PhotographyBlogがキヤノン「EOS R7」のレビューを公開。非常に有能でバランスのとれたオールラウンダーと評価していますが、斬新なデザインのジョイスティック周囲や電源同軸動画モードについて指摘しています。
PhotographyBlog:Canon EOS R7 Review
ビルド・外観:
- RFマウントを採用しており、同じAPS-CセンサーのEOS Mシステムと異なり、フルサイズ用のRFレンズを使用可能だ。アダプター経由でEFレンズも使用可能である。
- 残念ながらEF-Mレンズは使用することが出来ない。今のところ専用のRF-Sレンズは2本のみである。
- マグネシウム合金ボディではなく、EOS R6などと同じポリカーボネート製だ。
- 防塵防滴はEOS 90Dと同等と言われている。
バッテリー:
- R5やR6と同じLP-E6NHバッテリーを使用する。
- 大容量化しているが下位互換性があり、古い充電器にも対応している。
- 残念ながらバッテリーグリップには対応していない。
インターフェース:
- ストレージは2基のSD UHS-II対応カードスロットを搭載。出来れば高速転送に対応しているCFexpress Type Bに対応していると良かった。
- マルチファンクションシューを搭載しており、デジタル音声の録音などが可能となっている。
- 側面にはマイク・ヘッドホン・リモコン・USB-C・HDMI Dポートを搭載。必要なものは完備している。
- 5GHz Wi-FiやBluetoothに対応している。
携帯性:
- EOS R5やR6よりもかなり小さく、軽量だ。
グリップ:
- 小型軽量だが、深めのグリップでカメラをしっかりと握ることが出来る。
操作性:
- RF-SレンズにAF/MFスイッチが無い代わりに、ボディ側に切り換えスイッチを搭載している。
- カメラ上面のコントロールはフルサイズシステムとよく似ている。
- 右肩に電源と動画モードの切替が統合されたスイッチを搭載している。素早く動画モードにアクセスできるが、電源操作時にうっかり動画モードに切り替えてしまうことがあった。
- リアダイヤルとジョイスティックを統合した新しいデザインのコントロールを採用している。
- ジョイスティック導入は歓迎だが、位置が高く、ファインダーの真横にある。徐々に慣れてきたが、それでも少し低い位置が良かったと感じる。
- ジョイスティック操作時にうっかりリアダイヤルを操作することがあった。
手ぶれ補正:
- ボディ内手ぶれ補正は7Dシリーズに無かった重要な機能の1つである。
- キヤノンカメラで初めて自動水平補正に対応している。
- レンズの光学手ぶれ補正と組合せて信じられないような補正効果を実現している。
ファインダー:
- 0.39型 236万ドットのファインダーは最新と言えないが、それでもかなり見事なものだ。1.15倍の倍率で120fps駆動が可能である。
モニター:
- R6と同じ3.0型 162万ドットのバリアングルモニタを搭載している。
- モニターのタッチ操作は応答性が良く、本当に心地よい使い勝手のインターフェースだ。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- EOS R3と同じAFシステムを搭載している。
- -5EVの低照度AFに対応しているほか、テレコンバーター付きの超望遠レンズでAFを動作させることが出来る。
連写性能:
- メカニカルシャッターで1/8000秒まで、電子シャッターで1/16000秒まで利用可能だ。(訳注:ただし、1/16000秒はM/Tvモードのみです)
- 連続撮影速度はメカニカルシャッターで15fps、電子シャッターで30fpsと非常に高速だ。
- バッファはRAWで42枚までとなっており、EOS R3と比べると遥かに少ない。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- ISO感度は100~32000を利用可能だ。
- 拡張ISO感度で51200まで使うことが出来る。
- ISO 100から3200までノイズレスのJPEGだ。
- ISO 6400でノイズが出始める。
- ISO 12800や25600でさらにノイズが目立つようになるが、小さいプリントやWebでの使用であればまだ利用できる。
- RAWでもISO 100~3200でとても使いやすい画質である。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
画質・仕上がり機能:
- JPEGは非常に満足のいく画質だ。現実に忠実で、色鮮やかな優れた色を備えている。
- 測光は良好に機能している。ただし、測光システムはAFポイントに連動するため、コントラストが高い状況ではスポット測光のほうがうまくいく場合がある。
- デュアルピクセルRAWに対応している。
