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非の打ち所がない解像性能|17-40mm F1.8 DC

Lenstipがシグマ「17-40mm F1.8 DC」Eマウントのレビューを公開。歪曲収差の補正を諦めていると指摘しつつ、非の打ち所がない解像性能やズームレンズとしては良好なボケを評価。

Lenstip:Sigma A 17-40 mm F1.8 DC

  • 外観:2025年以降はシグマ製品のパッケージが刷新され、Artはブルー、Sportsはグラファイト、Contemporaryはカーキなど色分けされる。デザイン性は高いが、箱は捨てられるため実用性に欠ける面もある。布製ポーチのみを付属、保護性の高いレンズケースが懐かしい。
  • 構造:一眼レフ用と比べて、絞り羽根数が増え、寸法と重量は最適化された。後端レンズは可動式で、焦点距離17mmではマウントと同じ高さ、40mmでは奥1cmに沈む。可動部によりスリットが露出し、電子部品が見えるため完全な防塵防滴ではない。
  • 携帯性:新モデルは275g軽量化され、一眼レフ版より34%軽い。67mmフィルター対応。
  • 操作性:幅11mmの絞りリングを搭載し、Aポジションがあり、クリックレス切替も可能。ロックスイッチも備える。ズームリングは幅21mmで、17~40mmの目盛り付きでスムーズな操作感。AFLボタンを2つ備え、AFMF切替スイッチもある。
  • AF:HLAモーターにより静音・高速・高精度なAFを実現。α7R Vでのテストでは無音で非常に速い動作を示した。AF-Sでは0.3~0.4秒で合焦しわずかなブレがある。AF-Cでは0.1~0.2秒でブレもなく非常に良好。前ピンや後ピンの傾向はなく、常新モデルは275g軽量化され、一眼レフ版より34%軽い。67mmフィルター対応。に正確に合焦する。
  • MF:幅28mmの電子制御フォーカスリングを搭載。回転角は速度依存で200度から400度と広く、精密な操作が可能。ブリージングは17mmで約5%、40mmで1%と非常に低い。シグマの設計の優秀さがうかがえる。
  • 手ぶれ補正:記載なし。
  • 解像性能:フレーム中央は驚異的な解像力。17mm F2.8で89.9 lpmm、28mm F2.8で89.6 lpmmを記録。40mmでは85.4 lpmmと良好。中間域で特に優れ、周辺部も単焦点に匹敵する性能。17mmと40mmでは開放からF8まで平坦で高い解像力を維持。全体として表彰台級の性能であり、非の打ち所がない。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:ズームとしては良好で、均一性に優れる。非球面レンズの影響でわずかに玉ねぎボケが出る。絞っても四隅で玉ボケが切り取られる。
  • 軸上色収差:17mmではほとんど気にならない。40mmではやや目立つが中程度以下。
  • 倍率色収差:中間域では0.02%未満と極めて小さい。両端ではやや増えるが絞ると改善する。F8以上では中程度。
  • 球面収差:28mmと40mmでわずかに観察された。前後ボケで輪郭の性質が異なるが、フォーカスシフトはほぼなく、開放でも高いシャープネスを維持。ボケ描写改善のために意図的に残した可能性がある。
  • 歪曲収差:17mmで-5.82%の樽型歪曲。22mmで-1.21%、28mmで+1.52%の糸巻き型、35mmで+2.79%、40mmで+3.03%と増加。両端で補正が行われていないことが明らか。
  • 周辺減光:記載なし。
  • コマ収差:28mmと40mmで非常に良好。隅でも点像の変形は軽微。17mmでは典型的なコマ収差に加え、高次収差による羽状の歪みが出る。
  • 逆光耐性:広角かつ複雑な光学設計にもかかわらず優秀。中間~望遠域ではゴーストやフレアはほとんど出ない。17mmでは光源が隅にあると斜めの閃光が出るが、コントラスト低下は見られない。
  • 光条:記載なし。
  • 作例集
  • 総評:17-40mm F1.8 DCは驚異的な解像力と独自の仕様を持つ優れたレンズで、約920ドルと価格も妥当である。ただし両端で歪曲収差が非常に大きく、周辺減光も目立つ。ズーム比2.35倍のArtシリーズ最高級機としては補正不足が惜しい。それでもAPS-C/DXユーザーにとって極めて価値あるレンズであり、サードパーティメーカーの貢献を示す逸品。
  • 競合について:記載なし。
  • 備考

2025年6月にシグマが正式発表したAPS-Cミラーレス初のF1.8ズームレンズ。類を見ないF1.8の開放F値をズーム全域で利用することができ、インナーズーム構造となるので全長に変化がないのは嬉しいポイント。さらに、DC(APS-C)としては初となる「Art」ラインの製品であり、防塵防滴やフッ素コーティングされた本格的な耐候性も備えています。
(正確にはDN Art ラインが過去に存在していますが、既にディスコン)

価格や重量はF1.8ズームなりに重め。しかし、一眼レフ用レンズよりもずっと軽くて携帯性が良好。価格は高めですが、唯一無二のF1.8ズームと考えると安いようにも見えます。

Lenstipのレビューでは、F1.8からズーム全域で優れた解像性能を発揮ようです。フレーム端や隅で性能が低下するものの、これと言った弱点は無さそうですね。F2.8まで絞れば、ほぼ全域で優れた結果となる模様。

ボケ質について指摘するレビューもありますが、Lenstipでは肯定的な評価。色収差やコマ収差は完璧ではないものの、許容範囲内に収まっているようです。

シグマ 17-40mm F1.8 DC|Art 最新情報まとめ

  • 発売日:
    ライカ L / ソニーE / 富士フイルムX:7月10日(木)
    キヤノンRF:8月
  • 予約開始日:6月19日(木)10時
  • 希望小売価格:オープンプライス
  • シグマオンラインショップ:14万8,500円
  • B&H:919ドル
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レンズの仕様

レンズマウント E/L/RF
対応センサー APS-C
焦点距離 17-40mm
レンズ構成 11群17枚
開放絞り F1.4
最小絞り F16
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 28cm
最大撮影倍率 1:4.8 40mm
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング 撥水・撥油
マルチコート
サイズ φ72.9mm×115.9mm
重量 535g
防塵防滴 対応
AF HLA
絞りリング 搭載
(RFマウント以外)
その他のコントロール コントロールリング(RF)
AFLボタン×2
AFMFスイッチ
クリック切替スイッチ
付属品 レンズフード LH728-02
フロントレンズキャップ
レンズリアキャップ

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