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オリンパスM.ZUIKO 12-100mm F4.0 IS PRO 解像力テスト&レビュー

このページではオリンパス製マイクロフォーサーズ対応交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」の解像力テスト結果とレビューを公開しています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 解像性能 検証

撮影環境

イメージ図です。マイクロフォーサーズのRAWアスペクト比は「4:3」であり、測定時は4:3に合わせてフレーミングしています。このため、「3:2」イメージセンサーよりも四隅領域の判定が厳しめとなる傾向があります

テスト環境

  • カメラボディ:OM-D E-M1X
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • OM-D E-M1XのRAWファイルを使用
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

解像力テスト

12mm

中央領域は絞り開放から非常に良好。2000万画素のマイクロフォーサーズセンサーとしてはほぼ限界値と言えるレベルであり、ハイクラスな単焦点レンズと同等。

中央と比べて周辺や四隅は見劣りするものの、それは中央が良すぎるだけという話。開放から「2500本」を超えるとても良好なパフォーマンスを維持しています。近接でこれだけの数値が出るなら御の字でしょう。

パフォーマンスは絞っても全く改善しないので被写界深度の調整に使えばOK。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 3477 2698 2587
F5.6 3546 2841 2529
F8 3903 2669 2294
F11 3094 2413 2181
F16 2625 2413 1854
F22 1939 1557 1561

25mm

全体的な傾向は12mmと同じ。絞り開放からピークのパフォーマンスを発揮し、絞っても全く改善しません。回折の影響でF8以降は解像性能が低下するものの、F11あたりまでは実用的な画質を維持しています。

12mm時ほどぶっ飛んだ中央解像では無いので、結果としてフレーム全域の均質性が向上しています。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 3261 2863 2746
F5.6 3301 2885 2635
F8 2851 2635 2160
F11 2764 2496 2188
F16 2359 2136 1991
F22 1846 1784 1553

50mm

一般的に高倍率ズームは望遠側へズームするほど周辺や四隅の解像性能が低下するものです。しかし、このレンズは逆に解像性能が高まり中央とほぼ同等のパフォーマンスを発揮する異次元っぷり。

どうなっているのでしょうね、このレンズ。光学8.3倍ズームとは感じさせないどころか並の単焦点レンズより解像します。

やはり絞り開放からピークのパフォーマンスを発揮し、絞っても改善しません。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 3261 3070 2687
F5.6 3168 2933 2872
F8 2818 2851 2575
F11 2632 2494 2656
F16 2224 2304 2224
F22 1819 1738 1738

75mm

異次元の性能ここに極まる。

開放から何故かフレーム全域で「3000本」前後の高数値を記録。これは同じオリンパスのハイエンドズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」で最もパフォーマンスが高い150mmのピーク性能と酷似しています。

ちょっとおかしいでしょ、光学8.3倍ズームですよ。例のごとく絞っても性能は改善しません。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 3257 3079 2933
F5.6 3218 3032 3329
F8 2835 2968 2774
F11 2554 2746 2663
F16 2272 2275 2136
F22 1822 1858 1811

100mm

75mmのパフォーマンスと比べると、絞り開放における数値が少し低下しています。ベストな結果を得るためには1段絞るのがおススメ。まあ、そこまで違いはありませんが…。

光学8.3倍の高倍率ズームにおける望遠端でこの解像性能はハッキリ言って異常。M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの100mmより性能高い。

 

F値 中央 周辺部 四隅
F4 2796 2629 2838
F5.6 2796 3088 2998
F8 3015 2980 3051
F11 2791 2791 2705
F16 2359 2278 2173
F22 1792 1765 1720

ハイレゾショットによる解像性能検証

鬼のような解像性能をズームレンジ全域で発揮する12-100mmがハイレゾショットでどこまで伸びるのか見てみましょう。今回はAdobe Lightroom CCCを使用して8000万画素のJPEGとして現像しています。

12mm

12mmの中央解像は伸びる伸びる。変な笑いが出てしまうほど伸びる伸びる。

中央解像に限って言えばNikon Z 7+単焦点レンズとほぼ同等と言っても過言では無いでしょう。もともと広角側は接写性能が非常に高いので、ハイレゾショットのトリミング耐性と相まって面白いマクロ撮影が可能。

その一方で周辺や四隅はまずまず改善するものの、中央ほど伸びません。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 4408 3608 3157
F5.6 4620 3787 3475
F8 4080 3197 3150

50mm

12mmよりも周辺や四隅の解像性能が向上し、全域でフルサイズ高画素モデルのようなパフォーマンスを発揮します。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 4682 4019 3452
F5.6 4287 4025 3812
F8 4138 3758 3263

100mm

2000万画素でしっかり解像していること自体凄いのに、ハイレゾショットで全く粗が見えないのは想定外。

F値 中央 周辺部 四隅
F4 3897 3965 3833
F5.6 4260 4071 4048
F8 3908 3948 3847

異次元の高倍率ズーム

解像性能に限って言えばズームレンジ全域で単焦点レンズ並み。しかも絞る必要がほぼ無いくらい開放からベストなパフォーマンスを発揮しています。

恐らくこれ以上のズームレンズは望めないでしょう。解像性能に加え、強力な防塵防滴、高速AF、効き目の高い光学手ぶれ補正、頑丈な鏡筒などなど、完全無欠に近い。敢えて言えばレンズサイズと複雑なレンズ構成から来る逆光耐性に注意が必要と言ったくらい。

マイクロフォーサーズでハイエンドなズームレンズを探しているのであれば間違いなくおススメのレンズ。

今回使用した機材

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