Xitekがニコン「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」のレビューを公開。解像性能、収差補正、逆光耐性はどれも非常に良好で、内蔵テレコンの操作性も高く評価しています。
Xitek:?集?尖技? 尼康Z 400/2.8 TC VR S??
外観・構造:
- 外観デザインはZマウントレンズとFマウントレンズを組み合わせたものだ。
- Fマウントに見られた金環と金色のネームプレートを備え、S-Lineを示すロゴもある。
- マグネシウム合金やエンジニアリングプラスチックを活用しつつ、剛性を確保しながら軽量化を実現している。
- 鏡筒は高強度マグネシウム合金製だ。
- 三脚リングには盗難防止用のケーブルロックを接続可能だ。
- 46mmサイズのドロップインフィルターに対応している。
携帯性:
- ニコンは一眼レフ時代から400mm F2.8の軽量化に力を入れており、初代D型(VRなし)で4800gだったレンズをG型(VRあり)で4620gとし、さらにE型で3800gまでそぎ落とした。
- このレンズはキヤノンやソニーの競合モデルよりも少し重いが、テレコンを内蔵しつつ2950gまで軽量化を実現している。
- レンズサイズはAF-S 400mm F2.8Eよりも少し細いが、全長は22mm長くなっている。
操作性:
- 側面には上下左右90度ごとに配置されたL-Fn2ボタンを搭載している。これはカメラ側でカスタマイズ可能だ。
- Fnリングを搭載しており、リングを操作することで記憶しているフォーカス位置へ瞬時に移動させることが可能だ。
- コントロールリングで絞りや露出補正の操作が可能である。
- 3つのリングは適度なトルクで比較的滑らかに回転する。
- L-Fnボタンやフォーカスモードスイッチを搭載している。
- 手ぶれ補正やブザースイッチなどは省略されている。ボディ側で操作しなければならず不便と感じる。
- 右側面にはハイライトとなる内蔵テレコンバータースイッチを搭載している。ロック構造もあり、誤操作の防止も可能だ。キヤノンと異なりカメラを右手で握ったままスイッチを操作することが出来る。
- キヤノンレンズのように、フォーカスプリセットボタンを押してからFnリングを任意の方向に回転させることで2種類のフォーカス位置を記憶可能になることを期待したい。
フォーカス:
- Zマウントとしては初めてボイスコイルモータ?を使用している。(シルキースウィフトボイスコイルモーター:通称SSVCM)
- 磁場が強いためペースメーカーなどの医療機器が誤動作する可能性を強調している。
- フォーカスブリージングは良く抑えられている。
手ぶれ補正:
- 5.5段分の補正効果を持つ光学手ぶれ補正を搭載している。
解像性能:
- F2.8の絞り開放から中央・端どちらもシャープな結果が得られる。
- F5.6?F11で僅かに改善したピークの結果を得ることが出来る。
- F16でシャープネスは少し低下する。
- テレコン装着時の絞り開放F4も良好だ。F5.6で全体的にシャープな結果が得られ、F8でさらに改善する。F11まで絞ると低下し始める。
- 400mmの結果と560mmの結果を見比べると、560mmである程度のシャープネス低下が見られる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 2線ボケの兆候は見られない。
色収差:
- パープルフリンジはほとんど発生していない。望遠レンズの中でもトップクラスの性能だ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は非常に小さく、検出が難しい。
周辺減光:
- 絞り開放では明らかな周辺減光が発生する。
- F3.5まで絞ると大幅に改善する。
- F2.8の望遠レンズとしては正常な光量落ちだ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 新開発のメソアモルファスコートとARNEOコートを採用して高い反射耐性を備えている。
- 実写で確認すると、フレアは十分に抑えられている。
総評
光学性能の観点では、間違いなく一級品だ。優れたシャープネス、優れた収差補正、柔らかいボケ、そして強力な逆光耐性を備えている。内蔵テレコンバーター使用時はシャープネスが低下するが、それは予想できることだ。それでも内蔵型は使い勝手が良く、2つの焦点距離を素早く切り替えることで柔軟性が大幅に向上する。
内蔵テレコンバーター搭載ながら、競合他社と比べて50-60gの重量差に抑えられている。他社が×1.4テレコンを使用した際はニコンのほうが軽量だ。高価なレンズだがテレコンバーター内蔵と考えると他社と比べて高価と言うわけでも無い。
とのこと。
大口径望遠に内蔵テレコンバーターを搭載した珍しいレンズ。競合他社の400mm F2.8と同程度のサイズ・重量を実現しつつ、内蔵テレコンで柔軟性が大幅に向上する模様。いちいちレンズを取り外すことなく焦点距離を切り替えることが出来るのは確かに便利。パフォーマンスはマスターレンズ単体より低下するとしつつも、実写作例を確認する限りでは非常に良好な結果を維持しているように見えます。Camera Labsも「驚くほど低下がない」と高く評価しています。
改善点があるとすれば、Xitekが指摘しているようにFnリングの回転方向に応じたフォーカスプリセットの実装でしょうか?ソニーも同様ですが、キヤノン「RF400mm F2.8L IS USM」は二つのプリセットを記憶可能となっています。将来的にファームウェアアップデートでニコンも対応すると良いですねえ。
ニコンNIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S 最新情報まとめ
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