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ソニーα9 IIIは代償があるものの決定的瞬間を撮影する唯一無二のカメラ

PCmagがソニー「α9 III」のレビューを公開。高ISOがAPS-C並み、ダイナミックレンジに余裕がないと指摘しつつ、高性能で他社を上回るAF性能と連写・ドライブ性能を評価。画質を犠牲にしてでもシャッターチャンスを重視するなら唯一無二のカメラと言及。

PCmag:Sony a9 III Review

  • 外観:α7シリーズのデザインを継承しつつ、全体的に改良が施されている。ボタンイルミネーション機能は無い。
  • 質感:6000ドルの価格設定に見合うもの。防塵防滴のマグネシウム合金製。メカニカルシャッターレスだがセンサーシールドあり。
  • バッテリー:FZ100を使用。α1と同じだが、Z 9やR3の大型バッテリーほどではない。
  • インターフェース:SD UHS-IIとCFe Aに対応するデュアルスロット。社外製ストロボ(ここではGODOX V1)は正常に動作しなかった。
  • 携帯性:重くなったが劇的な差ではない。
  • グリップ:従来よりも深く、はるかに快適。縦位置グリップはオプション。
  • 操作性:コントロールレイアウトは従来通りだが、角度やサイズなど改良点が見られる。新たにフロントボタンが追加された。ドライブダイヤルは初期設定から変更可能。
  • 手ぶれ補正:最大で8段分。
  • ファインダー:0.9倍 940万ドットのOLED EVF。高速リフレッシュレートで見栄えが良い。ただし、EOS R3並みのHDRなEVFではない。
  • モニター:α7R Vと同じチルト+バリアングル。
  • メニュー:α7S III以降の新しいシステムを採用。α9/α9 IIユーザーは再学習が必要。全体的に改善されている。
  • フォーカス:被写体検出に対応。とても賢く被写体を検出する。AFはほぼ全域をカバー。完璧な性能で(僅かの差だが)他社を上回る。
  • ドライブ:グローバルシャッターに対応。歪みの無い1/80,000秒の撮影やフラッシュの全速同調が可能。デジタルサイネージのバンディングや他社のフラッシュに邪魔される心配がない。
    (訳注:大部分の被写体は積層型CMOSのローリングシャッターでも十分とも言及しています)
  • 連写性能
    ・CFeを使用すると、140枚 120fpsを15秒で書き込み可能。SD UHS-IIの場合は25秒かかる。
    ・5-120fpsの連続撮影が可能だが、全てのレンズが120fpsに対応しているわけではない。社外製レンズは15fpsに制限される。
    ・プリキャプチャーに対応。
  • 解像性能
  • 高感度ISO:6400まで一般的なフルサイズだが、12800で見劣りする。APS-Cと同程度。画質とのバランスはR3やZ 9のほうが良い。
  • ダイナミックレンジ:シャドウのノイズが多く、ハイライトには余裕がない。グローバルシャッターの代償だが、このカメラの市場では大きな問題とならないだろう。
  • ホワイトバランス:記載なし。
  • JPEG:HEIFに対応。C2PA認証が追加される予定。
  • 動画:全幅4K 120pに対応。歪みの無い動画撮影が可能。ProResやRAWは外部収録となる(Z 9やZ 8はProResやN-RAWが内部収録対応)。4K 60pで68分間の連続撮影が可能だった。ノイズとダイナミックレンジの問題は静止画と同じ。
  • 作例集:リサイズのみ。
  • 総評:先進的なAF性能と連写性能を備えているが、画質が代償となっている。画質よりも瞬間を完璧に撮影することが重要な場合は唯一無二の選択肢。

