Xitekがニコン「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」のレビューを公開。ズーム全域で良好な中央シャープネスや色収差補正などを高く評価しています。ズームリングの操作性や構造も評価している模様。
Xitek:Z系???利器 尼康Z100-400/4.5-5.6 VR S??
外観・構造:
- 「100-400mm F4.5-5.6」はニコンで馴染みの無いパラメータだが、他社では一般的な仕様だ。
- レンズ構成は同クラスの中では最も複雑である。
(訳注:ソニーは16群22枚、キヤノンは14群20枚です)- 外観はZ 70-200mm F2.8 VR Sとよく似ているが、新デザインのロゴを採用している。このロゴは105mm F2.8 VR Sから変更されたものだ。
- 素早く絞りや焦点距離を確認できるOLEDパネルを搭載している。暗い場所でも確認可能だ。
- 三脚座は取り外し可能だ。
- レンズは日本製である。
- 花形レンズフードが付属する。
- テレコンバージョンレンズに対応しており、それぞれ560mm、800mmまで拡張可能だ。
携帯性:
- 他社と比べて全長は最も長いが、最も軽量である。
(訳注:驚くほどの差ではないです)- レンズサイズはZ 70-200mm F2.8 VR Sと似ているが、100-400mmのようが少し長くて直径が太い。
- フィルターサイズは77mmだ。
- ズーム操作により内筒が伸びるが、重心はほとんど変化しない。
操作性:
- フォーカスリングとズームリングとは別にコントロールリングを搭載している。
- 3つのリングはトルクが緩やかで、比較的滑らかに回転する。
- コントロールリングにはISO感度や絞り、露出補正などを割り当てることが出来る。
- ズームリングの回転角は非常に小さい。(約80度)素早く焦点距離を切り替えることが可能だ。
- 従来のズームレンズは自重落下を防止するためにトルクリングやロックスイッチを備えていた。しかし、このレンズはそれらの構造無しで自重落下を抑えることが出来る。
- レンズにはL-Fn・L-Fn2ボタンがある。L-Fn2ボタンは鏡筒に4カ所配置されている。初期設定でL-Fn2はAF-ON、L-FnはAF/AEロックだ。
- レンズに手ぶれ補正用のスイッチは無い。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動で静かなフォーカスを実現している。
- フォーカスブリージングは良く抑えられている。
- ズーム操作時のピント位置は固定されていない。
手ぶれ補正:
- 5.5段分の光学手ぶれ補正を搭載している。補正効果は70-200mm F2.8 VR Sと同等だ。
- Z 9との組み合わせで光学手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正の協調が可能だ。
- 400mmの1/13秒で成功率は高かった。1/6秒で失敗率が高まる。
解像性能:
- MTF曲線を見る限りでは同クラスと比較して周辺部のパフォーマンスが良好だが望遠端でのパフォーマンス低下が早い。
- 100mmはF4.5から優れた中央解像を発揮する。フレーム端は多少の低下が見られ、F5.6まで絞ると改善する。F8~F11で優れた解像度を維持しているが、パフォーマンスの改善は僅かだ。F16まで絞ると低下し始め、F22-32は回折の影響が強くなる。
- 400mmの性能は100mmよりも良好だ。F5.6から良好な中央シャープネスである。端の性能は少し劣るが、F8まで絞るとさらに改善する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 100mmは開放F値が小さく、ボケの量には限界がある。
- 400mmはボケが大きくなるが、描写が少し硬めだ。
- 玉ボケは口径食の影響で隅にて変形している。玉ねぎボケの兆候は目立たない。
色収差:
- 多くのEDレンズを採用しているものの、僅かに色づきが見られる。しかし、全体的な性能は良好だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 100mmで糸巻き型の歪曲が発生し、400mmでも軽度な糸巻き型となる。
- これらはカメラ内補正で修正が可能だ。
周辺減光:
- 100mm F4.5で目立つ周辺減光が発生する。
- 400mmの絞り開放でも目に付くが、F7.1まで絞ると無視できる量まで低下する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- コーティングにはARNEOとナノクリスタルコートを使用している。
- 小絞りを使うと18本の光条が発生する。一般的な描写だ。
- 100mmの絞り開放で少しフレアが発生するが、ゴーストは問題とならない。F8まで絞るとフレアとゴーストは悪化するが許容範囲内だ。
- 400mmは絞り開放で一定のフレアが発生し、ゴーストも現れる。
総評
400mmの優れたシャープネス、ズーム全域での収差補正、良く抑えられたフォーカスブリージング、効果的な手ぶれ補正を備えた望遠ズームレンズだ。周辺減光の影響があり、ボケも大きくないが、全体的な画質は高水準だ。ズームの自重落下を防ぐ革新的な構造が他のズームにも導入されると期待したい。高価なレンズだが、他社も同じ価格設定だ。それ以上に問題は2021年現在で供給量が不足していることだろう。
とのこと。
満を持して「Z 9」と共に登場した超望遠ズームレンズ。レンズサイズは確かに長いものの、他社と比べて2.5割増しのレンズ構成で軽量化を実現。見た目に反して携帯性は良さそうですね。また、コントロールはZレンズの機能を全部盛りで、OLEDから複数のL-Fnボタンまで搭載しています。特にニコン機はボディ側のカスタマイズが限られている(Z 9以外)ので、レンズFnの存在はとてもありがたい。
価格は30万円超と高価なレンズですが、現状で「Z 9」と組み合わせる最も適したレンズとなりそうです。
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