Amateur Photographerがソニー「α7 IV」のレビューを公開。Camera Labsと同じく、10コマ秒の高速連写時はCFexpress Aカードを使用しないとバッファクリアが追い付かないと指摘しています。
Amateur Photographer:SONY ALPHA 7 IV REVIEW: HANDS-ON FIRST LOOK
カメラの紹介:
- ボディのみ:2400ポンド
- レンズキット:2600ポンド
- 3300万画素センサー
- ISO 50-204800
- 毎秒10コマ秒
- 4K 30p
- 5軸ボディ内手ぶれ補正
- 368万ドットファインダー
- バリアングル式背面モニタ
- α7 IIIが登場した2018年とは状況が一変しており、キヤノンやニコンなど、競合製品との競争が発生している。
- ソニーは主力製品の大幅なアップグレードを図り、少なくともスペックシート上ではクラス水準を引き上げる見事なオールラウンダーへと進化した。ただし、それに合わせて価格は引き上げられている。
ビルド・外観:
- 新型3300万画素 裏面照射型CMOSセンサー・新型BIONZ XRプロセッサを搭載している。この組み合わせでスピードの利点はもたらされていないが、10コマ秒の追従連写でバッファ深度が大幅に改善している。
- α7S IIIとよく似ているが、いくつか変更点がある。
・ストレージはSlot1のみCFexpress Aに対応している。
・静止画/動画の切替スイッチを搭載している。
・α7 IIIよりもグリップが大きくなっている。
・α7 IIIと異なりバリアングルモニタを搭載している。携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- カメラを手に取って最初に気が付くのはグリップが大幅に改善していることだ。Z 6IIやEOS R6のような感触には至っていないが、α7 IIIに比べて遥かに握りやすくなっている。
操作性:
- モードダイヤル直下に静止画/動画/S&Qの切替スイッチを搭載した。
- α7 IIIと異なり、C1ボタンとMOVIEボタンの位置が入れ替わっている。ただし、ボタンカスタマイズで元に戻すことも可能だ。
- 露出補正ダイヤルは機能が固定されておらず、自由に回転することが可能だ。
- 4つのダイヤルは自由にカスタマイズ可能だ。欠点は背面上部のダイヤル2つが非常に近くにあり、同じ操作性のために混乱しやすいことだ。
手ぶれ補正:
- 5.5段分のボディ内手ぶれ補正を搭載している。
- α7 IIIよりも0.5段改善しているが、トップクラスの補正効果よりも少し劣っている。
- キヤノンやオリンパスは最大7~8段分の補正効果を主張している。
ファインダー:
- 368万ドットのパネルを使用しており、リフレッシュレートは最大120fpsだ。ソニーによるとα7 IIIと見比べて目に見える改善があるとのこと。
- ただし、他社で導入している疑似光学ファインダーモードは無い。これは他社で一般的となりつつある便利な機能だ。
モニター:
- バリアングルモニタへの変更は注目すべきポイントの一つだ。Vlog撮影時に自撮りすることができる。ポートレートなどでハイアングルやローアングルへの対応も簡単だ。主な欠点はチルト式よりもモニタの展開が遅いことである。
メニューシステム:
- α7S IIIで実装した新メニューシステムを導入している。
- タッチ操作にも対応しており、素早く設定を変更可能だ。
オートフォーカス:
- AFは像面位相差とコントラスト検出のハイブリッドだ。
- 759点の測距点でフレームの94%で像面位相差検出をカバーしている。
- 瞳検出は人間以外に動物や鳥に対しても利用可能だ。被写体をメニューから選ぶ必要があるものの、Fnボタンに登録して素早く変更することが出来る。
- フォーカスエリアはα7 IIIの灰色表示から、赤色で表示できるようになっている。
連写性能:
- ソニーは828枚の連続撮影に対応していると主張しているが、小さな注意書きで「CFexpress Aカードが必要」と書かれている。
- 従来のSD UHS-IIカードで同じパフォーマンスは得られない。Sony G SD UHS-IIを使用してRAW+JPEGの連写で40コマの撮影が可能だったが、これはあまり見栄えが良いものでは無い。
- メカニカルシャッター・電子シャッターで1/8000秒~30秒のシャッタースピードに対応している。
- 長秒露光用のバルブタイマーを実装していない。ソニーがこの機能の有用性を理解していないのは残念だ。
ISO感度:
- ISO100-51200の常用ISO感度に対応している。画質を妥協するなら拡張ISO感度で50-204800を利用可能だ。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり機能:
- 他の最新モデルと同様にクリエイティブルックを使用可能となった。古いクリエイティブスタイルよりも調整の幅が広がっている。
- クリエイティブルックのプリセットは「FL」「SH」など意味のない略語が使われており、仕上がりをイメージし辛い。
- 残念ながら他社では標準装備のボディ内RAW現像を実装し忘れる悲惨な失敗を犯した。
動画:
- 4:2:2 10bit出力はα7 IIIの4:2:0 8bitよりも色が改善していることを意味している。
- α7 IIIと同じくクロップ無しの4K 30pに対応しているが、さらにSuper35モードで4K 60pに対応している。
(訳注:α7 IIIのクロップ無しは24p限定だったはず)- その他にALL-I・S-Cinetone・S-Log3・最大600Mbpsのビットレート・H.265などに対応している。
- ホットシューは外付けマイクのワイヤレス接続に対応するデジタルオーディオインターフェースを利用可能だ。
- フルサイズHDMIポートを搭載している。
- α7S IIIと同じ放熱対策構造を採用しており、録画時間を延ばしている。
インターフェース:
- BluetoothとWi-Fiに対応しており、スマートフォンからカメラを操作可能だ。
- 長年待たされていた、スマートフォンアプリによるタッチフォーカス・タッチトラッキングに対応した。
- RAWの転送にも対応している。
- バリアングルモニタとマイク入力が干渉しないように、カメラ左肩の高い位置に移動している。
- USB-Cポートは3.2 Gen2の10Gbpsに対応している。
総評
α7 IIIから確かなステップアップとなるカメラだ。操作性と使いやすさが大幅に改善されている。既存のソニーユーザーをアップグレードさせようとする魅力的なポイントはいくつもあり、また、フルサイズミラーレスへ移行を検討しているデジタル一眼レフユーザーにとって、キヤノンやニコンの競合製品に代わる強力な選択肢となるだろう。
とのこと。
全体的にα7 IIIから大きく進化しているようですね。3300万画素の高解像センサーやクリエイティブルック、4K 60pなど、画質や機能性が強化されているうえ、改善したファインダーやバリアングルモニタなど撮影体験の質も向上しているように見えます。個人的には露出補正ダイヤルがFnダイヤルに変化したのが大きい。是非とも他のシリーズにも同じギミックを導入して欲しいところ。
連写性能は注意点や最高性能を発揮するための条件があり、α7 IIIと比べて見劣る模様。これはAmateur Photographerのみならず、Camera Labsなどでも指摘されています。10コマ秒の連写性能を重視する場合はα7 IIIのほうがコストパフォーマンスが良さそうですね。α7 IVで10コマ秒を活かす場合は数万円するCFexpress Aカードへの投資が必要となるのは要注意。
(SDカードの場合、連写速度が低下し、4秒程度でバッファが尽き、バッファクリアも長くなると思われます)
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