とのこと。
フルサイズセンサーを搭載したスチルカメラでは初となるグローバルシャッター搭載ミラーレスが登場。ローリングシャッター歪みやフリッカーを完璧に抑えることができ、フラッシュに全速同調も可能。さらに120fpsのRAW対応連続撮影やプリキャプチャ機能、クロップ無しの4K 120p対応などなど、静止画・動画ともに高性能なカメラに仕上がっています。オーバースペックと感じる人も多いと思いますが、必要な人には画期的な機能がいくつかあるようですね。

PCmagによると、グローバルシャッターの恩恵をはじめ、AF性能や外装のデザイン、操作性などの改善点も評価。優れた性能と機能の組み合わせによって、決定的瞬間を撮影しやすいカメラとなっている模様。このようなカメラが必要な人にとって、替えのきかない製品となりそうです。

そのいっぽう、高速性の代償として画質低下を伴う部分があるようです。このようなカメラでダイナミックレンジの狭さは問題ないかもしれませんが、高ISOがAPS-C並みとなる点は気を付けたほうが良さそう。とは言え、最近はノイズ処理の技術が向上しているので、多少のノイズ増は気にならない人もいることでしょう。

デメリットよりもメリットが上回るカメラだと思いますが、オールラウンドに使いたい人はα1など通常の積層型CMOSセンサーのほうが適しているのかもしれません。

ソニー α9 III ILCE-9M3 最新情報まとめ

  • 希望小売価格:オープン価格
  • 発売予定日:2024年1月26日(金)
  • 予約開始日:2023年11月16日(木)10時より

主な仕様

  • イメージセンサー
    ・タイプ:積層型CMOS(GS対応)
    ・有効画素数:2460万画素
    ・ローパスフィルター:あり
    ・除塵ユニット:あり
    ・手振れ補正:5軸 8.0段分 協調手振れ補正対応
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • ISO 250 - 25600 (拡張: 下限ISO 125、上限ISO 51200)
  • CFexpress Type A / SD UHS-II デュアルカードスロット
  • AFシステム:ファストハイブリッドAF
    ・測距点:759点
    ・測距輝度範囲:-5EV
    ・被写体認識:人、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機
    ・その他:フォーカスエリア 2種追加
  • ドライブ性能:
    ・メカニカルシャッター:
    ・電子シャッター:~1/80000秒
    (連続撮影時は1/16000秒)
    ・フラッシュ同調速度:全速同調
    ・撮影速度:最高約120コマ/秒
    ・撮影枚数:RAW (非圧縮): 96枚
  • ファインダー:944万ドット OLED 0.9倍 25mmアイポイント
  • モニター:マルチアングル 210万ドット 3.2型
  • フレームレート:STD 60fps / HI 120fps / HI+ 240fps
  • 動画:
    ・4K:~ 120p 280Mbps クロップなし
    ・出力:XAVC S/ XAVC HS ALL-I対応 / HDMI RAW
    ・電子IS:対応
    ・連続撮影時間:
  • インターフェース:
    ・USB:SuperSpeed USB 10 Gbps (USB 3.2)
    ・ヘッドホン:3.5 mm
    ・マイク:3.5 mm
    ・HDMI:A
    ・LAN:1000BASE-T
    ・シンクロ:あり
    ・Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac 2x2 MIMO対応
    ・Bluetooth:5.0
    ・音声メモ専用のマイクをカメラ背面に搭載
  • ストリーミング:~3840 x 2160 (15p / 30p)
  • バッテリー
    ・タイプ:NP-FZ100
    ・撮影可能枚数:ファインダー使用時: 約410枚、液晶モニター使用時: 約520枚
    ・充電方法:USB給電・充電 PD対応
  • サイズ:約136.1 x 96.9 x 82.9 mm
  • 重量:約703 g
  • 防塵防滴:対応
  • ボディ材質:マグネシウム合金
  • 付属品
    ・バッテリーチャージャー BC-QZ1
    ・電源コード
    ・ケーブルプロテクター
    ・ショルダーストラップ
    ・ボディキャップ
    ・アクセサリーシューキャップ
    ・アイピースカップ

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