Lenstipが「12mm F1.4 DC|Contemporary」のレビューを公開。スペックを考慮すると小型軽量で手頃な価格を実現。優れた解像性能や軸上色収差補正を評価しつつ、歪曲収差や倍率色収差、周辺部との画質差などについて指摘。
- 外観:黒く滑らかなプラスチック製鏡筒を採用。鏡筒にはレンズ名・パラメータ、Contemporaryシリーズのマーク、白い位置合わせ点、新ロゴ、モデル番号025、焦点距離(0.172m~∞)および「MADE IN JAPAN」の表記がある。
- 構造:接点部を囲む金属製マウントを備え、直径約1.9cmの後玉。全体はしっかり密閉されている印象。
- 携帯性:F1.4の明るさを持つ超広角ながら非常に小型軽量。ソニーやサムヤンはさらに軽いが暗い。Viltroxはシグマより大きく重く、画角も狭い。
- 操作性:幅約0.6cmの絞りリングを搭載し、リブ付きで握りやすい。F1.4~F16まで1/3EV刻みで動作し、「A」で自動モードに切替可能。デクリック非対応のため動画撮影にはやや不向き。
- AF:AF-Cモードでの動作は静かで高速。合焦確認まで約0.3秒と非常に優秀で、方向や光条件に左右されない精度。
- MF:幅約3cmのフォーカスリングは鏡筒の広い範囲を占める。ゴム製。操作感は極めて滑らか。回転角は速く回すと約180~190度、ゆっくりでは約220度で精密な調整が可能。ブリージングは中央で約3〜4%、端で約6%と推定され、実用上問題ない範囲だが優秀とは言えない。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:中央は非常に優秀で、開放でも68lpmm、F2.8で最高86.6lpmmを記録する。周辺は中央との差が大きく、絞っても改善が緩やか。倍率色収差の影響が原因とされるが、F1.4〜F8で約50lpmmを維持し実用には十分。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:超広角としては美しく、非球面レンズ3枚ながら玉ねぎボケはごくわずか。明るい縁取りがわずかに強調されるのみ。小型設計ゆえF1.4〜F2.8では口径食が目立つ。
- 軸上色収差:F1.4構成にもかかわらず良好に補正。色づきはごくわずかで、実写で問題ない。
- 倍率色収差:絞り込みで急増し、F1.4では低~中程度だが絞ると高レベルに近づく。Viltrox 13mm F1.4やSony 11mm F1.8に比べると劣る結果。
- 球面収差:明確なフォーカスシフトがあり、球面収差は十分に補正されていない。
- 歪曲収差:補正なしでは-6.27%の樽型歪みを示し、端部では口ひげ型も見られる。無限遠では-5.29%に減少するが依然高い。JPEG補正後は-0.17%でほぼゼロに改善されるが、トリミングと拡大による画質への影響が伴う。
- 周辺減光:開放で-3.19EV(67%)と非常に大きい。競合のViltroxやソニーよりやや劣る。
- コマ収差:コマ収差は良好に補正され、隅の点像がわずかに伸びる程度。F1.4~F2.8で安定した描写を維持している。
- 逆光耐性:大口径の広角レンズで難易度は高いはずだが、逆光性能は極めて優秀。開放付近ではフレアはほとんど見られず、絞るとわずかに現れるものの小さく目立たない。全体的にコントラストも良好で、評価すべき完成度。
- 光条:記載なし。
- 作例集:
- 総評:画角100度・F1.4・軽量という目標を実現したが、多くの妥協を伴う。周辺画質・倍率色収差・球面収差・歪曲・周辺減光はいずれも弱点である。価格630ドルと手頃ながら、完成度は限定的であり、既存のSamyang 12mm F2やSony 11mm F1.8から買い替えは見送った。
- 競合について:Sony E 11mm F1.8との比較では、中央解像で僅差ながらシグマが優勢。より明るく、収差抑制と絞り込みの余裕がある点で有利とされる。
- 備考:
2025年夏に登場したAPS-Cミラーレス用の単焦点レンズ。「F1.4 DC」シリーズとしては、30mm・16mm・56mm・23mmに続く5本目のレンズ。最も広い画角をカバーしつつ、シリーズ初となる絞りリングを搭載しました。
F1.4 DC Contemporaryラインとしては高めの価格設定ですが、防塵防滴構造や撥水・撥油コートの採用、絞りリングの搭載など付加価値を高めています。
Lenstipのレビューによると、小型軽量を実現しつつ、絞りリングや防塵防滴仕様など機能的なレンズに仕上がっている模様。ただし、光学的にはいくつかの妥協点が存在すると指摘しています。他のレビューと比べると、光学性能の観点で辛口の評価。
