレームに入れると強い影響がある。
  • F16まで絞ると素敵な光条が得られる。

競合レンズ比較

  • 他のズームレンズは「E 10-18mm F4 OSS」だけだ。
  • 単焦点の場合は以下のようなレンズが考えられる。
    ・Samyang 10mm F2.8 ED AS NCS CS
    ・Samyang AF 12mm F2 E
    ・SIGMA 16mm F1.4 DC DN
    ・Samyang 21mm F1.4 ED UMC CS
  • 価格はタムロンが最も高い。
  • サイズと重量はシグマと非常に良く似ている。
  • ビルドクオリティは良好だが、シグマやサムヤンAF12mm F2のほうが良好だ。
  • シャープネスはソニー10-18mmよりも遥かに優れている。中央は最高の単焦点と同程度だ。
  • 四隅のシャープネスは単焦点のほうが良好だが、F5.6まで絞るととても差が小さくなる。
  • 全体的に全てのレンズの中でタムロンは最も鮮明でコントラストが高い。
  • ボケや発色はタムロンが非常に良好だ。ソニーよりも遥かに優れている。単焦点と比較してもシグマやサムヤンよりも良好だ。最短撮影距離が短いのでボケを大きくすることが出来る。
  • 歪曲収差や色収差でこれと言って差別化はできない。
  • 逆光耐性は全ての選択肢の中でタムロンが最も悪い。
  • タムロンのズームレンズはほとんど妥協することなく単焦点から置き換えることができる性能だ。開放F値が「F2.8」であることと、逆光耐性のみ注意が必要だ。

作例集

総評

タムロン11-20mm F2.8 Di III-A RXDはAPS-C用の優れたズームレンズだ。素晴らしいボケ・発色・AF・低歪曲(11mmを除く)を備え、全ての焦点距離で優れたパフォーマンスを発揮する。唯一の欠点は逆光耐性くらいだろう。

風景写真や建築写真のみならず、動画撮影やV-E10と組み合わせたVlog、ジンバルなどにも最適だ。
ソニーE 10-18mm F4 OSSを遥かに上回る性能であり、単焦点レンズに匹敵する中央解像を備えている。ソニーAPS-C必携レンズと言っても良いだろう。

  • 長所
    ・抜群のシャープネス
    ・F5.6以降は全体的に良好
    ・優れたコントラスト
    ・広角レンズとしては良好なボケ
    ・非常に良好な発色
    ・優れたAF
    ・11mm以外で小さな歪曲と周辺減光
    ・低色収差
    ・低コマ収差
    ・ビルドクオリティが良好
    ・F2.8ズームとしては小型軽量
    ・フォーカスブリージングが限定的
  • 平凡
    ・価格
    ・11mmの歪曲収差と周辺減光
    ・コントロールポイントが無い
  • 短所
    ・逆光耐性

とのこと。
非常に優れた光学性能のAPS-C用広角ズームレンズのようですね。Eマウントレンズは数あれど、APS-C用の広角ズームはこれまでE 10-18mm F4 OSS」のみ。タムロンのほうが僅かに高価ですが、同程度の価格で優れた光学性能のF2.8ズームが手に入るのであれば要検討ですね。ただし、光学手ぶれ補正を搭載していないので、ボディ内手ぶれ補正の無いAPS-Cカメラで使う場合は注意が必要です。

ちょっと気になる点として、未発表のソニー製Eマウントカメラ「ZV-E10」について触れています。既に登場が噂されているカメラですが、ひょっとしたらSony Alpha BlogではZV-E10のプリプロダクションモデルを既にテストしているのかもしれませんね。(噂情報を元に「Vlogカメラに最適」と言及しているだけかもしれませんが)

タムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」交換レンズデータベース

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競合レンズ比較

11-20mm 10-18mm
レンズ構成 10-12 8-10
最短撮影距離 0.15-0.24m 0.25m
最大撮影倍率 0.25-0.13 0.1
フィルター 67mm 62mm
サイズ φ73x86.2mm φ70.0×63.5mm
重量 335g 225g

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