DPReviewがライカ「Q3」のレビューを公開。ぱっと見はQ2とよく似ていますが、高解像センサー、位相差AF、チルトモニタ、8K動画、ワイヤレス充電などなど、見どころが多いカメラに仕上がっている模様。
DPReview:Leica Q3 initial review
新型センサー
- 6000万画素の裏面照射型 CMOSセンサーを搭載。
- これは、非常に優れた性能のM11に使用されているのと同じチップと思われる。
- ライカは、この新しいセンサーの性能に自信を深めており、最高ISO感度を1段上げて100,000に設定した。
- 高画素センサーを搭載したことで、クロップモードが追加された。Q3では35mm、50mm、75mm、90mm相当(それぞれ3900万画素、1900万画素、800万画素、600万画素)のクロップが可能だ。
- M11と同様にセンサー全域を使用しつつ、6000万画素、3600万画素、1800万画素のいずれかの解像度で撮影可能だ。このダウンサイジングは、RAW・JPEG、またはその両方に適用することができる。
位相差AF
- Q3は位相差AFを搭載。
- パナソニックのLUMIX S5 IIが採用した像面位相差+DFDシステムに似ていると感じるなら、両社はL²テクノロジーパートナーシップを結んだことを思い出してほしい。
チルティングスクリーン
- ライカのデジタルカメラとして初めてチルト式スクリーンを搭載。
- タッチパネルは、従来の固定式と同じ3.0型だが、画素数が104万ドットから184万ドットに向上。
ポート類とウェザーシール
- QとQ2にはポート類が一切なかった。
- Q3ではそのアプローチを変更し、左側面にUSB-C(3.1 Gen 2 10Gbit/s)ポートとmicro-HDMIポートを備えている。
- USB-Cポートは、カメラの電源を入れたり切ったりした状態でのカメラ充電に対応。
- USBポートはパソコンやiPhoneへのファイルのデータ転送にも使用できる。
- Capture OneやAdobe Lightroomを使ったテザー撮影や、外部レコーダー、ジンバル、外部バッテリーなどのデバイスとの接続にも対応している。
- HDMIポートは、SDカードへの録画の有無にかかわらず外部ディスプレイに対応しており(フォーマット依存)、10bit 8K H.265からFull HD Apple ProResまでの幅広いコーデックでキャプチャ可能だ。
- カメラはQ2で同じIP52等級に対応している。
iPhoneテザリング
- M11と同様、Q3にLighting-to-USB-Cケーブルを同梱。
- このケーブルを使って、LeicaFotosアプリへの接続手段の一つとしてカメラをiPhoneにテザリングすることが可能。
- Androidユーザーは、BluetoothとWi-Fi接続のみ利用可能。
- ケーブル接続は、より速く、より信頼性の高い転送を実現。ライカによると、Q3のユーザーは有線接続により、Q2のワイヤレス接続の最高速度である3MB/秒よりも最大10倍速い転送速度が期待できるそうだ。
- このケーブルを使って、新しい「Leica Looks」(ライカのクリエイティブフィルター)をカメラにダウンロードすることができる。
- ライカは、「Leica Looks」のライブラリーを定期的に拡張し、ユーザーがダウンロードして適用できる新しいフィルターを提供するとしている。
8K 動画
- 最大30pの8K撮影に対応。
- 28mm単焦点のカメラが動画撮影に適しているとは言えないが、6000万画素センサーからできる限りのものを引き出している。
- 約33ms(UHD)のローリングシャッターは悪影響がある。
- 8KのDCI(1.89:1)またはUHD(16:9)の両方を提供し、L-LogまたはHLGプロファイルのオプションで10bit映像を撮影することができる。
パース補正
- 最近のファームウェアでM11に追加された機能が搭載。
- パースペクティブコントロールは、シーンを分析し、パースペクティブ補正された平面を表現するようにフレームを調整できる。
- シャッターを切ると、カメラはこのパースペクティブ補正を施したJPEGを出力。
- 補正パラメータはカメラのDNGファイルにも書き込まれているので、Adobe Camera RawやLightroomで自動的に適用される。
オプションのワイヤレス充電用グリップ
- Qシリーズの新機能として、オプションのハンドグリップによるワイヤレス充電に対応。
- ハンドグリップを装着すると、カメラを電磁誘導方式の充電マットの上に置いて充電が可能だ。
- ライカによると、190分でQ3のバッテリーをフル充電できるそうだ。
比較
- ソニーRX1R IIIの不在が続く中、Q3をQ2以外のカメラと比較することは困難だ。
- Q3の希望小売価格を考えると、他のレンズ固定式カメラでは比較にならないほど高価である。
- TikTokの人気者である富士フイルムX100Vは、28mmではなく35mm相当のレンズで構成され、価格ははるかに安い。
- Q3は、おそらく最も重要なライバルであるQ2に対してチルトモニタ、位相差オートフォーカス、6000万画素センサーを搭載し、すでにシャープな28mmレンズからさらに多くのものを引き出すことが可能だ。
ボディとハンドリング
- このカメラのボディは、ほとんどの点で、前モデルと同じである。
- トッププレートには、シャッタースピードダイヤル、リアダイヤル、電源トグルスイッチ、シャッターレリーズ、カスタムファンクションボタンが、Q2と同じスペースに配置されている。
- シャッターボタンがブラックからシルバーに変更され、ホットシューにQ3の刻印があるのが、新モデルであることを示す唯一の手がかりだ。
- 前面から見てもほぼ同じだ。
- 背面はボディに最も大きな変化が見られるところだ。
背面コントロールとチルトモニタ
- チルト式タッチパネルに加え、「メニュー」「再生」ボタンとカスタムファンクションボタンが右側へ移動した。
- 旧モデルと比べて右手だけで操作できるようになった。