(他のレビューでは光学性能の評価も高い場合が多い)
周辺部の画質低下や球面収差の問題を考慮すると、撮影距離により諸収差が変動しやすいのかもしれませんね。特にシグマContemporaryはこの傾向が強く、定型チャートとの相性が悪い。
歪曲収差や倍率色収差、周辺減光は無限遠側でも気を付ける必要があると思いますが、このあたりはカメラや現像ソフトで補正しやすい問題。このあたりを含めて、他のレビューサイトも確認しておいたほうが良いかもしれません。
シグマ 12mm F1.4 DC|Contemporary 最新情報まとめ
- 発売日:2025年9月4日
- 予約開始日:2025年8月21日 10時
- 希望小売価格:オープン
- シグマオンラインショップ:99,000円
| 12mm F1.4 DC Sony E | |||
| 楽天市場 |
Amazon |
キタムラ |
|
| ビックカメラ | マップカメラ | ||
| メルカリ |
キタムラで中古在庫を探す |
||
| 12mm F1.4 DC Fuji X | |||
| 楽天市場 |
Amazon |
キタムラ |
|
| ビックカメラ | マップカメラ | ||
| メルカリ |
キタムラで中古在庫を探す |
||
| 12mm F1.4 DC Canon RF | |||
| 楽天市場 |
Amazon |
キタムラ |
|
| ビックカメラ | マップカメラ | ||
| メルカリ |
キタムラで中古在庫を探す |
||
レンズの仕様
| レンズマウント | E/X/RF |
| 対応センサー | APS-C |
| 焦点距離 | 12mm |
| レンズ構成 | 12群14枚 (SLDガラス2枚、非球面レンズ3枚) |
| 開放絞り | F1.4 |
| 最小絞り | F16 |
| 絞り羽根 | 9枚 (円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 17.2cm |
| 最大撮影倍率 | 1:8.4 |
| フィルター径 | 62mm |
| 手振れ補正 | - |
| テレコン | - |
| コーティング | 撥水・撥油 |
| サイズ | ソニー E マウント: φ68.0mm x 69.4mm 富士フイルム X マウント: φ68.0mm x 69.7mm キヤノンRFマウント: φ69.0mm x 67.4mm |
| 重量 | ソニー E マウント: 225g 富士フイルム X マウント: 235g キヤノンRFマウント: 250g |
| 防塵防滴 | 簡易 |
| AF | STM |
| 絞りリング | 搭載 (RFマウント以外) |
| その他のコントロール | コントロールリング (RFマウント) |
| 付属品 | ・ポーチ ・レンズフード(LH652-01) ・フロントキャップ(LCF-62 IV) ・リアキャップ(LCR III) |
関連レンズ
- E 11mm F1.8
- XF14mmF2.8 R
- AF 12mm F2.0 E
- TTArtisan AF 14mm F3.5
- VILTROX AF 13mm F1.4
- YN11mm F1.8 DA DSM WL
関連記事
- 小型軽量だが妥協点が多い|12mm F1.4 DC 2025年10月29日
- APS-C用広角単焦点として最高クラスの性能|12mm F1.4 DC 2025年9月28日
- 高機能と携帯性を両立した競争力の高いレンズ|12mm F1.4 DC 2025年9月14日
- 満足のいく広角レンズ|12mm F1.4 DC 2025年9月14日
- DPReviewが 12mm F1.4 DC のサンプルギャラリーを公開 2025年8月24日
- シグマ 12mm F1.4 DC|Contemporary 予約販売開始 2025年8月21日
- コストを惜しまず検討すべきレンズ|12mm F1.4 DC 2025年8月20日
- 抜群の性能を誇る傑作レンズ|12mm F1.4 DC 2025年8月19日
- シグマ 12mm F1.4 DC|Contemporary 正式発表 2025年8月19日
- シグマ 12mm F1.4 DC|Contemporary 最新情報まとめ 2025年8月19日
広告
*手動広告を試験的に導入しています。 ![]()
期間限定セール
- DxO ソフト全品20%オフクーポン「asobinet」
*既存ユーザーでも新規アカウントで適用可能
新製品
アウトレットなど
キャッシュバック
カメラメーカー直販・店舗リンク(楽天市場)