Lenstipがカールツアイス「Batis 2/40 CF」のレビューを掲載。現在Eマウントでレコードを持つコシナ製レンズに匹敵する解像性能を持つようですね。そして、欠点が少なく長所が多いレンズとして「エディターズチョイス」と高く評価しています。
高価だがその価値がある
Lenstip:Carl Zeiss Batis 40 mm f/2 CF
- Zeiss社はソニーと長年にわたる協力関係により、Eマウント用レンズの開発にとても積極的だ。まずはソニー製レンズとして、ブランド名を貸与したもの。次にシリーズを分けたツアイス製のレンズを投入した。(Touit・Loxia・Batis)
- Batisシリーズは既に18mm・25mmをテストしているが、正直なところあまり楽しむことが出来なかった。他のサードパーティ製レンズと比べると少し高すぎるように見える。
- 35-45mmのレンズとしては最も複雑なレンズである。サイズも大きく、フィルター径も最大だ。ただし、面白いことに重量は最も重い訳では無い。
- 直径27mmの後玉は固定され動かない。表面はより小さなフレアカッターに覆われている。内部を除いても隙間や電子部品を見つけることは出来ない。
- レンズは防塵防滴仕様である。
- レンズは日本製である。
- 幅18mmのゴム製フォーカスリングはグリップが良く、指で操作するのが楽しい。しかし、ゴミを付着しやすい。
- フォーカスリングの回転量は回転速度に依存し、素早く動かすと180度ほどでピント全域を移動させることができる。ゆっくり回転させた場合は450度ほどだ。このレンズは最短撮影距離が短く、ピント移動量が多い点にを付けて欲しい。
- OLEDパネルを搭載しており、電源投入時に焦点距離や被写界深度を表示することができる。正直なところ、このような電子パネルのファンでは無い。バッテリーを消費するうえ、明るすぎる。
- 解像度:
・α7R IIのRAWファイルを測定
・良像の基準値は39?41lpmm
・最高の単焦点で70lpmmを超える
・現時点でのレコードは78.6lpmm
・私のBatisに対する見解を改めなければならない。絞り開放から高画質なうえ、絞ると飛躍的に向上する。
・F4まで絞るとレコードに近い77.1lpmmとなる。フォクトレンダーに及ばないが、1lpmmの差は誤差程度だ。
・APS-C領域のパフォーマンスもケチのつけようが無い。絞り開放で完全に許容範囲内であり、絞ると迅速に工場する。最大で60lpmmという非常に良好な水準だ。
・四隅はAPS-C端より少し見劣りするが、少し絞ればたちまち良像となる。F5.6まで絞ると56lpmmに達する良好な解像性能だ。
・実質的に弱点は存在せず、絞り開放から優れた画質のレンズである。絞るとレコードに近い性能となり、高価なブランドレンズに期待するパフォーマンスである。- 軸上色収差は問題が無い。どの絞り値でも目に見える色づきは存在しない。
- 倍率色収差は最大値で0.05%を超えることが無い非常に低い数値に抑えられている。色収差の痕跡は見られない。
- 球面収差が残っており、絞ると遠側にピントが少し移動する。
- 絞り開放でも絞り羽根の形状が目に付く。この効果は撮影距離50cm以上で解消する。
- 歪曲収差はAPS-Cで実質ゼロ、フルサイズで-0.24%と無視できる数値だ。これは本当に賞賛すべきパフォーマンスである。
- コマ収差補正はケチのつけようが無い。フルサイズ四隅でも目立った変形は見られない。とても肯定的に評価できる性能だ。
- 非点収差の平均値は7.2%と中程度だ。このカテゴリでも非難する理由はない。
- ボケは非球面レンズの影響が小さく、特に問題とはならない。口径食の影響はあるが、F2.8までには影響が小さくなる。
- 周辺減光は絞り開放で-2.28EVだ。目立つが、ミラーレス用レンズでさらに悪い結果をいくつも見てきた。酷く心配する結果ではない。
- 絞り開放ではきちんとした逆光耐性を期待できる。ただし、絞るとカラフルなゴーストが発生する。そして四隅に太陽を配置すると非常に明るいフレアが発生し、フレーム全体を損なう結果となる。ただしこのような状況は限られている。
- α7R IIと組み合わせた際のオートフォーカスはノイズレスだ。フォーカス速度も特に問題は無い。最短撮影距離から無限遠までの移動速度は0.4?0.5秒と高速だ。逆の場合は少し遅くなる。もちろん、フォーカスリミッターを使うことでパフォーマンスは少し向上する。
長所:優れた中央画質・良好なAPS-C領域の画質・きちんとしたフルサイズ四隅の画質・軸上色収差の問題ナシ・無視できる倍率色収差・実質ゼロの歪曲収差・きちんとしたコマ収差補正・中程度の非点収差・APS-Cでの周辺減光が少ない・静かで正確なAF・心地よい見栄えのボケ
短所:フルサイズで周辺減光が目立つ
前述したように、Batis18mmや25mmのテストは楽しく無かった。そのためこのレンズにも期待していなかった。しかし、良い意味で裏切られてしまった。
1100ドルと高価なレンズだが、意を決して購入したとして後悔することは無いだろう。本当にずば抜けた画質のレンズである。
テスト結果は概ね良好?優れた性能であり、欠点は1つだけだ。エディターズチョイスと評価するに十分な性能である。拍手喝采!
とのこと。
スペック(40mm F2)を考慮すると高価なレンズですが、それだけの価値を持つレンズに仕上がっているみたいですね。コシナの最新アポランターに近い解像性能を発揮するのだから驚き。諸収差も良好に補正され、主な欠点は周辺減光だけと言うのも凄い。
撮影距離によって絞りが閉じる挙動には気を付ける必要があるものの、それ以外は使い勝手の良いレンズである模様。Flickrでは500点を超えるユーザー投稿が公開されているので参考にしてみると良いでしょう。
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