PhotographyBlogがライカ「Leica Q2 Monochrom」のレビューを公開。M10モノクロームと異なりAFや光学手ぶれ補正に対応し、扱いやすいカメラと評価。これまで見た中で最高のモノクロ写真を撮ることができると言及しています。
モノクロフォトグラファーは考慮すべき1台
PhotographyBlog:Leica Q2 Monochrom?Review
- カメラの紹介:
・2019年3月に発売したQ2のMonochrom版だ。
・モデル名が示している通り、モノクロのみ撮影可能である。
・Q2と同様、4730万画素のフルサイズセンサーを搭載している。ローパスフィルタは搭載しておらず、RGBフィルターも無い。
・フィルターを通過しないため、センサーに到達する光量が増加し、1段ほど常用ISO感度が向上している。
・RGBフィルターのでモザイク処理が無いため、より繊細なディテールと諧調の表現が可能だ。
・センサー以外はQ2と実質的に同じだが、外装はよりマットな塗装が施されている。
・レンズはQ2と同じ28mm F1.7だ。9群11枚構成で3枚の非球面レンズを使用している。
・ライカのモノクロセンサーモデルは「M9」「M Typ246」「M10」に次いで4台目だ。そして最初のレンズ一体型カメラである。- ビルド・外観:
・ドイツ製だ。
・価格通り、戦車のようにしっかりとした作りである。
・外観はとてもクラシカルなライカだ。
・レンズは17cmの撮影距離に対応している。マクロモードは絞り開放がF2.8となる。
・絞り開放F1.7は低照度での撮影や接写時のボケで有用だ。
・レンズの絞り値はF1.7?F16で設定可能だ。
・内蔵フラッシュを搭載していないが、ホットシューに外付けフラッシュを装着可能だ。
・シャッターは非常に静かである。
・カバー一体型のバッテリーはロックを解除しても一気に飛び出すことは無い。
・側面にはUSB・HDMIポートを備えている。
・メモリカードはSD UHS-IIのシングルスロットだ。
・バッテリーは引き続きBP-SC14を使用する。
・レンズには歪曲収差がほとんど残っていない。- 携帯性:
・一眼カメラと比べると携帯性は良好だ。サイズが小さいので被写体に対して主張し過ぎない。
・小さなカメラだが、固定されたレンズが出っ張っているのでポケットに入れるにはまだ大きい。- グリップ:
・グリップは小さいが、滑り落ちやすい間隔は無い。
・しっかりとした重量と握りやすい形状、そして前面カバーで良好なグリップを実現しているようだ。- 操作性:
・Mシリーズと異なり、ファインダーもモノクロ表示となる。これにより写真の撮影方法が変わる。
・モダンでミニマリズムな操作性のシンプルなレイアウトである。
・初心者には不向きな操作性である。- 手ぶれ補正:
・明るい広角レンズだが手ぶれ補正が組み込まれている。F1.7と組み合わせることで簡単に低照度の撮影が可能だ。
・オート手ぶれ補正は1/60秒以下のシャッタースピード時に動作する。それ以外の場合は最適なシャープネスを得るためオフとなる。- ファインダー:
・368万ドットのOLEDファインダーだ。とてもリアルで、光学ファインダーでは無いことを忘れてしまうくらいだ。- モニター:
・タッチ操作に対応した104万ドットの3.0型液晶パネルである。
・タッチパネルをスワイプすると、静止画と動画を切り替えたり、ヒストグラムを呼び出すことが可能だ。- メニューシステム:
・記載なし。- オートフォーカス:
・モノクロセンサーのため、被写体追従AFが欠けている。これは追従に必要な色情報を得ることが出来ないからだ。
・AFとMFは簡単に切り替えることが可能だ。
・225点のコントラスト検出AFだ。応答速度は0.15秒で、大部分の状況ならば十分高速だ。低照度でも良好に機能する。- 連写性能・ドライブ:
・メカニカルシャッターは1/2000秒まで電子シャッターは1/40000秒まで利用できる。
・4700万画素ながら、メカニカルシャッターで10コマ秒、電子シャッターで20コマ秒の連写に対応している。
・最長で120秒のスローシャッターに対応している。- 高感度ISOノイズ:
・ISO感度は100?100,000を利用可能だ。
・ISO100?6400でノイズレスの画質となる。
