ePHOTOzineがソニー「α7S III」のレビューを公開。4K 120pや一新されたメニューシステム、そして以前から指摘し続けていたNTSC-PAL切替時のフォーマットが不要となった点を評価しています。
4K動画なら最良の選択肢
ePHOTOzine:Sony Alpha A7S III Review
- 新バージョンのためサイズは大きくなったが、それでも比較的コンパクトサイズを維持している。グリップで小指が余る場合はバッテリーグリップの追加を検討すると良いだろう。
- 動画ボタンはユーザーからのフィードバックを受け、配置が変わり使いやすくなった。
- 外装はキヤノンのような滑らかでは無く、大部分が角ばっている。手触りは良好だ。
- コントロールレイアウトはとても綺麗だ。慣れるまでにそれほど時間はかからない。
- モードダイヤルのロックボタンは「解除」状態を維持出来ないので推しながら回転する必要がある。
- タッチ操作のインターフェースが大幅に改善されており、メニュー画面での操作に対応している。
- オートフォーカスは幅広い領域を759点がカバー。-6EVから20EVまでの測距輝度範囲に対応し、非常に低照度でもAFが機能する。静止画・動画どちらでも良好だ。
- 電子ビューファインダーは944万ドットと前代未聞の超高解像度だ。非常に明瞭で鮮明であり、静止画で素晴らしい撮影体験となる。倍率は0.90倍と見やすく、リフレッシュレートは50/60fpsまたは100/120fpsを利用可能だ。
- 動画ユーザーであれば、より大きく高解像なモニタのほうが恩恵があったと思う。
- 背面モニタは3.0型バリアングルモニタを搭載している。この種の可動機構はαシリーズで初めてだ。見栄えが良く、色再現性は良好だ。ビデオグラファーやVloggerに適している。
- 新しいメニューシステムは各セクションが色分けされ、見やすくなっている。タッチ操作にも対応しているので素早い設定変更が可能だ。静止画と動画を切り替えるとメニューも切り替わる仕組みだ。
- 側面のメモリカードスロットはSDまたはCFexpress Aカードどちらも対応するデュアルカードスロット仕様だ。
- バッテリーライフは背面モニタ使用時に600コマ、EVFで510コマだ。スチルカメラとしては優れたパフォーマンスである。USB-PD経由で外部給電にも対応している。
- 「クリエイティブルック」ではコントラスト、ハイライト、シャドウ、フェード、彩度、シャープネス、シャープネス範囲、明瞭を設定変更することが出来る。色再現性は良好だ。
- 顔と瞳検出は非常に良好だ。
- 低照度でも良好に動作するが、好みが分れると思う。通常の照明環境では非常に強力だ。
- 露出と測光の信頼性は高い。
- JPEGに加えて10Bit出力のHEIFに対応している。ただし、このファイル形式に対応しているソフトやデバイスは限られている。カメラでHEIFをJPEGに変換することは出来ない。
- ISO感度ノイズはISO40から1600までとても少ない。ISO3200でも低ノイズだが、細部のディテールが僅かに低下する。ISO6400でもまだ低ノイズだが、ディテールはさらに減少する。
ISO12800でノイズはより目立ち、ISO25600でディテールが再び低下する。- 高感度時の解像度はEOS-1D X Mark IIIよりも少し良好に見える。
- ISO51200を超えるとノイズが強くなり、彩度が低下する。
- 4K 120pの動画は見栄えが良い。さらに4K 60pではピクセルビニング無しの全画素読出しとなる。4:2:2 10Bitの内部記録に対応し、動画の画質は見事で、鮮明でシャープだ。
- Full HD 240fpsの場合、良好な光環境で無いと画質が低下する。
- NTSCモードとPALモードを切り替えてもメモリーカードのフォーマットは必要無くなった。これは大歓迎だ。
- 動画ではISO 80からISO 409600まで利用できる。
- ボディ内手ぶれ補正に加え、アクティブモードはVlogなどで有用だ。
- 3799ポンドと高価だが、4K 120pが利用できる点でEOS R5より低価格だ。低照度での撮影で最も魅力的な選択肢である。
究極的にはビデオグラファー用の設計だ。他のミラーレスを凌駕する動画性能を備え、オーバーヒートの問題に悩まされることが無い。8Kが必要無ければEOS R5より良い選択肢となるだろう。
1200万画素の裏面照射型CMOSセンサーにより、低照度でも優れた性能を発揮する。バリアングルモニタはVlogger好みの可動方式だが、サイズと解像度がもう少し良いとよかった。NTSCとPALの切替でついにメモリーカードのフォーマットが不要となった。静止画ユーザーにとって1200万画素は低解像と感じるかもしれない。しかし、944万ドットの高解像EVFは満足のいく性能だ。低照度での静止画撮影の場合は選択肢となるかもしれない。600枚の撮影が可能なZバッテリーを備え、天候に左右されない防塵防滴仕様のカメラである。
長所:944万ドットのEVF・優れた動画画質・4K 120p・FullHD 240p・バッテリーライフ・メニューシステム・タッチパネル
短所:1200万画素・ボディ内RAW現像が出来ない・DCI 4K非対応
とのこと。
ミラーレススタイルで4K動画を撮影するのであれば最良の選択肢と言えそうですね。特にePHOTOzineは以前から指摘していたNTSC-PALモード切替の煩雑さが解消している点を評価しています。
ファインダーが超高解像な一方、モニタの解像度がボチボチとなっているのはスチルカメラとしての名残があるという事でしょうか。モニタはせめて210万ドットにして欲しかったところ。
個人的にはレスポンスの良い挙動・タッチ操作、そして新しいクリエイティブルックに興味があります。
特に従来機のレスポンスはキヤノンやニコンと比べるとやや悪く、不満と感じていたポイント。S IIIの登場でそれ以前のカメラが全て「旧型機」となってしまった感があります。クリエイティブルックも然り。カラーサイエンスがガラッと変わっているので、従来機と併用するのは難しそう。どちらも新型プロセッサ搭載により実現したと思われ、今後登場するα7シリーズへの導入に期待。出来れば早めに「α7 IV」「α7R V」が登場すると良いですねえ。
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