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LAOWA MFT Argus 25mm F0.95は抜群の中央解像だが電子接点がない

Lenstipが「LAOWA MFT Argus 25mm F0.95」のレビューを公開。レコードに近い中央解像を発揮し、色収差もよく抑えていると評価しつつ、電子接点がなかったり、逆光耐性の悪さを指摘しています。

Lenstip:Venus Optics LAOWA Argus 25 mm f/0.95 MFT

外観・構造:

  • レンズマウントは金属製だ。
  • 残念ながら電子接点には対応していない。このような大口径レンズで自動アシストを利用できないのは重大な欠点となる。市場参入から7年が経過しているので、そろそろ搭載すべきだと思う。

携帯性:

  • 標準単焦点レンズとしては最も重く大きなレンズである。
  • フォーカシングで後玉が前後する。

操作性:

  • 12mm幅の金属製絞りリングはF0.95-F1.1-F1.4-F2-F2.8-F4.0-F5.6-F11の印字がある。
  • 絞りリングは滑らかに回転するが、トルクが弱すぎるので誤操作しやすかった。
  • フォーカスリングは十分なトルクで滑らかに回転する。

フォーカス:

  • フォーカスリングのストロークは300度と非常に大きい。大部分は近距離時で、0.7mから無限遠は90度くらいとなる。
  • F0.95までメモリのある被写界深度表示が助けになる。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • E-M5 Mark IIのRAWを計測している。
  • 良像の基準値は48-50lpmmだ。
  • 最高の単焦点レンズで98.6lpmmに達する。
  • 絞り開放付近は像が滲んでいるものの、F1.1-1.2まで絞ると良像となり、F1.4で良好だ。F2まで絞ると素晴らしい結果が得られ、F2.8で96.7lpmmとなりレコードホルダーに近い性能だ。25mm F1.2 PROよりも高い解像度である。
  • フレーム端では状況が悪化する。F0.95-F1.4で良像の基準値を下回り、F2.8から実用的な画質となる。この領域はオリンパスやNOKTONのほうが良好だ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • ボケは非常に心地よいが、F0.95に期待するほどではない。
  • 玉ねぎボケがわずかにみられる。
  • 口径食は2段絞っても目に付く。

色収差:

  • 軸上色収差は絞り開放から問題がない。このような大口径レンズとしては拍手喝采の結果だ。
  • 倍率色収差はオリンパスよりも良好でNOKTONよりも僅かに悪い、賞賛すべき補正状態だ。

球面収差:

  • F0.95からF1.4に絞ると、わずかなフォーカスシフトが発生する。
  • F0.95では典型的な滲みが発生する。
  • 前後のボケで描写に大きな違いがある。

歪曲収差:

  • 完璧に近い補正状態を期待していたが、-1.57%と古いガウスタイプの収差に近い。
  • 画角は公称値とくらべて大きな差が見られない。

周辺減光:

  • F0.95で-2.75EVの目立つ減光が発生する。F0.95の大口径レンズであることを思い出してほしい。
  • 幸いにもF2まで絞ると適度な減光にまで抑えることができる。

コマ収差:

  • NOKTONよりもはるかに良好な補正状態でオリンパスの性能に近い。
  • F0.95であることを考慮すると賞賛に値する。
  • 非点収差はNOKTONとほぼ同じで、オリンパスよりもはるかに優れた結果となった。

逆光耐性:

  • 逆光耐性は酷いとしか言いようがない。
  • フレア・ゴーストの色/強度/サイズのバリエーションは無限大だ。
  • 光源を移動させることで万華鏡のようなイメージを楽しむことができる。

作例集

総評

プロの仕事道具として、アマチュアの娯楽用として、このレンズはどちらにも適していない。電子接点がないので自動アシストを利用できず、F0.95でのピント合わせを難しくしている。さらに周辺部の画質が弱く、球面収差や周辺減光が目立ち、逆光耐性が悪い。

価格は安く、市場にライバルが不在であるのは確かだ。とはいえ、このレンズにおける欠点は本当に残念である。

  • 長所
    ・金属鏡筒
    ・優れた中央画質
    ・軸上色収差を無視できる
    ・倍率色収差が少ない
    ・穏やかな歪曲収差
    ・適切なコマ収差補正
    ・わずかな非点収差
    ・個性的なパラメーター
  • 短所
    ・逆光耐性がひどい
    ・周辺減光が顕著
    ・球面収差
    ・F2までの周辺画質
    ・電子接点がない
    ・絞りリングが緩すぎる

とのこと。
自動アシストを利用できず、逆光耐性などの欠点が目立つと指摘。確かにLAOWAは既にマイクロフォーサーズシステムの賛同企業に名を連ねており、既に一部のレンズは電子接点を搭載してAEに対応しています。電子接点があるとよかったのは確かですねえ。

とは言え、フォクトレンダーNOKTON F0.95も電子接点がないことを考慮すると許容範囲内かなと。また、周辺減光や逆光耐性にも不満を感じた模様。LAOWAレンズの逆光耐性が問題となってるのは従来通りですが、そろそろ改善して欲しい問題であるのは確か。個人的にも7.5mm F2や10mm F2、50mm F2などのレンズでフレア・ゴーストの洗礼を受けています。

F0.95から軸上色収差を高度に補正している点や、絞った際の高い中央解像、そしてF0.95の滲みを伴う後ボケが魅力的と感じますが、欠点を十分に考慮して購入する必要がありそうです。

LAOWA MFT Argus 25mm F0.95 最新情報まとめ

LAOWA Argus 25 mm F0.95 MFT APO
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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2022-2 初値
マウント MFT 最短撮影距離 0.25m
フォーマット 4/3 最大撮影倍率 0.17倍
焦点距離 25mm フィルター径 62mm
レンズ構成 8群14枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F0.95 テレコン -
最小絞り F11 コーティング 不明
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ71×86mm 防塵防滴 -
重量 570g AF MF限定
その他 絞りリング・電子接点なし

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