Dustin Abbottがシグマ「20mm F1.4 DG DN」のレビューを公開。欠点として挙げているのは周辺減光のみで、高解像・高機能で価格はDG HSMとほぼ変わらない点を評価。広角レンズの決定版とのこと。
Dustin Abbott:Sigma 20mm F1.4 DN ART Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- レンズフードを含めてお馴染みのデザインだ。
- レンズフードは頑丈で、誤って脱落しないようにロック構造が備わっている。
- ナイロンパッド入りのレンズケースが付属する。
- 防塵防滴構造のレンズだ。マウントのみならず、鏡筒内部もシーリングが施されている。
- 新しくレンズヒーターリテーナーを備えている。
- 前後に対応フィルターを装着可能だ。
携帯性:
- 小さくは無いが、一眼レフ用レンズと比べると確かに小さなレンズだ。
- 鏡筒のサイズは35mm F1.4 DG DNとほぼ同じと言われている。
操作性:
- シグマレンズとしては機能が豊富だ。
- 絞りリングはクリックスイッチやAポジションロックに対応している。
- スイッチ類はポジションが分かりやすいように、一方が白塗りされている。
- AF/MFスイッチやAFLボタンを搭載している。
- さらにフォーカスリングをロックするスイッチが新設された。
- G Masterレンズ以上に高機能だ。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動で動作する。
- α7 IVやα1との組み合わせで高速で信頼性の高いフォーカスが可能だ。
- 最短撮影距離は0.23mと非常に短い。フード装着時のワーキングディスタンスはわずか6cmだ。
- フォーカスブリージングがいくらか発生する。
手ぶれ補正:
解像性能:
- F1.4から解像性能とコントラストは圧倒的だ。
- フレーム全体で驚くほどのディテールが得られる。
- F1.4とF4を見比べると僅かな改善が見られる。(特にフレーム隅)
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 口径食の影響はあるものの、かなり良好だ。
色収差:
- 高コントラストな状況でいくらか色付きが見られるものの、非常に穏やかだ。
- 倍率色収差も高コントラスト部のみだ。
球面収差:
歪曲収差:
- 非常に軽度な樽型の歪曲収差だ。
- 広角レンズとしては非常に低い数値となっている。
周辺減光:
- F1.4を手動で補正する場合は+72に補正値が必要だった。
- 広角の大口径レンズとしては理解できる欠点だ。
コマ収差:
- F1.4でフレーム端が僅かに変形しているくらいだ。
- F1.8まで絞ると影響は僅かとなる。
逆光耐性:
- 絞った際の光条は少し騒がしいが綺麗に見える。
- 逆光耐性は良好だ。
- ゴーストは非常に穏やかに発生する。
- フレアの影響を受けにくい。
総評
結論から言うと、私はとても満足している。
一眼レフ用と同等以上の光学性能を備え、よりコンパクトで機能的なレンズとなっている。より多くの機能を備え、より優れたオートフォーカス、耐候性、大幅な小型化、より優れた光学性能...そして価格はほぼ据え置きだ。ソニーEマウントまたはライカLマウントで優れた広角レンズを探している人の決定版となるだろう。私が指摘するような欠点はほとんどない。
フルサイズ対応の20mmレンズで唯一のF1.4レンズであり、あらゆる面で改良された新しいDNシリーズで競合他社に一石を投じたことは間違いない。そして、899ドルという非常にリーズナブルな価格設定もあり、近年で最高のシグマレンズのひとつになるだろう。
- 長所:
・非常に機能豊富
・非常に柔軟なアプローチで絞りを制御
・標準的なねじ込み式フィルター
・リアフィルターホルダー
・天体写真撮影に適した機能
・広角レンズとしては非常に低い歪曲
・F1.4でも優れた光学性能
・優れた耐フレア性能
・良好なコマ収差性能
・低ディストーション
・優れた価格対性能比- 短所:
・重い周辺光量
とのこと。
欠点と指摘しているのは重めの周辺減光のみで、それも大口径の広角レンズとしては想定の範囲内のようですね。絞り開放から非常にシャープなレンズで、さらにソニーG Masterを上回るほどの高機能なレンズに仕上がっている模様。ミラーレス用レンズとしては歪曲収差も光学的に補正され、軸上色収差や倍率色収差は目立たない程度にうまく補正していると評価しています。さらに肝心の星空撮影ではコマ収差の影響が少なく、点光源が多い被写体でもF1.4をうまく活用することが出来そうです。価格は85mm F1.4 DG DNや24mm F1.4 DG DNと比べると少し高価ですが、それでも20mmの大口径レンズとしてはリーズナブルな価格設定を維持しています。
Sony Alpha Blogでは中央と周辺部の画質差を指摘していましたが、Dustin Abbottは特に言及していません。ただし、F1.4からF4まで絞った際のフレーム隅における画質向上についてはフレーム中央よりも目立つみたいですね。
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レンズの仕様
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発売日 | 2022年8月26日 | 初値 | 152,900円 |
マウント | E/L | 最短撮影距離 | 0.23m |
フォーマット | 35mm | 最大撮影倍率 | 1:6.1 |
焦点距離 | 20mm | フィルター径 | 82mm |
レンズ構成 | 15群17枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F1.4 | テレコン | - |
最小絞り | F16 | コーティング | SMC |
絞り羽根 | 11枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ87.8 x 111.2mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 635g | AF | STM |
その他 | 絞りリング・MFL・AFL | ||
付属品 | |||
LCF-82 III・LH878-04 |
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