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ソニーα6600は優れた画質とオートフォーカスだが”+α”が足らない【海外の評価】

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DPReviewがソニーの新型APS-Cミラーレス「α6600」のレビューを掲載しています。リアルタイムトラッキング実装のオートフォーカスが業界をリードすると高い評価の一方、操作レスポンスの悪さやSD UHS-Iシングルと言った点を指摘しています。

DPReview:Sony a6600 review: Amazing autofocus, acceptable ergonomics

Like
  • 優れたJPEG・RAW画質
  • クラスリードの追従AF
    (特に人間の場合に良好)
  • 良好な動画クオリティ
  • 比類なきバッテリーライフ
  • ボディ内手ぶれ補正
  • ヘッドホン・マイク端子
  • 良好な連写速度
  • 快適なグリップ
  • 180度チルトモニタ
  • 幅広いカスタマイズ
  • NFCによる簡易通信接続
  • USB充電
Dislike
  • エルゴノミクスに欠ける
    (親指で二つのコマンドダイヤルを操作)
  • 膨大なメニュー
  • シングルSD UHS-Iカードスロット
    (バッファクリア時間が長い)
  • バッファクリア中は動画への移行が出来ない
  • 大部分のボタン配置が窮屈で分かりづらい
  • ボディ内RAW現像不可
  • Bluetoothが役に立っていない
  • 4K 24pや30pクロップモードで顕著なローリングシャッター
  • タッチパネルは静止画と動画で切り替える必要がある
  • α6500と同じく、5.0段分のボディ内手ぶれ補正を備えている。APS-Cミラーレスの中では貴重な存在だ。
  • ポップアップフラッシュが無くなり、グリップが強化されFnボタンが追加された。
  • 改善したグリップには最新のα7シリーズが使用している「NP-FZ100」バッテリーを使用できるようになっている。一回の満充電で800コマを超える見事なパフォーマンスだ。
  • 相変わらず、2つのコマンドダイヤルは親指1本で操作する必要がある。ダイヤルの操作感は改善している。
  • 録画ボタンは扱い辛い配置のままだ。全体的にフラットな形状で手袋をしていると押しにくい。
  • メニュー画面は相変わらず複雑なので「マイメニュー」を活用することを強くおススメする。
  • WiFiに加えてBluetoothを搭載しているが、大部分の競合他社で利用できる「BluetoothからWiFiへの切り替え」機能が無い。このため、素早いWiFi接続にはNFCの利用が不可欠だが、スマートフォン側でNFCを対応していない場合は手間がかかる。

画質・AF・パフォーマンス

  • α6400とほぼ同等、富士フイルムX-T3と同等のディテールとなるが、富士フイルムのX-Trans CMOSは競合他社よりも偽色を抑えている。
  • 解像性能はEOS M6 Mark IIが競合カメラの中では最も良好だ。
  • 高感度性能は良好でX-T3よりも僅かにクロマノイズが少ないように見える。同解像度にするとEOS M6 Mark IIが競合と比べてかなり有利だ。
  • 電子シャッター使用時にローリングシャッターの影響を受けやすい。
  • 不規則な動きの被写体でも11fps連写で非常に良好な成功率となる。リアルタイムトラッキングはとても見事なシステムだ。
  • α6400をレビューした時もそうだったが、操作がカメラに反映されるまで他社よりも目立つ遅延が発生する。α6100やα6400のような価格帯のカメラならまだいいが、α6600のような価格帯のカメラでコレは無い。
  • 問題をさらに複雑とするのがシングルSD UHS-Iカードスロットだ。α6600は11fpsの連写速度と深いバッファを持っているにも関わらず、バッファクリアに時間がかかる。バッファクリア中に動画モードへ移行したり、連写モードを抜けることは出来ない。競合他社はSD UHS-IIだったり、デュアルカードスロットを備えているものだ。