・ISO25600で目立つノイズとディテールの低下が発生する。
・ISO50000・100,000でさらにノイズが目立つものの、小さなプリントやウェブでの使用ならば実用的な画質となる。- ダイナミックレンジ:
・カラーカメラよりハイライトが強調されるため、カラーのように露出すると白飛びする可能性がある。- 仕上がり機能:
・モノクロ限定だが、調色をブルー・セピア・セレンに切り替えることが出来る。
・レンズの焦点距離は28mmだが、クロップモードで35mm・50mm・75mmとしても利用可能だ。この際の解像度はそれぞれ「3000万画素」「1500万画素」「700万画素」となる。ただしRAW出力はだフル領域の4700万画素分が記録される。
・JPEGまたはDNGで出力可能だ。同時出力も可能であり、目立つ速度低下は見られない。- 動画:
・4K UHDとDCI 4Kを30p/24pで利用可能だ。- 作例集
総評
ライカ製モノクロカメラの中では最も使いやすいモデルであり、最高の画質を実現している。M10Monochromはレンズを交換できるものの、手ぶれ補正やAFを利用することは出来ない。28mm F1.7は良好な低照度性能に加え、クロップモードで汎用性をを備えている。
Q2 Monochromはこれまで見た中で最高のモノクロ写真を撮ることができる。モノクロ写真に生きる人にとって、Q2 Monochromはリストアップしておくべきカメラだと思う。
とのこと。
レンズ固定式の珍しいモノクロセンサー搭載カメラですね。Q2と同じ4700万画素センサーを搭載しているため、35mm・50mm相当のクロップでも実用的な解像性能で利用できるのは面白いですね。でモザイク処理が無いため、クロップしても自然なディテールの描写であるように見えます。レンズの性能も良好で、4700万画素センサーを十分に活かせる28mmに仕上がっている模様。
作例を確認してもレンズの光学性能はとても良好であることが分かります。価格設定は70万円超と考えると高価なカメラですが、M10モノクロームよりも遥かに安く、さらに28mm F1.7が付いてくることを考慮すると手ごろな価格と感じるかもしれませんね。AFに対応し、光学手ぶれ補正も利用できるので、気軽に扱えるのもGood。
購入早見表
Leica Q2 Monochrom | |||
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ビックカメラ | ヤマダ | PREMOA |
主な仕様
T独特の魅力と不思議な美しさで昔から親しまれているモノクローム写真は、「光で描く」という写真の本質がカラーよりも顕著に表れます。ライカのモノクロームカメラは、モノクロという魅力的な写真表現に特化した、モノクローム撮影専用のカメラです。
そのモノクローム撮影専用カメラに、ライカQ2モノクロームが新たに加わりました。フルサイズコンパクトデジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載しています。
参考
- Leica Summilux 28 f/1.7 ASPH
・9群11枚
・非球面レンズ3枚
・F1.7-16
・49mmフィルター - デジタルズーム:35mm・50mm・75mm
- 解像度:
・28mm:47MP
・35mm:30MP
・50mm:15MP
・75mm:7MP - 裏面照射型 4730万画素 カラー・ローパスフィルターレス
- ISO 100-100000
- ダイナミックレンジ 13stops
- 225点 コントラストAF
- 60-1/2000秒 メカニカルシャッター
- 1-1/40000秒 電子シャッター
- フラッシュ同調 1/500秒
- 368万ドット OLEDファインダー
- 3.0型 104万ドット タッチパネル
- 2.4GHz Wi-Fi・Bluetooth LE
- 動画:
・4K 30p
・DCI 4K 24p
・Full HD 24-60p
・AAC - SDXC UHS-II
- Leica BP-SCL4バッテリー 360枚
- 130×80×91.9mm
- 734g
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