キヤノン「200-1000mm F5.6-11 IS」「200-800mm F5.6-8 IS」光学系に関する特許出願

223年9月28日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「200-1000mm F5.6-11 IS」「200-800mm F5.6-8 IS」と言った長焦点のズームレンズに関する光学系をいくつか含んでいます。

概要

【公開番号】P2023135180

【公開日】2023-09-28

【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置

【出願日】2022-03-15

【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社

【課題】全系が小型でありながら、フォーカシングに伴う光学性能の低下が抑制されたズームレンズを得ること。

【背景技術】
【0002】
撮像光学系として、望遠端の焦点距離が長い望遠ズームレンズが知られている。（特許文献１）このようなズームレンズでは、小型でありながら、フォーカシングの高速化が容易であること、フォーカシングによる光学性能の低下を抑制すること等が求められる。

【0005】
しかしながら、特許文献１のズームレンズは、フォーカス群である第４レンズ群のレンズ枚数が多く、さらには屈折力も比較的強い。よって、フォーカシングの高速化と、フォーカシングに伴う光学性能低下の抑制を両立することが困難である。

【0006】
そこで本発明は、全系が小型でありながら、フォーカシングに伴う光学性能の低下が抑制されたズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。

実施例1

焦点距離：206.00-778.20

F値：5.71-9.18

半画角：6.00-1.59

像高：21.64

全長：330.11-420.11

バックフォーカス：40.03-96.02

実施例2

焦点距離：200.00-998.33

F値：5.71-11.00

半画角：6.17-1.24

像高：21.64

全長：346.80-456.78

バックフォーカス：43.85-105.49

実施例5

焦点距離：206.00-775.95

F値：5.83-8.00

半画角：6.00-1.60

像高：21.64

全長：330.08-420.12

バックフォーカス：38.46-38.46

類似の特許出願【公開番号】P2023135182

Ex2

焦点距離 205.79 399.97 969.72

Fナンバー 5.83 7.10 9.20

画角 6.00 3.10 1.28

像高 21.64 21.64 21.64

レンズ全長 353.74 411.26 453.74

BF 40.62 58.80 85.06

Ex5

焦点距離 154.33 300.00 581.74

Fナンバー 5.15 5.83 6.50

画角 7.98 4.12 2.13

像高 21.64 21.64 21.64

レンズ全長 302.81 370.45 392.81

BF 38.99 50.70 81.11

Ex7

焦点距離 205.02 385.01 396.16

Fナンバー 4.00 4.00 4.00

画角 6.02 3.22 3.13

像高 21.64 21.64 21.64

レンズ全長 360.03 360.03 360.03

BF 61.15 61.15 61.15

他社で言うところの200-600mm・150-600mmクラスの超望遠ズームレンズを、さらに望遠側に拡張したようなパラメータの光学系。これまでも似たような超望遠ズームの特許出願はありましたが、1000mmを想定しているような光学系は初めて見ました。非常に大きな光学系ですが、200mmから800mmや1000mmまでズームできるのは魅力的。開放F値はそれなりに大きくなってしまうものの、妥協できる範囲に収まっていますね。

商品化前に特許出願が公開されることは珍しく、今回の特許がRFレンズとして登場する可能性は低い。ただし、最近は事前に公開されている例もないわけではなく、ひょっとしたら、将来的にこのようなズームレンズが登場するのかもしれませんね。（それに、キヤノンにはこのクラスのズームレンズが不在。ソニー・ニコンは既にリリースしており、パナソニックもロードマップで投入を予定しています）

追記：類似の特許出願【公開番号】P2023135182を追記しました。150-600mm F5-6.5のような一般的なズームレンズや200-400mm F4のような大口径ズームの実施例あり。