動画:
- 4K 60p 10bitまで収録可能だ。
- 4K 30pは7Kオーバーサンプリングだ。
- 4K 60pでもフル画角で撮影が可能である。
- FullHD 120pでAFを利用可能だ。
- Canon log 3やライブストリーミング、縦位置動画に対応している。
総評
EOS R7は手頃な価格でフルサイズシステムの上位機種から受け継いだ多くのテクノロジーやアイデア、特に優れたDP CMOS AF IIシステムと高速連写が組み合わさり、野生動物やスポーツのための素晴らしいカメラに仕上がっている。
さらに、クロップなしの4K 60p、最大8段分の手ブレ補正、3250万画素の高解像度センサーが加わり、一眼レフであれミラーレスであれ、これまでのキヤノンAPS-Cカメラすべてを凌駕する非常に高性能なオールラウンダーだ。
主な欠点はレンズの不足である。RF-Sシステムはまだ初期段階だが、初動から2本の小口径ズームレンズよりも面白いものが提案されていれば良かった。
また、キヤノンは長年にわたって磨き上げてきたユーザーインターフェースに手を加えずにはいられないようだ。EOS RのM-Fnバーのように、新しい操作系は実際には存在しない問題を解決しようとして、カメラ全体の操作性を損なっているように感じざるを得ない。また、液晶画面と電子ファインダーのスペックは特筆すべきものではなく、防塵防滴の仕様は厳しい条件下で使用することを望むユーザーにとっては残念だ。そして2本のRF-Sレンズは防塵防滴に全く対応していない。
全体的に見て、EOS R7は非常に有能でバランスのとれたオールラウンダーであり、特に動きのある写真に適している。そして早いところ高品質で面白いレンズが発売されることを祈っている。
とのこと。
EOS R10と共に登場した初のAPS-C EOS Rカメラですね。どこか見覚えのある3250万画素センサーと最新のDIGIC Xプロセッサを搭載し、EOS R3と同じようなAFシステムを継承。ここ最近のAPS-C EOSでは考えられなかった強力なAF性能とAFシステムを実装し、さらにAPS-Cとしては初となるボディ内手ぶれ補正を搭載しています。ボディサイズはAPS-Cミラーレスの中では少し大きめですが、余裕のある大きなグリップで持ちやすく、コントロールの配置にも余裕があるように見えます。
私はもともとEOS 90Dユーザーだったので、実質的な後継モデルであるEOS R7を購入。独特の電源スイッチやリアダイヤルのデザインには戸惑うものの、しっかりとした作りのカメラだと思います。この価格帯としては珍しい被写体検出AFが導入され、ボディ内手ぶれ補正やメカシャッターによる電源オフ時のセンサー保護など便利な機能が揃っています。センサー性能は基本的にEOS 90Dを少し改善したような印象があり、ローリングシャッターも少しだけ良くなっています。
主な欠点はPhotographyBlogが指摘しているように、独特なコントロールデザインに慣れる必要があることでしょうか。特に電源と動画モードの同軸スイッチは誤操作しやすく、電源オフにしたつもりが動画モードの状態で放置したためバッテリーが減っていたなんてこともありました。
EOS R7 ボディ | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す | |||
EOS R7 18-150mmキット | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す |
関連ボディ
関連記事
- キヤノンがAPS-C EOS R向け クロッピングガイド機能を追加する有償サービスを提供開始 2024年12月18日
- キヤノンがEOS R7 ISO感度を204800まで拡張するファームウェアを発表 2024年10月27日
- キヤノンがEOS RシリーズのLP-E6P制限解除を含めた最新ファームウェアを配信開始 2024年9月26日
- キヤノン「R6 Mark II・R8」「R7/R10/R50」「EL-5」最新ファームウェアを公開 2024年6月6日
- キヤノン EOS R7 Mark IIが登場するかもしれない? 2024年2月15日
- キヤノンがRF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM対応のために各カメラのファームウェアアップデートを公開 2023年12月7日
- 「LUMIX G9 PRO II」と「EOS R7」の外観やスペックの違い 2023年9月18日
- キヤノン EOS R7は機械的にも電子的にも非常に高速なカメラ 2023年8月13日
- EOS R7は多目的で高性能なカメラが背面コントロールのデザインは要注意 2023年6月27日
- 「X-S20」と「EOS R7」の外観やスペックの違い 2023年5月27日