Dustin Abbottがソニー「α7 IV」のレビューを公開。従来機の弱点が大幅に改善され、弱点がほとんどないカメラに仕上がっていると高く評価しています。3300万画素の解像度もちょうどいいみたいですね。
Dustin Abbott:Sony a7IV (ILCE-7M4) Review
ビルド・外観:
- 記載なし。
バッテリー:
- いつも通りNP-FZ100を使用する。
- 定格520枚の撮影が可能だが、実際は使用方法によって変わってくる。
- 予備バッテリーは用意しておいても良いだろう。予想よりも早めに充電の必要があるように感じる。
インターフェース:
- アクセサリーポートのデザインが再設計され、理にかなったものとなっている。
- マイクジャックのみ独立してアクセスできるのが気に入っている。
- Micro USBポートとデータ転送と充電用のUSB-Cポートを搭載。最新ソニー機種らしくUSB-PDに対応している。
- CFexpress Type AとSD UHS-IIに対応するデュアルカードスロットを搭載している。
- ホットシューはマルチインターフェースに対応し、デジタルオーディオ録音が可能だ。
携帯性:
- 本体サイズは131.3×96.4×79.8mmとお馴染みの大きさだ。
- 重量はα7 IIIよりも8g重いだけだ。
グリップ:
- カメラサイズは従来通りだがグリップが深くなっている。
操作性:
- コントロールレイアウトはα1と似ているがドライブダイヤルは無い。
- 録画ボタンとC1ボタンの位置が切り替わっている。
- 露出補正ダイヤルがなくなり、モードダイヤルの下にレバーが追加されている。
- 大部分のボタンはカスタマイズに対応している。ボタンの感触はα1やα7S IIIとよく似ている。
手ぶれ補正:
- 5.5段分の補正効果は従来機とあまり変わらないが、最新モデルの補正効果は間違いなく良くなっている。
- 動画撮影では電子手ぶれ補正を組み合わせたアクティブ手ぶれ補正モードを利用可能だ。
- 歩きながら動画を撮影すると、滑らかな映像を撮影できたが、少しシャープさは欠けたように見える。
ファインダー:
- 解像度が向上し、α7 IIIの236万ドットから368万ドットまで強化されている。ただし、同価格帯のカメラと比べると最低限の水準だ。
- α9やα1と異なり、ブラックアウトフリーのファインダーではない。電子シャッター使用時でもブラックアウトが発生する。
モニター:
- タッチパネルのレスポンスはかなり良好だ。
- フォントサイズがタッチ操作に対して少し小さすぎる。キヤノンのようなメニューレイアウトが好みだ。
- バリアングルモニタを反転して自撮りにも利用することが出来る。
- 背面モニタの解像度は同価格帯のカメラと比べると最低限の水準だ。
メニューシステム:
- α1やα7S IIIと同じ新しいメニューシステムを実装している。
- サイドタブのレイアウトに変更され、タブはカテゴリごとに色分けされている。
- メニューシステムを気に入るかどうかは分からないが、最初のうちは数多くのメニュー項目に圧倒される。基本的には同じメニュー構造だが、再学習の必要がある。
フォーカスシステム:
- α7 IIIがα9のAFシステムを継承したように、α7 IVはα1のAFシステムを継承している。
- 測距点は693点から759点まで増え、カバー率は約94%となっている。
- BIONZ XRプロセッサの恩恵もあると思われる。
- 低照度AFは-4EVまで対応できるようになった。低照度でも効果的にピント合わせることができた。
- 鳥瞳検出に対応している。
連写・ドライブ性能:
- 連続撮影速度はお馴染みの10コマ秒だが、バッファは劇的に改善されている。
- ロスレス圧縮RAWやJPEGで1000枚の撮影が可能で、さらに非圧縮RAWでも828枚の撮影が可能だ。
- 高い連写性能を備えているが、ブラックアウトフリーのファインダーでは無いので撮影状況は限定される。
- バッファクリアの遅延も無くなった。
- シャッター音はα7 IIIよりも静かで良好だ。
解像性能:
- 私にとってちょうどいいセンサー解像度だ。
- APS-Cクロップでも1600万画素で利用可能だ。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は100-51200だ。
- 拡張ISOで50-204800まで利用可能である。
- ISO25600でも使いやすい画質だ。
- ISO1600はISO100と見比べてもほとんど区別がつかない。
- ISO6400でシャドウの一部の僅かなノイズが発生する。彩度や色の再現性、コントラストはISO100とほとんど同じだ。
