NOKTON 35mm F0.9 Asphericalは検討する価値もないレンズ

Lenstipがコシナ「NOKTON 35mm F0.9 Aspherical」のレビューを公開。非常に高価なレンズながら、光学性能はLAOWAのほうが優れていると言及。「価格を考慮すると検討する必要もない」と非常に辛口な評価となっています。

Lenstip：Voigtlander Nokton 35 mm f/0.9 Aspherical

外観：日本製。62mmフィルター対応。キャップとフードが付属。

構造：金属製マウント・鏡筒。電子接点付きでレンズ情報を記録可能。

携帯性：フォーカシングで全長が1cm伸びる。

操作性：1/3段刻みの絞りリングを搭載。

MF：フォーカスリングは滑らかに回転。ストロークは140度で正確な操作が可能。フォーカスブリージングは非常に目立つ。

手ぶれ補正：記載なし。

解像性能：
・中央：F0.9ではシャープと言えない。F1.0で実用的、F1.4で良好、F2.8-4でピークの82-83lpmmに達する。LAOWAはF2以降で84-85lpmm。
・端：F2までは弱く、F2.2で良像、F5.6のピークでも55lpmm。LAOWAはピークで65lpmmと遥かに優れている。
・LAOWAは1/3の価格だがより良好。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：玉ねぎボケが目立つ。口径食は2段絞っても改善しない。

軸上色収差：わずかな色づきのみ。

倍率色収差：心配する必要のない数値。

球面収差：F0.9からF1.4で顕著なフォーカスシフト。

歪曲収差：RAWでは-1.27％の樽型。

周辺減光：未補正で-2.10EV。大口径であることを考慮すると文句は言えない。

コマ収差：強めに残存。解像性能低下の原因。非点収差も強い。

逆光耐性：深刻な問題はないが、特別良好というわけでもない。

光条：記載なし。

作例集：

総評：APS-C用の大口径レンズを検討しているのであれば、このレンズと値札をわざわざ見る必要は無い。LAOWAをおススメする。話は以上だ。

競合について：LAOWAはより大きく重い。

備考：

とのこと。
国産APS-C用レンズとしては珍しいF0.9の大口径単焦点。大口径を実現しつつ、Xマウントに対応する電子接点を搭載することで、カメラ側へレンズ情報の伝達を可能としています。レンズ構成は「NOKTON」らしくダブルガウスタイプを採用し、前面には自社生産の研削非球面レンズを使用。販売価格は20万円超となり、APS-C用レンズでは非常に高価。貴重なF0.9レンズですが、どのような描写なのか気になるところ。

Lenstipのレビューは酷評となっている模様。解像性能は10万円未満の「LAOWA CF Argus 33mm F0.95 APO」より悪く、玉ねぎボケや口径食についても指摘。球面収差やコマ収差の補正も良くないとしています。ベースがダブルガウスであることを考慮すると予想の範囲内ですが、Lenstipは昔から数値的・光学性能、そしてコストパフォーマンスを重視するため、このようなレンズとは相性が悪かったのかもしれません。
（Lenstipは低性能でも評価する場合もあり、やはり今回は性能と価格のバランスが悪かったのが問題のように思えます）

サンプルを見る限りでは、近距離のボケが滑らかで綺麗。ただしピント面まで少し緩い描写となっているので好みが分かれそう。また、被写体との相性も含めて当たり外れの大きなレンズとなるかもしれません。この価格帯の大口径レンズは描写に一目ぼれしたら買いで良いと思いますが、サンプル・ユーザー投稿がまだまだ少ないレンズなので判断が難しいところ。

LenstipはLAOWAのレビューで逆光耐性や周辺減光などを指摘していましたが、手ごろな価格と絞った際の中央解像は高く評価しています。いっぽうで逆光耐性が本当にひどく、電子接点非搭載である点を指摘しており、NOKTONとLAOWAどちらも長所と短所があるようです。

コシナ Voigtlander NOKTON 35mm F0.9 Aspherical 最新情報まとめ

NOKTON 35mm F0.9 Aspherical X-mount
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