ePHOTOzineがライカ「Leica Q2 Monochrom」のレビューを公開。高価ですが、それ相応の画質とビルドクオリティを期待できる貴重なモノクロセンサーカメラに仕上がっている模様。
長年使い続けられるカメラ
ePHOTOzine:Leica Q2 Monochrom Review
- カメラの紹介:
・Leica Q2のmonochrome版である。
・Q2と同じ28mm F1.7レンズを搭載し、手ぶれ補正にも対応している。
・Q2と同じく、Cine 4Kに対応し、高速連写や自動露出モードを備えている。
・Monochromeセンサーを採用したカメラは他にM10のみだ。
・センサー上にカラーフィルターが無いため、画素補完が無く高水準のディテールを得ることが出来る。- ビルド・外観:
・全体的にモノクロデザインとなっており、ライカの赤バッジが無い。
・カメラはIP52準拠の耐候性を備えたマグネシウム合金ボディだ。
・ビルドクオリティは価格設定の期待に応えるものだ。
・カメラはドイツ製である。
・バッテリーライフは350枚だ。きちんとした性能だが、予備バッテーを用意しておくと良いだろう。USBポートが無いのでボディ内充電が出来ない。- レンズ:
・マクロダイヤルをスライドすることでマクロモードをアクティブすることができる。
・28mmの焦点距離はポートレートであまり魅力的とは言えない。しかしストリートフォトならば適しているかもしれない。とは言え、内蔵フラッシュは非搭載だ。
・フレームの隅まで非常にシャープなレンズだ。ただし絞り開放の四隅は少しソフトである。
・逆光ではレンズフレアが発生することがあるが、少し構図を変えることが回避できる。- 携帯性:
・バッテリー込みで734gだ。- グリップ:
・前面のグリップが存在せず、背面に親指を置くくぼみのみだ。これは大きな問題とならず、持ち方や使い方に問題は発生しない。- 操作性:
・カメラはP/A/S/Mモードに対応している。
・換算35mm/50mm/75mmのクロップ機能を搭載している。解像度が非常に高いので、クロップしても過度に影響を受けることは無い。
・背面モニタ左側にはボタンが3つある。カスタマイズできるのはFnボタンだ。
・4方向ボタンは少し小さいものの、慣れるまで時間はかからない。
・4方向ボタンの中央を押すことで背面画面を切り替えることが出来る。
・タッチ操作で静止画と動画モードの切替が可能だ。- 手ぶれ補正:
・記載なし。- ファインダー:
・368万ドットのOLEDファインダーだ。
・ファインダー周囲はゴム製フレームだ。交換は出来ないがより丈夫な素材で作られている。
・アイセンサーの応答性はとても高い。
・ファインダー解像性能とクオリティは良好だ。- モニター:
・記載なし。- メニューシステム:
・記載なし。- オートフォーカス:
・合焦速度は0..15秒だ。
・位相差検出ではなくコントラスト検出AFを使用する。
・広いエリアを225点でフォーカスすることが出来る。
・フォーカス速度は比較的速く、ペットなど速い動きの被写体を除いて動作速度に問題は無い。- 連写性能:
・リーフシャッターのため静かに動作する。
・メカシャッター使用時は10コマ秒の連写が可能だ。
・電子シャッター使用時は20コマ秒の連写が可能となる。- 高感度ISOノイズ:
・ISOは100から10,000まで利用可能だ。
・ISO100から1600までノイズは非常に低い。等倍で見るとノイズが発生しているものの、カラーカメラのノイズと比べて遥かに少量だ。
・ISO6400でノイズが増加するものの、ものようなカメラでノイズを気にする人は少ないだろう。
・ISO12800でより顕著となり、ISO50000までにノイズが邪魔と感じるようになる。これ以上の高感度は避けたい。- ダイナミックレンジ:
・記載なし。- 仕上がり:
・セピアやブルー、セレンに色味を変える事は出来るが、フィルター効果は無いので実際にフィルターを装着する必要がある。
・コントラストとシャープネスの設定がある。
・他のモノクロカメラと同じく、露出オーバーでは無く露出アンダーの傾向が見られる。これはハイライトが飛ぶ可能性が低いことを意味しているが、露出不足に見えてしまうかもしれない。必要に応じて調整できるようにRAWで撮影しておくと良いだろう。
・RAWはAdobe DNGとして出力される。サイズは82?89MBだ。- 動画:
・様々な解像度とフレームレートが用意されている。
・フラットやログなどには対応していないが、初期設定でもかなりミュートな仕上がりに見える。
・動画は優れたディテールを備え、光学手ぶれ補正により良好な結果を得ることが可能だ。- 通信接続:
・カメラにはWi-FiとBluetoothが組み込まれている。
・スマホアプリと連携することでリモート操作が可能だ。
・さらに画像転送やシェアが可能である。総評
高解像モノクロセンサーと28mm F1.7レンズとの組み合わせで非常にシャープな結果を得ることが出来る。非常に静かなシャッターユニットも一部のフォトグラファーに重宝されるだろう。
モノクロセンサーカメラの選択肢は少ないが、幸いにもLEICA Q2 Monochromeは価格から期待される高画質とビルドクオリティを備えている。長年使い続けられるカメラとなるだろう。
長所:モノクロ4700万画素センサー・とてもシャープ・ハイクオリティな28mm F1.7・光学手ぶれ補正・DCI/UHD 4K・頑丈なボディ・耐候性・10/20fps連写
短所:価格・28mm単焦点・接続性が悪い・モノクロ限定
とのこと。
高価なレンズ固定式カメラですが、唯一無二のモノクロセンサーを搭載した貴重な選択肢ですね。
実写作例を確認すると、画素補完の無い4700万画素を十分に活かし切るレンズ性能に見えます。細部まで描写の破綻が無く、自然でリアルな描写。これなら大きなクロップでも問題の無い画質。
全体的にアンダーな仕上がりが多いので、RAW現像時で少し調整する必要がありそうですね。モノクロセンサーはハイライトが飛びやすい傾向があるので、このような露出になっているものと思われます。
購入早見表
Leica Q2 Monochrom | |||
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主な仕様
T独特の魅力と不思議な美しさで昔から親しまれているモノクローム写真は、「光で描く」という写真の本質がカラーよりも顕著に表れます。ライカのモノクロームカメラは、モノクロという魅力的な写真表現に特化した、モノクローム撮影専用のカメラです。
そのモノクローム撮影専用カメラに、ライカQ2モノクロームが新たに加わりました。フルサイズコンパクトデジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載しています。
参考
- Leica Summilux 28 f/1.7 ASPH
・9群11枚
・非球面レンズ3枚
・F1.7-16
・49mmフィルター - デジタルズーム:35mm・50mm・75mm
- 解像度:
・28mm:47MP
・35mm:30MP
・50mm:15MP
・75mm:7MP - 裏面照射型 4730万画素 カラー・ローパスフィルターレス
- ISO 100-100000
- ダイナミックレンジ 13stops
- 225点 コントラストAF
- 60-1/2000秒 メカニカルシャッター
- 1-1/40000秒 電子シャッター
- フラッシュ同調 1/500秒
- 368万ドット OLEDファインダー
- 3.0型 104万ドット タッチパネル
- 2.4GHz Wi-Fi・Bluetooth LE
- 動画:
・4K 30p
・DCI 4K 24p
・Full HD 24-60p
・AAC - SDXC UHS-II
- Leica BP-SCL4バッテリー 360枚
- 130×80×91.9mm
- 734g
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