- ISO12800の画質も良好だ。黒は依然として黒として描写される。いくら輝度ノイズが発生するが、それでも実用的な画質だ。
- ISO51200では画質が少し劣化しているように見える。しかし、全体的に見ると見栄えが良い。
ダイナミックレンジ:
- 優れたダイナミックレンジに見える。
- シャドウ側の復元力は非常に良好だ。5段の露出アンダーでも適正露出と比べて大きな変化は見られない。
- ハイライトの復元も良好で、白飛びは最小限だ。3段の露出オーバーを回復させることが出来た。これは従来よりも良好に見える。
画質・仕上がり機能:
- α1とよく似たカラーサイエンスだ。
動画:
- 数多くの素晴らしい機能を備えたカメラだ。唯一の批判する点は4K 60p撮影時にSuper35モードが必須なことくらいだ。
- 録画時間の制限がなくなり、オーバーヒートしない点は私にとって魅力的だ。
- フォーカスブリージング補正を搭載している。この機能は僅かなクロップで光学的なフォーカスブリージングを補正できる機能だ。微妙に改善するが、魔法のような治療法ではない。光学的にフォーカスブリージングを抑えたほうが良好に見える。
- フォーカスマップ機能は被写界深度をエリアごとに色分けすることが出来る。
- プロ向けのカラープロファイルが用意されている。
総評
α7 IVは同シリーズの中でより良いものになった。α7Cの登場でα7シリーズの役割を最適化したのだろう。α7 IIIとα7Cは性能的に似すぎていて、どちらかを選ぶのがやや難しかった。 α7 IVはα7 IIIよりも優れたカメラで、価格も上昇している。α7Cの後継モデルはより低価格で入手できることだろう。
α1のレビューで述べたように、私は前世代のアップデートに少し戸惑った。α7R IIIやα9をアップグレードせずに、α7R IVとα9 IIの両方をパスしたが、それは乗り換えるための説得力ある理由が見当たらなかったからだ。
しかし、α1とα7 IVでは話が違ってくる。ソニーは弱点となっていた部分を大幅に改善しており、α7 IVでは不足している部分がほとんどないと感じている。私は、スポーツに特化した機能を持たない、低価格のα1と見なすのがベストだと思う。解像度や動画機能、スポーツ機能は劣るが、α1と同じことがたくさんできる。
ここで最も魅力的なアップグレードは、新しい3300万画素センサーだ。 ISO性能やダイナミックレンジなどのあらゆる面で妥協することなく、解像度を向上させている。私のα1を補完してくれるような存在だ。賞賛すべき理由が数多く、正直なところ、批判すべき点はほとんどない。心からのお勧めのカメラだ。
- 長所:
・αシリーズの遺伝子を多く受け継いでいる
・基本的にすべてがうまくいく
・信じられないほど深いバッファ
・多くのフォトグラファーにとってスウィートスポットの3300万画素
・アップグレードしたAFシステム
・4K 60p
・無制限録画
・オーバーヒートの問題無し
・ロスレス圧縮RAW
・タッチパネル対応のメニュー
・バリアングルモニタ
・ダイナミックレンジが優れている
・高ISO感度性能が優れている
・ウェブカメラとして利用できる- 短所:
・メニューのフォントサイズが小さい
・背面モニタの解像度がとても低い
・4K 60pはSuper35モードのみ
・ファインダーの撮影体験が優れたAFやバッファ性能ほどではない
とのこと。
α1を補完する優れたカメラとして高く評価しているみたいですね。確かにコントロールレイアウトは最新モデルとほとんど同じで、クリエイティブルックやS-Cinetoneを使うことができ、さらに独自のフォーカスマップやフォーカスブリージング補正も利用できるのだから便利ですねえ。α1にはないバリアングルモニタも魅力的と言えそうです。
敢えて指摘するとファインダーやモニターの解像度が低いことくらいでしょうか?補足しておくと、10コマ秒の連写撮影が可能となっているのは圧縮RAWのみで、非圧縮RAWやロスレスRAW時は自動的に6コマ秒まで連写速度が低下するので注意。これについてハッキリと表示があるわけでは無いので、手動でRAW形式を切り替える必要あり。
私も発売日から使用していますが、これまでのα7シリーズと比べると不満点をだいぶ解消した印象があります。特にBIONZ XRプロセッサ搭載でレスポンスが良くなっているのがGood。起動時間が短縮され、メモリーカードのフォーマットもかなり早い(ようやく他社並ですが)。絞り値の操作で遅延が発生することもありません。従来機ユーザーとしてはストレスフリーでカメラを使うことが出来るはず。
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