Admiringlightがソニー交換レンズ「FE 90mm F2.8 Macro G OSS」のレビューを掲載しています。
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欠点もあるが優れたマクロレンズ
- 大きくしっかりとしたレンズだ。一眼レフ用のマクロレンズと比べてサイズや重量の優位性は無い。全長や直径は大きいものの、想像していたほど重くはない。
- 鏡筒はハイクオリティなプラスチックと軽量金属で構成されている。
- Eマウントボディと組み合わせるとフロントヘビーだ。α7 IIではうまく扱えるが、α6000では不釣り合いである。
- レンズフードはプラスチック製だ。直径が大きいのでミラーレス用カメラバッグと干渉するかもしれない。
- クラッチ機構を持つ金属製のフォーカスリングはマニュアルフォーカス側にスライドさせることでハードストップを持つ真のMFとなる。しかし、フォーカスレンズを動かすには電源を投入しておく必要がある。また、うっかりMF側へスライドさせるとAFが動作しなくなる。
- マクロ撮影に欠かせないフォーカスリミッターが搭載されている。
- 手振れ補正スイッチをオフにするとボディ側の手振れ補正も連動してオフとなってしまう。
- マクロ撮影における本レンズの欠点はブリージング(ピント距離で画角が変化する現象)がとても大きいことだ。インナーフォーカスのマクロレンズは大なり小なりブリージングするが、これほど大きく変化するマクロレンズは初めてだ。オリンパスの60mm F2.8 Macroと比較して非常に目立つ。被写体を適切にフレーミングする時はアソビが必要だ。
- オートフォーカスは明るいであればマクロ領域であっても非常に高速なピント合わせが可能だ。しかし、屋内や暗い照明下では苦労する可能性がある。α7 II・α6000ともに暗所でピントを見つけることが出来ない場合が多い、これは露出状況を反映するため絞り込んで撮影するマクロ撮影では著しくライブビュー画像が暗くなるためだ。
- 手振れ補正は今まで使ってきたソニーレンズの中でもっとも効果的なパフォーマンスだ。およそ3?4段の効果が期待できる。ボディ側補正+レンズ側補正のハイブリッド時とレンズ側補正のみとではマクロ撮影時に違いが出る。レンズの2軸補正に加えてボディ側の3軸補正がファインダー像の安定化に役立っている。
- マクロレンズはどれも優れた光学性能を持っている。しかし、その中でも本レンズは最上位に位置している。
- シャープネスは本質的にどの絞り値でもシャープだ。F2.8の四隅はとてもシャープではないかもしれないが実用的である。少し絞ると隅から隅までシャープだ。
- マクロ?中距離まで特にシャープで、遠距離の被写体を絞り開放で撮影すると近接時ほどシャープでは無くなる。しかし、まだ十分実用的な解像度だ。絞るとマクロ領域と同じくらい良好だ。
- APS-Cカメラで使っても良好な性能だ。フルサイズより少し悪いが、それでも優れている。
- ボケはとても良好だ。ピント距離と状況によって騒がしくなることもある(四隅の口径食が目立つ)が、マクロ領域はとても滑らかである。
- 発色・コントラストはとても優れている。
- 色収差は極めて良好に補正されている。アポクロマートでは無いが、それに近いものだ。軸上色収差は僅かで非常に高いコントラストの被写体に限られる。
- 歪曲はマクロレンズらしく目立たない。
- 周辺減光は十分抑えられている。F2.8で隅が暗くなるがF4でほとんど解消する。
- フレアに関する問題は何もない。
長所:全てのピント距離でF2.8から優れたシャープネス・接写時にとても良好なボケ・優れた発色とコントラスト・きわめて良好に補正された色収差・明るい環境で高速なオートフォーカス・とても素晴らしいMFリング・効果的な手振れ補正
短所:小型のEマウントカメラには大きすぎる・暗所でオートフォーカスが迷う・マクロ領域外でのボケが少し渦まき騒がしい・マクロ領域で大きなブリージング・フォーカスリングの位置が分かりづらい
FE90mm F2.8 Macro G OSSは高い光学性能と高速・正確なオートフォーカスを備えてハイクオリティな鏡筒である。1,098ドルと安くは無いが、価格を正当化するパフォーマンスは持ち合わせている。
欠点は主にユーザービリティで、Eマウントレンズとしては大きく操作性に難がある。そして暗所ではオートフォーカスに苦労することがあるだろう。
全体的に見ると肯定的な意見が否定的な意見を遥かに上回る。優れた光学性能でFEレンズのラインナップに加わった偉大な一本である。
とのこと。
オートフォーカスは第3世代に突入したα7 III・α9・α7R IIIなどを使うことで改善しそうですね。とは言え、被写界深度を深くするためにF11以上の小絞り多用するマクロ撮影では苦労しそうですね。
また、マクロ領域でブリージングが大きいらしいので、動画撮影やフレーム隅にピントを合わせたい場合に厄介となるかもしれません。
とは言え、それらの欠点を差し引いても光学性能は魅力的ですね。是非とも手に入れてみたい一本。
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