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LUMIX DC-S1M2 優れた性能だが価格が現実的ではない

Phototrendが「LUMIX DC-S1M2」のレビューを公開。部分積層型CMOSセンサー導入により強化された高速連写や動画機能や、最新のLUMIXらしいボディデザイン・操作性を評価。ただし、連写速度が調整できない、AFに改善の余地があり、などから価格を正当化できないと言及。

Phototrend:Test Panasonic Lumix S1 II : l’excellence à prix (très) fort

  • 外観:S1R IIのデザインを踏襲、S5 IIやG9 IIに似た小型でエルゴノミクス的な設計。
  • 質感:電源オフ時のシャッター閉幕機能あり。
  • バッテリー:S5 IIと同じ2200mAhのDMW-BLK22バッテリー。実際の使用では1000枚超の撮影ができた。6K動画と高速連写を組み合わせた使用でも、バッテリー残量の4分の1以下で3000枚以上の撮影が可能。USB-C充電器が同梱されており、実用的で現代的な仕様。
  • インターフェース:外部マイク・ヘッドホン用3.5mm端子、フルサイズHDMI、USB-C 3.2 Gen 2(最大10Gb/s)。右側には2.5mmの有線リモコン端子。無線接続はLumix FlowやLumix Labと統合され、LUT管理なども可能。
  • ストレージ:CFexpress Type BとUHS-II SDカードのデュアルスロット構成で、バックアップやオーバーフロー記録が可能。
  • 外部SSD:USB-C経由で外部SSDに直接記録でき、ビットレートの高い動画をCFexpressカードに頼らずに収録できる。手動切替が必要だが、カードからSSDへの直接コピーも可能、非常に実用的で他機種にも広まるべき機能。
  • 携帯性:重量は800g、S1R IIの795gとほぼ同等。初代S1と比べて大幅に小型化。
  • グリップ:快適なグリップが実現されている。
  • 操作性:S1R IIと同様に高度な操作性が確保。写真/動画/S&Qの切り替えスイッチやロック式ダイヤル、タリーライト(前後)、フリーアングルモニター。ただし、前面の第2録画ボタンは誤作動の恐れがあり、実用性に欠ける点が唯一の欠点。
  • 手ぶれ補正:S1R IIと同様に、最大8段分の5軸手ぶれ補正を搭載。実写では6段の補正効果が繰り返し得られた。手持ち長時間露光にも適し、パナソニックの優れた安定化技術が光る。
  • ファインダー:初代S1と同じ高解像度EVFを搭載し、非常に精細で美しい表示が得られる。
  • モニター:記載なし。
  • メニュー:操作系は従来から変更がなく、簡素で直感性に欠け、操作性に難がある。全体の完成度に比べて見劣りし、抜本的な改善が望まれる。
  • フォーカス:S1R II譲りのAFシステムに加え、人間・動物・乗り物検出機能を備える。アーバンスポーツ向けモードも搭載し、特定の動きへの対応力が向上。ただしCanonやSonyのスポーツAFには及ばない。静止被写体への精度は高いが、高速連写中のトラッキング性能は低下し、特に70fps時は応答性に課題が残る。
  • 連写性能:電子シャッターで最大70コマ/秒(12bit RAW)、60コマ/秒(14bit RAW)の追従連写が可能。AF付き連写としては市場トップクラスの性能。ただし中間フレームレートが存在せず、バッファーが2.5秒で満杯となる。バッファー解放には時間を要し、CFexpressやSSDでも同様。メカシャッターでは10コマ/秒に制限され、表示にブラックアウトが発生する。
  • ドライブ:部分積層型CMOSセンサーを採用し、従来型より読み出し速度が高速。ローリングシャッター歪みは大幅に低減。完全な積層型のZ8などには及ばず、高速動体では歪みも見られる。とはいえ、S5IIXなどの旧センサーよりはるかに優れ、スポーツ撮影にも適している。
  • 解像性能:現代基準では古典的な画素数だが、十分なディテールを維持してクロップも可能。手持ち対応ピクセルシフトモードにより、9600万画素(12,000×8,000)のRAWおよびJPEG画像を内部生成できる。安定した姿勢を保てば、非常に高精細な撮影が可能。
  • 高感度ISO
    ISO 800まではノイズがほぼ感じられず、非常にクリーンな画質を維持。
    ISO 1600〜3200で徐々に粒状感が現れるが、画質劣化は中程度。
    ISO 6400では明確なノイズが見られるが、実用範囲内。
    ISO 12,800〜25,600でも細部の保持は良好。
    ISO 51,200では限定的な条件で使用可能。
    ISO 102,400以上ではノイズが著しく増し、特に緑色ノイズが顕著。
    全体として、Z6 IIIと同等のセンサー性能を示す。
  • ダイナミックレンジ:正式なRAW解析は未対応のため数値的な検証は不可。ただし、センサーの特性から、シャドウ復元は中程度、ハイライト補正には高い潜在力があると推測される。処理性能やセンサー構造の違いにより、従来型よりわずかに効率が落ちる傾向にある点には注意が必要。
  • ホワイトバランス:記載なし。
  • JPEG:パナソニック特有の深いコントラストと鮮やかで自然な色彩が特徴で、レタッチなしでも映像的な美しさを実現している。
  • 動画:8K撮影は不可だが、5.9K(30fps)、6K(30fps)、5.1K(60fps)など多彩なモードに対応し、オープンゲートや2.4:1のシネマスコープ比率にも対応する。アナモルフィックレンズ使用時は、4.8K/3.3Kで最大60fpsの記録が可能。Apple ProRes RAWによる5.8K/30p内部収録にも対応する。V-Log/V-Gamutで15ストップ超のダイナミックレンジを提供し、ARRI LogC3にも有料で対応可能。加えて、32bitフロート音声録音や擬似カラーなどの映像制作向け機能も充実。S1R II同様の強力な手ブレ補正機能を備え、クロップレスの電子補正モードと合わせて、ローリングシャッターの影響を効果的に抑制できる。
  • 作例集:多数掲載。
  • 総評
    Lumix S1 II は予想外の復活を遂げたS1シリーズの最新機.部分積層型CMOSセンサー、70コマ/秒の連写、5.8K 30pのRAW動画撮影など、堅実なスペックを備えている。
    欠点
    静止画・動画ともに画質は非常に優れるが、アクション撮影における性能には失望がある。10コマ/秒と70コマ/秒の間に選択肢がなく、後者ではAF追従が不安定で、バッファも小さく処理が遅い。スポーツや野生動物撮影における「Lマウントの基準機」にはなり得なかった。
    価格
    価格は3,499ユーロと高額であり、同等のセンサーを持ちながらAFや連写性能で勝るニコン「Z6III」よりも高価である点は疑問が残る。確かに、R6 Mark IIよりも高度で、FX3やZV-E1よりも多用途ではあるが、コストパフォーマンスの観点ではかつてのLumixシリーズらしさを欠いている。フルサイズ市場におけるパナソニックの優位性は、価格戦略が再び問われる局面にある。