動画

  • 動画はα6500と同じく通常の動画とクロップモードがある。幸いにも大部分のモードはフル画角を使用するが、120pや100pのFHD動画は×1.14クロップ、4K 30pは×1.23クロップとなる。
  • 動画の画質は依然として非常に良好だ。EOS M6 Mark IIより優れているが、LUMIX G9やX-T3とは同等である。
  • ログ機能を備えているが、10bitに対応していないためログの利点を著しく損ねている。
  • 最大の利点はオートフォーカスだ。非常に優れており、顔や瞳をよく追従している。残念ながら被写体をタップする必要があり、ファインダー使用時は操作出来ない。モニターをタップする際にカメラが揺れてしまうかもしれない。
  • 180度チルト・マイク端子・ヘッドホン端子・程よく軽量・優れたオートフォーカス・ボディ内手ぶれ補正を考慮すると、ほぼ完璧に近い動画カメラと言える。ただし、ローリングシャッターの影響を非常に受けやすい。
  • P/A/S/Mモードで設定した露出数値が動画モードに引き継がれてしまうのはなんとかして欲しい。

他社との比較

  • X-T3との比較:最新センサーは4K 60pに対応し、より高速連写を可能としている。さらにデュアルSD UHS-IIカードスロット、AFジョイスティック、堅実なカスタマイズ機能がパッケージとなっている。一見の価値があるカメラだ。ただし、X-T3のAFはソニーのスタンダードに達しておらず、ボディ内手ぶれ補正も無ければ、バッテリーライフは遥かに短い。
  • LUMIX G9との比較:大きなカメラボディだが、豊富な物理コントロールや、応答性が良く洗練されたタッチパネルを備えている。ボディ内手ぶれ補正を活かした高解像撮影も可能だ。さらにデュアルUHS-IIカードスロットや4K 60p、超高速連写に対応している。ただし、センサーが小さく高感度性能とダイナミックレンジのパフォーマンス、オートフォーカスの信頼性は見劣りする。
  • EOS M6 Mark II:ソニーよりも安価だが、先進的なAPS-Cミラーレスだ。より高速な連写速度、より高解像なセンサーで同等のダイナミックレンジを備えている。動画の画質はソフトだがローリングシャッターの影響は少ない。ボディ内手ぶれ補正を備えておらず、バッテリーライフはまずまずだ。しかし、ソニーよりも使って楽しいカメラに仕上がっている。
  • α6500:古いモデルだが、ボディ内手ぶれ補正を搭載しており、同等の画質と連写性能を備えているにも関わらず安価だ。違いはα6600で大幅に改善しているオートフォーカスだろう。オートフォーカスに価値を見出せばα6600を素直に選択できるはずだ。

オートフォーカスは依然といて業界をリードする性能を持ち、卓越したバッテリーライフ、そして高画質な静止画・動画を撮影でいる。グリップは古いモデルよりも深く快適だ。

しかし、いくつか重要な要素で他社に遅れを取っている。シングルSD UHS-Iカードスロットはバッファクリアが遅く、静止画と動画を切り替えながら使うハイブリッドユーザーには適していない。さらにエルゴノミクスはこの種のカメラとしては小さく不便だ。フロントコマンドダイヤルを設置するべきである。依然としてインターフェースの遅延も気になる。この点において、競合他社は品質的にも機能的にもα6600を上回っている。

最近のカメラは良い写真や動画を簡単に撮れるだけでは不十分だ。際立つためには+αが重要となってくる。印象に残るデザインや、スピードや機能で領域を押し広げる性能か、高度で洗練されたユーザーエクスペリエンス・インターフェースを提供できるか…。これら大きな要素をα6600は欠いているため「金賞」の評価には至っていない。

DPReview:Sony a6600 review: Amazing autofocus, acceptable ergonomics

とのこと。

ここ最近はソニー機に対して少し辛口のDPReviewですが、α6600もAFは評価しつつも総合評価では「銀賞」と格付け。数日前にDPReviewがレビューを公開したキヤノン「EOS M6 Mark II」は「金賞」を獲得しており、APS-Cミラーレスの状況が変化してきているように見えます。確かにM6 Mark IIのバランスを考えると、α APS-Cシリーズはタッチ操作など”快適さ”の領域で課題があるように見えます。

とは言え、新開発のXAリニアモーターを搭載したEマウントレンズとの組み合わせで高速AFを活かせるのも確か。欠点が特に重要でなければ長所がしっかりと活きてくるカメラとなっています。

個人的にはボディ内手ぶれ補正や快適グリップ・バッテリーライフが必要無いので、α6100でも良いかなと言うのが正直なところ。(今ならキャッシュバックでα6400とそう価格差はありませんが…)

α6600がα7第4世代ボディにAPS-Cセンサー搭載するだけでも良かったのですけどねえ。

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