- メニューボタンや再生ボタンを押すと、ボタンを押してから画面に何か表示されるまで、ごくわずかな遅延がある。
カスタムボタン
- Q3は、サムレスト左の背面ボタンをカスタマイズ可能なファンクションボタンに変更。その隣に2つ目のボタンを追加している。これにより、Qのカスタムボタン数は2つから4つに増えた。
- カスタムボタンはQ2の機能と似ているが、メニューで選べるオプションが少し増えている。
レンズ
- 同じ光学的に安定した28mm F1.7レンズを使用。
- ライカによると、このレンズの光学系は6000万画素センサーの能力を上回っており、再設計や更新をする理由はなかったという。
- レンズは頑丈でよく加工されているように感じられ、非常にシャープだ。
- マニュアルモードとオートモードの切り替えは、レンズ鏡筒で素早く操作が可能だ。
- 絞りはレンズリングで設定でき、自動の設定もある。
- マクロモードは、レンズの根元付近にあるクラッチを回すと、30cmから17cmの範囲にピントを合わせることができる。
ビューファインダー
- EVFは576万ドット(1600×1200px)の有機ELで、Q2の368万ドットの有機ELパネルから大きく進化。
- アイセンサーが作動して画面が切り替わるのに目立つ遅延はない。
- Q3はQ2の視度をそのまま引き継いでいる。
バッテリー
- 15.8WhのライカBP-SCL6リチウムイオン充電池を採用。
- 充電は、USB-Cポートによる外部充電と、オプションのワイヤレス充電アクセサリーのいずれでも可能だ。
- 新しいバッテリーのCIPA規格は350ショットで、これはQ2のライカBC-SCL4バッテリー使用時のCIPA規格と同じである。
最初の印象
- 当初はライカ Q3が張子の虎じゃないかと心配したが、嬉しい誤算だった。最終的には、このカメラは使っていて楽しいものだった。複雑でもシンプルでもいい、そして何より楽しい。
- フィルムボディにインスパイアされたデザインで、ボディにあるダイヤルやボタンを数個に絞ったのも、納得のいく選択だ。
- Q3の魅力は、技術的な部分をほとんど隠して、絵作りの触覚的な部分を前面に出していることかもしれない。
- メニューやカスタム機能に凝ることもでき、ISO、絞り、シャッタースピード、フォーカスといった核となる調整をマニュアルモードで行うこともできる。
- 新しいチルト式タッチパネルは、ライブビューで素早く反応し、予想以上に多用した。ただし、タッチ操作は、私の好みからすると遅すぎたり、タッチポイントが小さすぎたりして、いつもベストな状態とは言えない。
- メニューアイコンが大きくなり、視覚的な乱雑さがなくなり、最小限のインターフェイスのタッチモニタとなったので、かなり便利だ。
- しかし、いくつかの小さな小さな不満がある。
・約3秒の起動時間は少し長すぎる。
・明るい日差しの下では、AFがハンチングしたり、バックフォーカスになったりすることがある。そのような時はAFが特に速くない。
・サムレストが浅く、片手での撮影に自信が持てないことも指摘しなければならない。結局のところ、私はQ3が持つ「喜び」と「価格」を比較するという考えに立ち戻ることになる。このカメラは楽しいが、その楽しさにどれだけの価値があるのか、それが問題だ。
とのこと。
一見するとQ2とよく似ていますが、新型センサーを搭載し、チルトモニタに対応。その他にも数多くのアップデートが見られる充実したQ2後継モデルとなっています。像面位相差AFや8Kまでの豊富な動画機能、ワイヤレス充電対応グリップなどなど。ライカらしく非常に高価なカメラですが、カメラ一つで幅広い撮影に対応できるようになったのが魅力的ですねえ。まさに全部盛りの高級デジタルカメラ。6000万画素ながら15fpsの高速連写にも対応しているのが驚きですねえ。
ただし、記録メディアはSD UHS-IIまでなのでバッファクリアが非常に遅い可能性あり。同様の理由で高解像センサーながら内部収録の動画撮影にも制限があると思われます。
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主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:ローパスフィルターレス
・有効画素数:6030万画素
・除塵ユニット:不明
・ISO:50-100000 - プロセッサ:Leica Maestro IV
- レンズ:
・Summilux 28mm F1.7
・9群11枚
・49mmフィルター
・F1.7-F16
・30cm~∞(マクロ 17cm) - メモリカード:SD UHS-II
- 出力:
・DNG 14bit/ JPEG 8bit
・MP4 / MOV - 画像サイズ:
・9520×6336 60.3MP
・7404×4928 36.5MP
・5288×3518 18.6MP
・DNG 70MB - AFシステム: ハイブリッド(コントラスト・深度・位相差)
・測距点:315 - ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:120-1/2000秒
・電子シャッター:1-1/16000秒
・フラッシュ同調速度:1/2000秒
・撮影速度:15fps
・RAW:14bit ~7fps / 12bit 9-15fps
・撮影枚数:15fps DNG 63枚
・バッファ:8GB - ファインダー:576万ドット 120fps 0.79倍
- モニター:3.0型 184万ドット
- 動画:
・8K:C8K / 8K
・4K:C4K / 4K - インターフェース:
・USB:3.1 Gen 2 10Gbps
・ヘッドホン:-
・マイク:-
・HDMI:D
・Bluetooth:5.0LE - バッテリー
・タイプ:BP-SLC6 2200mAh
・撮影可能枚数:350枚
・充電方法:USB・外部充電器・ワイヤレス - サイズ:130×92.6×80.3mm
- 重量:743g
- 防塵防滴:IP52
- ボディ材質:マグネシウムダイキャスト
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