Lenstipがニコン「AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED」のレビューを掲載しています。
Lenstip
- このレンズは大きくて重いことは明らかだ。シグマ「35mm F1.4 DG HSM Art」よりも大きく、Otus 28mm F1.4よりは小さい。
- 「日本製」のレンズだ。
- フォーカスリングはリブ付きで幅27mmの大きなものだ。これは滑らかに動きとても正確な調整が可能である。近接から無限遠まではおよそ160°の回転角を有している。
- E型の電磁絞りマウントであるため、古いボディとの互換性は限られている。
- 中央解像力は間違いなくとても良好だ。絞り開放から良好な画質を提供できる。さらにF4まで絞ると、48.8lpmmのピーク値に達する。この結果は我々が称賛した「AF-S 105mm F1.4E」より僅かに良好だ。
- しかし、フルフレームの端における結果は広角レンズではごく普通の結果だ。
- DXセンサーフレームにおける端のパフォーマンスは非難のしようがない。絞り開放から良質の基準である30lpmmを超えている。さらにF4~F8で40lpmmに達している。
- 唯一の弱点はFXセンサーサイズで絞り開放付近におけるフレーム端の画質だけだ。これは絞ると改善する。これはOtus 28mm F1.4における絞り開放の端の画質(30lpmm)よりも僅かに劣ることを意味している。しかし、Otus28mmは現代の24?35mmにおける最高クラスのレンズだ。このレンズよりも少し劣っていることが恥ずかしい事ではない。
- 解像力を総括すると、ここ最近テストしたニコンレンズとしてはベストなレンズの一つだ。AF-S 28mm F1.8よりは少なくともワンランク上のパフォーマンスである。ニコンには拍手喝采だ。
- 軸上色収差は完璧には補正されていないようだ。F2まで絞ってもなお僅かなボケの色づきを確認できる。これはニコンが使う古いEDレンズが収差の補正に役立っていない事を意味している。(他社では超低分散、蛍石、FLDなどを使用している)
- 倍率色収差は絞り開放でさえ0.05?0.06%ととても低い。実写においてこれを確認するのはとても難しいだろう。
- 球面収差の傾向はみられなかった。
- 歪曲収差はこのカテゴリのライバルと似たような性能だ。中でもこのレンズとOtusの結果が良好で、FXでは28mm F1.4Eが最も優れている。このパフォーマンスは間違いなく称賛すべきものだ。
- コマ収差はAPS-Cの四隅でさえF2まで絞っても確認できる。この結果は軸上色収差の次に弱点となるものだ。とは言え、Otus 28mmでさえコマ収差は存在し、28mm F1.8Gはさらに悪い点は留意しておくべきだろう。
- 非点収差は7.1%と中程度だ。
- DXにおける周辺減光は絞り開放からほぼ問題無いレベルだ。絞り開放でー0.80EVであり、F2?F2.8まで絞るとー0.24EV~-0.12EVにまで減少する。
- FXにおける絞り開放の周辺減光はー2.18EVと高い数値だ。しかし、F1.8GやOtusはさらに悪い結果である。つまりそれほど悪い結果ではない。F2まで絞るとー1.27EVにまで減少し、F2.8まで絞ればー0.64EVとなる。そしてF4~F5.6でほとんど問題では無くなる数値にまで減少する。
- このレンズの逆光耐性はOtusに続いてとても良好だ。ゴーストの抑制は完璧ではないにしろ、発生させるのは難しい。
- オートフォーカスはD3xに装着して近接から無限遠まで1秒ほどだ。D7000に装着した場合も同様の結果となった。これは「遅い」としか言えない結果だ。フォーカス速度は遅いが、フォーカス精度には問題が無かった。
- フォーカスシフトは僅かな後ピンの傾向を示したが調整できる範囲内だ。
長所:しっかりとした鏡筒、見事な中央画質、とても良好なDXにおける端の画質、まともなFXにおける端の画質、無視できる程度の倍率色収差、僅かな球面収差、歪曲収差の問題はない、中程度の非点収差、特に厄介ではないDXの周辺減光、良好な逆光耐性、静かで正確なAF
短所:AFが遅い、軸上色収差が少し大きすぎる、目立つコマ収差、FXで大きな周辺減光
F1.4?F1.8のレンズはニコンが積極的に開発しているカテゴリだ。それらはほぼ全て成功していると言う事が出来るものの、テストでは明らかに欠点もある。そして高い値札を正当化できないものだった。
しかし、ここ2年間で良くなっている。AF-S 105mm F1.4Eに続いて、ほとんど良好なパフォーマンスを見せるAF-S 28mm F1.4Eが登場した。
テストの結果、このレンズはOtus 28mm F1.4と渡り合う事ができると証明して見せた。さらにF1.8Gと比較した場合にはほとんど全てのカテゴリで上回るパフォーマンスを持っている。
この新しいレンズは完全無欠ではない。この価格帯のレンズとしては軸上色収差とコマ収差が期待を下回っている。しかし、絞り開放から絞った場合までの高い解像力はそれら欠点を補うに余りあるパフォーマンスであると言うのが我々の見解だ。
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