LAOWA FFII 10mm F2.8の欠点は重い周辺減光のみ

Dustin Abbottが「LAOWA FFII 10mm F2.8」のレビューを公開。小型軽量ながら耐候性を備え、AFにも対応する10mm F2.8を実現し、欠点は周辺減光のみと言及。驚くほどの高い完成度と評価しています。

Dustin Abbott：Laowa AF 10mm F2.8 Zero D Review

外観：従来と異なり、グレー塗装の筐体。77mmフィルターに対応。フードは着脱可能。

構造：LAOWA初の防滴仕様（マウント部のみ）。電子接点付きでレンズ情報やAF、自動絞りを利用可能。外装はプラスチックというよりも金属のような印象。

携帯性：420gと適度。

操作性：AF/MFスイッチを搭載。

AF：LAOWA初のAF対応（ソニーE・ニコンZ）。高速かつ正確で滑らかに動作。駆動音は静か。初のAFレンズとしては成熟したシステムのように感じられる。

MF：自動アシストを利用可能。フォーカスリングはバイワイヤだが、適度な抵抗で滑らかに動作。精度の高いフォーカス操作が可能。

マクロ：撮影距離12cmまで近寄ることが出来る。実写でこれほど近寄ることはほぼ不可能。

手ぶれ補正：記載なし。

解像性能：
・中央：中央から像高2/3でとても良好だが、コントラストは少し低い。F5.6まで絞ると画質が大幅に向上する。
・隅：コントラスト良好だが中央ほどシャープではない。F5.6まで絞ると画質が大幅に向上する。F8でベスト。

像面湾曲：ほとんど見られない。賞賛に値する。

ボケ：作例のみ。

軸上色収差：問題なし。

倍率色収差：わずかな色ずれで問題なし。

球面収差：

歪曲収差：驚いたことに、ごく僅かな樽型。大部分の広角レンズよりも良好。

周辺減光：
・顕著な影響が見られるものの自動補正には非対応。
・カメラ側の補正をオンにするとおかしな修正状態となる。（α1やα7R V）
・現像時に修正する必要がある。Lightroomの手動補正では上限一杯まで使っても修正しきれない。
・光学性能で唯一の弱点。

コマ収差：とても良好。フレーム端で少し尾を引く程度。

逆光耐性：広角レンズとしては非常に良好。完璧ではないがコントラストへの影響はない。

光条：絞ると美しい描写。

作例集：

総評：最大の弱点は重い周辺減光と補正プロファイルが無いこと。ほぼ確実に後処理の必要性がある。しかし、AF対応で防塵防滴の10mm F2.8が799ドルという手ごろな価格で入手できる。驚くほどの完成度。

競合について：VILTROX AF 16mm F1.8 FEは全体的に優れた性能。

備考：中央は露出オーバーで、隅は露出アンダーとなる傾向がある。周辺減光が強すぎて露出のバランスを取るのが難しいためだろう。

とのこと。
LAOWA初のAFレンズであり、フルサイズミラーレスでは貴重な10mm AF単焦点レンズ。ソニーEマウントとニコンZマウントでAFに対応するほか、キヤノンRFやライカLマウント用のMF用レンズもラインアップされています。販売価格は799ドルで、焦点距離とF値を考慮すると手ごろな価格設定。あとは小型軽量な10mm F2.8で十分な画質が得られるのかどうか気になるところですね。

Dustin Abbottのレビューでは、全体的に良好な結果が得られるようです。フレーム隅もF5.6からF8くらいまで絞ると良好な結果となる模様。解像性能に関してPhillipreeveと評価が一致しており、フレーム全域の性能を重視する場合はF5.6-8まで絞って使うのが良さそうです。コマ収差の影響は軽微で、像面湾曲も目立たないので夜景などにも使えそうですね。

逆光時のフレア耐性は完璧と言えないものの、従来のLAOWAレンズと比べると健闘しているようにも見えます。

LAOWA FFII 10mm F2.8 最新情報まとめ

2024年2月20日発表
2024年4月19日発売予定
初値：148,500円

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