2025年5月に登場したLUMIX S1の後継モデル。外装はLUMIX S1RIIを継承しつつ、「2400万画素 部分積層型CMOSセンサー」を搭載。高速性を重視したカメラで、70fpsのAFC連続撮影や4K 120pの動画撮影、1/16000秒の高速シャッターなどに対応しています。

販売価格はやや高めですが、ライカLマウント勢としては貴重な(部分)積層型イメージセンサー搭載モデル。高速連写やローリングシャッターを抑えた動画撮影をしたい人にとって検討する価値のある選択肢。

Phototrendのレビューでは、部分積層型CMOSセンサーの導入による高速連写やローリングシャッターの低減効果などを評価。どちらかと言えば静止画に焦点を当てたレビューとなっており、この点で連写速度の調整力や、実写でのAF性能、刷新の見られないメニューシステムについて指摘しています。

連写やバッファに関してはPetaPixelも言及しており、連写速度の細かな調整やバッファクリア速度が改善すると良いですねえ。AFは従来機よりも改善しているとしつつ、市場をリードするソニーやキヤノンほどではないと述べています。

価格を正当化するには、部分積層型CMOSセンサーによる高速ローリングシャッターと、高度な動画機能と拡張性の組み合わせに価値を見出せるかどうかとなりそうです。

パナソニック LUMIX DC-S1M2 最新情報まとめ

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主な仕様

イメージセンサー タイプ:35mmCMOS
有効画素:2410万画素
部分積層型
ラティチュード 15 stops V-Log DRブースト
14+stops V-Log
センサー除塵 センサーシフト式
ARコーティング
手振れ補正 5軸 中央8 / 周辺7
Dual.I.S 2
ISO Normal 100-51200
V-Log 640-51200
DRブースト on / off
デュアルネイティブISO Auto/L/H
ストレージ 1:CFexpress Type B
2:SD UHS-II
AF 検出方式:像面位相差 / コントラスト
測距点:779点 / 315点
測距輝度範囲:-6-18EV
被写体検出 人物
動物
自動車
バイク
電車
航空機
シャッター メカニカル:60-1/8000秒
電子先幕:60-1/2000秒
電子:60-1/16000秒
フラッシュ同調速度 1/250秒
連続撮影速度 メカニカル
H+ 10コマ秒 AFC
電子
SH 60-70コマ秒 AFC
H+ 10コマ秒 AFC
連続撮影枚数 RAW 200枚以上
SH RAW 180枚
ファインダー パネル:OLED
解像度:576万ドット
フレームレート:60/120fps
モニター サイズ:3.0型
解像度:184万ドット
可動方式:フリーアングル
動画フレームレート 6K 59.94p LGOP
4K 119.88p LGOP
4K 59.94p ALL-I
5.8K 29.97p ProRes
4K 59.94p ProRes
動画出力 MOV
(H.264 / H.265 / ProRes / ProRes RAW)
MP4
(H.264 / H.265)
Log V-Log
ARRI LogC3(DMW-SFU3A)
音声 LPCM
24bit
32bit float(XLR2)
USB USB-C 10GB
USBストリーミング 4K 29.97p
マイク/ヘッドホン マイク:3.5mm
ヘッドホン:3.5mm
HDMI Type A
Wi-Fi 5 / 2.4GHz
ストリーミング FHD 59.94p
Bluetooth 5.0
その他ポート類 2.5mmリモート
バッテリー タイプ:7.2V 2200mAh
撮影可能枚数LVF:348枚(CFe)/ 359枚(SD)
サイズ 134.3×102.3×91.8mm
重量 本体のみ:718g
バッテリー含:800g
防塵防滴 対応
バッテリーグリップ DMW-BG2(別売)

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