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Venus Optics「LAOWA 9mm f/5.6 FF RL」は絞ると隅まで一貫した解像性能

Sony Alpha BlogがVenus Optics「LAOWA 9mm f/5.6 FF RL」のレビューを掲載。とても広い画角を持つ広角レンズですが、しっかりとした解像性能で収差を補正されたレンズと評価しています。

個性的だがしっかりとした光学性能

Sony Alpha Blog:Laowa 9mm F5.6 FF RF W-Dreamer

レンズの紹介:

  • 重量:373g
  • 価格:979ユーロ
  • 絞り:F5.6-22
  • 全長:74mm
  • フィルター:非対応
  • 画角:135°
  • 絞り:5枚
  • 最短撮影距離:12cm
  • フード:固定
  • ソニーEマウント用としては最も焦点距離が短い非魚眼の単焦点レンズだ。

ビルドクオリティ:

  • ビルドクオリティはとても良好である。
  • フルマニュアルレンズであり、電子接点は無い。
  • レンズフードは本体に固定されている。
  • 特別設計のマグネット式100mmフィルターホルダーが存在する。(150ドル)
  • フォーカスリングは無限遠マークの位置を調整することが可能だ。

携帯性:

  • 驚くほどコンパクトだ。

操作性:

  • 絞りリングは1段ごとにクリックがある。
  • フォーカスリングは滑らかに回転する。
  • フォーカスリングの回転角は100度だ。

オートフォーカス:

  • 記載なし。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • α7R IVでテストした。
  • 中央は絞り開放から非常に良好だ。四隅も良好である。
  • F8まで絞ると隅まで一貫した最高の結果を得ることが出来る。
  • 実写では明るい背景に被写体が暗くなりがちだ。シャドウを増感することでノイズが発生する可能性がある。それでもシャープネスは良好?非常に良好だ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ・色:

  • 焦点距離と絞り値を考慮するとボケが得られるレンズでは無い。
  • しかし、12cmの最短撮影距離を活かすことで少しボケを得ることが出来る。
  • 発色は良好だ。

色収差:

  • 色収差はとても少なく、実写では目に付かない。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 中程度の樽型歪曲である。
  • レンズはZERO-Dではない。
  • 接写時は歪曲収差が強くなる。

周辺減光:

  • 周辺減光はF5.6で非常に目立つ。
  • F16まで絞ると改善する。
  • 補正するにはLightroomの設定値で「87」必要だ。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 逆光耐性は平凡だ。
  • 頻繁に赤いフレアが発生する。
  • F8まで絞ると素晴らしい光条が発生する。

動画:

  • シャープネスと色はとても優れている。
  • 16:9のアスペクト比では周辺減光が目立たない。
  • 光条は本当に良好だ。
  • フレアが時々発生する。

フォクトレンダー10mm F5.6との比較:

  • LAOWAのほうがシャープだが、大差ではない。
  • LAOWAは最短撮影距離が短いのでボケを大きくすることが出来る。
  • 発色はLAOWAのほうが少し好みだ。
  • 歪曲はフォクトレンダーのほうが良好だ。
  • LAOWAは周辺減光が目立つ。
  • フォクトレンダーは電子接点を搭載している。
  • 光条はどちらもきちんとしている。
  • 色収差はLAOWAのほうが少ない。

作例集

総評

  • 建築写真からポートレートまで対応できるクリエイティブな超広角レンズだ。シャープネスや色は非常に良好で、歪曲収差は非常に少ない。楽しく使えるレンズである。
  • 画角が非常に広く、ハイライトとシャドウの差が大きくなることが多い。このため、Lightroomでトーンを調整する必要がある。しかし、ソニー製カメラは強力なダイナミックレンジを備えているので、後処理後の画質は良好だ。
  • 重度の周辺減光はLightroomの補正値を限界値に近いところまで使う必要がある。
  • フォクトレンダーと比較すると、シャープネスや色が少し良好だ。ただし周辺減光が目立ち、電子接点には対応していない。
  • 全体的に見て、個人的にこの焦点距離のレンズはフォクトレンダーよりもLAOWAだ。強くおススメできるレンズである。
  • 長所
    ・非常に良好な中央シャープネス
    ・個性的な画角
    ・おだやかな歪曲
    ・色収差がとても少ない
    ・非常に良好なコントラスト
    ・良好な発色
    ・小型軽量
    ・優れたビルドクオリティ
    ・素敵な絞りとフォーカスリング
    ・調整可能な無限遠の表示
    ・最短撮影距離
  • 平凡
    ・価格
    ・フィルターホルダー
    ・逆光耐性
    ・電子接点非対応
  • 短所
    ・防塵防滴非対応
    ・重度の周辺減光
    ・接写時の強い歪曲収差

とのこと。
Lenstipの評価と同じく、この画角のレンズとしては良好な光学性能のレンズに仕上がっているみたいですね。抜群の解像性能ではないものの、周辺まで描写の粗が無く、倍率色収差が目立たないのは凄い。常用するのは難しい画角ですが、小型軽量で携帯性の良さは強みと言えそう。

コンパクトサイズの超広角レンズらしく、周辺減光が強く発生する点は気を付ける必要がありそうです。特に高感度使用時は増感し過ぎるとノイズが目立つ可能性あり。低感度使用時はソニー製カメラのダイナミックレンジで十分問題は無さそうに見えます。Sony Alpha BlogはFlickr上にサンプルデータを公開しているので確認しておくと良いでしょう。

LAOWA 9mm f/5.6 FF RL交換レンズデータベース

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