DPReviewがキヤノン「EOS R7」のレビューを公開。RF-SレンズのラインアップやEVFの仕様、背面コントロールのデザインを指摘しつつ、多目的で高性能なカメラに仕上がっていると評価。総合評価は87% SILVERとなっています。
- ミラーレス「EOS M6 Mark II」と一眼レフ「EOS 90D」という2つの人気カメラの自然な後継機。ハイアマ市場の礎となったこれらのモデルは、多くのフォトグラファーにとって、コストパフォーマンスで堅実な選択肢だ。
- EOS R7は、いくつかのプロレベルの素晴らしい機能を、良心的な価格で、エルゴノミクスに基づいた使いやすいボディに詰め込むというトレンドを引き継いでいる。
- ただし、あるカメラのデザインが購入を左右するかもしれない。それは、コントロールダイヤルに囲まれた背面のAFジョイスティックだ。理論的には、省スペース設計のデザインだが、少なくともレビュアーにとっては、ジョイスティックがホイールから十分に突出していないため、誤操作を避けることができない。もちろん、使用者の好みは分かれるだろう。
- 3,250万画素センサーの画質はかなり良い。しかし、富士フイルムX-T5のような競合機は、RAWダイナミックレンジの点で上回っている。しかし、最新のAI搭載ノイズリダクションソフトウェアを考えると、それだけでカメラの購入を決めるのはお勧めできない。RAWのダイナミックレンジはともかく、R7は全体的に素晴らしい画質で、同クラスのリーダーと肩を並べることができる。また、最も美しいJPEG画質だ。
- 競合機種の中で、R7の15コマ/秒のメカニカル連写に匹敵するのはX-T5だけだ。また、R7は富士フイルムよりもオートフォーカスのヒット率が高く、バッファも深いため、スポーツやアクション撮影に適している。
- とはいえ、我々はX-T5が搭載している369万ドットのEVFを好む。また、AFに関しては、特に瞳検出は、ソニーα6600の方が全体的に信頼できるシステムだと思う(しかし、α6600は11コマ/秒まで連写速度が低下する)
- 静止画だけでなく動画撮影のバランスも良く、R7のオーバーサンプリング4K動画はAPS-Cクラスのリーダーと肩を並べる。ただし、4K/60pを避けて4K/24/30pを使う必要がある。(訳注:かなりクロップが発生すると原文で指摘)
- 動画中のボディ内手ぶれ補正により、手持ち撮影は簡単だ(急激なカメラの動きがない限り)。また、顔/瞳検出は、被写体が1人のシーンではそれなりにうまく機能し、Vloggerにはありがたい。
EOS R7は、RF-Sレンズのラインアップを加味しなければ、2023年現在、APS-Cミラーレスカメラの中で最も充実した、多用途で高性能なカメラである。特に60/70/80/90Dシリーズからステップアップするデジタル一眼レフユーザーは、幸せなミラーレスの未来への入り口として検討すべきだ。ただし、欲しいレンズが見つかればの話だが。
気に入った点
- 優れたAPS-C画質と魅力的なカメラ外JPEG
- AF付き15fpsメカニカルシャッター
- バースト撮影用のディープバッファー
- 静止画撮影時の確実なAF追従
- 被写体別AF追従モード
- 高精細な4K動画
- C-Logまたはカメラ外HDR映像での10ビット動画撮影
- スローモーションや手持ち動画に効果的なボディ内手ブレ補正機能
- 耐候性シーリングが施された堅牢な作りと操作性
- かつてデジタル一眼レフカメラを使用していたユーザーにもなじみやすいデザイン
- ツインカードスロット
- バッテリー駆動時間が長い
気に入らなかった点
- RF-Sレンズの不足
- AFジョイスティックが背面コマンドダイヤルの中にあるのが不便
- 4K映像でのローリングシャッター効果
- 動画中のAF追従は低光量でドリフトする傾向がある
- 2.36MドットのEVFは価格に対して少し物足りない
とのこと。
元EOS 90D、そして現EOS R7ユーザーとしては、概ね同意できる内容と感じています。立ち位置としてはEOS 90Dに近いですが、連写性能やAF性能、コントロールなどは大幅に進化。拡張性も十分ですが、価格を考慮するとファインダーのスペックはやや物足りないかなと。
指摘されている新デザインのホイール&ジョイスティックのデザインは実機を触って確認したほうが良いでしょう。画期的で、慣れれば機能的なデザインなのかもしれませんが、従来のカメラデザインに慣れていると違和感しかありません。操作方法を体に覚えさせるために少し時間がかかるのかなと。
個人的にバッテリーグリップは特に必要性を感じませんが、連写時のバッファクリアが遅く(SD UHS-IIのため)、バッファが一定数まで回復しないと次の撮影が不可能となる仕様には不満。出来ればメモリーカードスロットの片方はCFexpressが良かったなと。とは言え、20万円以下、APS-CでCFexpressメモリーカードスロットを採用しているカメラは他社を見渡しても存在しません。CFexpressカードも高価であることから、導入するには時期尚早だったのだと思います。
正直に言うと、個人的に注目しているのはEOS R10だったりします。
基本的にはEOS R7のダウングレードで、立ち位置としてはEOS Kiss X10iのようなカメラだと思いますが、AFシステムは上位カメラと同等、さらに(伝統的なデザインの)ジョイスティックや2ダイヤルなどコントロールが充実しています。これまでのキヤノンエントリーモデルの常識を覆すようなスペック。ボディ内手ぶれ補正には対応していませんが、手振れ補正搭載のRFレンズが多いため、そこまで困らないはず。
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