Mobile01がパナソニック「LUMIX S5」のレビューを公開。ミドルレンジながら4K 60pやデュアルネイティブISO・V-Logの実装を評価する一方、オートフォーカスはまだ改善の余地ありと言及しています。
まだまだオートフォーカスは改善の余地あり
Mobile01:Panasonic Lumix S5 雙原生ISO加持 P家小型全幅機來臨
- パナソニックは像面位相差AFの対応に消極的であり、全てのカメラでコントラストAFシステムを採用している。
実績のあるマイクロフォーサーズシステムでは、フォーカス速度のレスポンスが他社と比べて全く見劣りしていなかったので問題無いだろう。- 「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」との組み合わせでフォーカス速度は非常に高速だ。HDMI出力を使用するとフォーカス機能に影響を与える事を発見しており、今回はHDMI出力を使わずに実写動画を用意した。
- 「LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.」と組み合わせて顔検出AFをテストした。意図的に途中で振り返りも混ぜてみたが、カメラへの影響は少ないようだ。被写体がカメラに近づくとピンボケの画像が多くなった。
- 逆光時のAF-Cは決して完璧とは言えず、フレームの大部分を被写体が占めている場合でも、ピントが背景に抜けてしまう場面があった。
- シャッターを切らずにオートフォーカスだけ動作する場合は被写体にピントを合わせ続けることが出来る。これは何を意味するのだろうか?
- オートフォーカス中はピントが合っているだけに悩ましい挙動だ。
- ハイレゾモードでは9600万画素の高解像データを出力可能だ。ハイレゾモードを使用することでディテールの再現性が大きく向上する。ただし、レンズやセンサーノイズなどの影響を受けるので9600万画素分の恩恵を受ける訳では無い。
- このカメラはデュアルネイティブISOに対応している。これは従来動画カメラVaricamシリーズでのみ利用可能だったものだ。
LUMIX S5はISO640とISO4000で回路が切替わる。ただし、S1Hと異なり手動で回路を切り替えることは出来ない。- 僅かなノイズに気が付いたのはISO51200だ。ISO12800でもまだ綺麗な印象を受ける。
- ISO3200からISO4000へシフトした際に突然画質が良くなった。ISO3200は低ゲイン回路時に最も高いISO感度であり、回路が切替わった後のISO6400はISO3200よりもノイズが少ない。
- 手ぶれ補正はレンズ側とボディ側の両方を使って補正するDual.I.S 2に対応している。
- ミドルレンジのミラーレスだが、4K 60p動画に対応している。4:2:0 10 bitの4K 60p、または4:2:2 10Bitの4K 30pを利用可能だ。最高のビットレートは200Mbpsである。
- 4:2:2 10Bit 4K 60pはHDMI出力時のみ対応している。S1Hも4:2:2 10Bit 4K 60pの内部記録には対応していない。
- 4K 60p時は自動的にAPS-Cクロップへ移行するため、画角が大幅に狭くなる。
オートフォーカスは進化したと言われているが、個人的にはまだ不十分だと思っている。顔・瞳検出がオンになっている場合、被写体がゆっくり歩いても十分な成功率を得ることが出来ない。
正直なところ、ミドルレンジのLUMIX S5にデュアルネイティブISOは必要ないのではないかと考えている。LUMIXにこの機能が備わっているのはGH5SやS1Hなど最高クラスの動画向けモデルのみである。
肌の色調は好みがあるのであまり言及したくないが、パナソニックの肌色は本当に良好だ。他のカメラと比較してもLUMIX Sシリーズの表現は少し優れているように見える。
LUMIX S5の登場でS1のポジションが危うい。S5は下位モデルながらデュアルネイティブISOを搭載しており、スペック的にS1が優れている点は連写速度とフラッシュ同調速度、ファインダー仕様くらいだろう。
選ぶならもちろんS5だ。小型軽量でデュアルネイティブISOを使うことができ、高価なXQDカードを使う必要が無い。そしてバリアングルモニタを搭載している。LUMIX S1を選ぶ理由が思いつかない。
プロフェッショナルモデルを検討する場合はS1HやS1Rを検討すると良いだろう。長所:小型軽量・バリアングルモニタ・4K 60p・V-log初期装備・6段分の5軸手ぶれ補正対応・使いやすいRECボタン・デュアルネイティブISO
短所:顔検出の追従性能・再生ボタンのレスポンス・HDMI出力時のAF性能・顔検出のAFに信頼性が足りない・Sレンズ群がまだまだ少ない
注意点:4K 60pはAPS-Cクロップ・S&QモードはMF・65:24や2:1のアスペクト比でオートエリアAFは使用不可・AF-Cでの連写撮影は速度が低下する
とのこと。
ミドルレンジながらS1より高機能な動画仕様を評価しつつ、改善したと謳われているオートフォーカスはまだまだ不十分と言及しています。確かに実写動画を確認すると、連写時の追従性が不確実に見えますね。検出性能自体は良好だと感じているので、今後のファームウェアアップデートで改善するかもしれません。
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