Dustin Abbottが「RF35mm F1.4 L VCM」のレビューを公開。未補正でかなり目立つ歪曲収差や周辺減光について指摘し、後ボケは騒がしく見える場合があると言及。ただし、非常にシャープなレンズで、AFは優れていると評価。
Dustin Abbott:Canon RF 35mm F1.4L VCM Review
- 外観:
・フィルター径は67mmと小さい。
・大きく深い花形フードが付属。ビルドクオリティは他のLシリーズと同じ。
・プラスチック製の外装。- 構造:
・防塵防滴とフッ素コーティング。
・リアフィルターホルダーに対応。- 携帯性:EF35mm F1.4 L IIから大幅な軽量化。
- 操作性:
・R1とR5 II以外は静止画の絞りリング操作に非対応。
・絞りリングのロックスイッチは片手での操作が難しい。
・絞りリング使用中は他の操作部による絞り操作を受け付けない。- AF:VCM駆動のため、非通電時はフォーカスレンズが固定されていない。AFに問題は全くない。動画撮影では滑らかで一貫した動作。フォーカスブリージングはソニーGMほど目立たない。
- MF:滑らかに回転するが、フォーカスの移動に一瞬の遅延が見られる。
- 手ぶれ補正:非搭載。
- 解像性能:F1.4で素晴らしい解像性能。フレーム端まで一貫して良好。F4-8で隅々までシャープ。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:F1.4で口径食が見られるものの、F2でかなり良くなる。後ボケは場合によって騒がしい。ボケ質はソニーGMのほうが好み。
- 軸上色収差:多少の色づきが発生するものの、大きな問題ではない。
- 倍率色収差:ごく僅か。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:未補正では非常に目立つ樽型。
- 周辺減光:未補正では非常に目立つ。補正が可能だが、ノイズが4段分悪化する。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:絞り開放でも絞ってもフレアが目に付くことがある。
- 光条:記載なし。
- 作例集:
- 総評:光学性能は賛否両論のあるものの、AFはあらゆる状況で優れている。
- 競合について:
- 備考:
キヤノンで初となるボイスコイルモーターを使用したAFを採用。さらにキヤノン製としては珍しい絞りリングを搭載した大口径の単焦点AFレンズ。絞りリングは動画でのみ使用可能(徐々に静止画でも使えるようになる模様)。販売価格は20万円超ですが、それでも一眼レフ用「EF35mm F1.4L II USM」より安い。
RFユーザーで35mm F1.4が必要であれば唯一無二の選択肢ですが、動画向けの機能が必要なければ、EFマウントの社外製「35mm F1.4 DG DN」「SP 35mm F/1.4 Di USD」などを検討するのも一つの手。
Dustin Abbottのレビューによると、絞り開放から全体的に良好な解像性能が得られる模様。ただし、歪曲収差は未補正で非常に大きく、クロップや引き延ばしによる修正が目立つようです。周辺減光も強く、補正時にノイズが増加する可能性があるとのこと。
他のウェブサイトで指摘しているパープルフリンジに関する言及はなし。ボケが騒がしい場合もあるとし、このあたりはレビューサイトによって評価がまちまち。作例を見る限り極端な影響はありませんが、ボケに多少の色づきはある模様。受け取り方は個人差があると思うので、実際に各所の作例を確認しておくことをおススメします。
キヤノン RF35mm F1.4 L VCM 最新情報まとめ
- 発売日:2024年7月12日
- 希望小売価格:オープン
- 直販価格:253,000円
- カメラのキタムラ初値:227,700円
レンズの仕様
- フォーマット:フルサイズ
- マウント:Canon RF
- 焦点距離:35mm
- 絞り値:F1.4-F16
- 絞り羽根:11枚 円形絞り
- レンズ構成:11群14枚
・UDレンズ 2枚
・非球面レンズ 2枚 - 最短撮影距離:0.28m
- 最大撮影倍率:0.18倍
- フィルター径:67mm
- サイズ:φ76.5×99.3mm
- 重量:555g
- 防塵防滴:対応
- AF:VCM / NanoUSM
- 手ぶれ補正:-
- コーティング
・ASC
・SSC
・フッ素コーティング - その他機能:
・絞りリング(動画撮影)
・フォーカスブリージングの抑制
・コントロールリング
・Fnボタン
・リアフィルターシステム
・AF/MFスイッチ
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