ePHOTOzineがソニー製コンパクトカメラ「ZV-1」のレビューを発信しています。まだまだ改良すべき点もありますが、動画の画質や機能に関してはケチのつけようが無いと高く評価しています。
動画に関して欠点を見つけるのが難しい
紹介
- ZV-1は売れ筋商品であるRX100シリーズをベースとしており、RX100 Vと同じセンサーとレンズを搭載している。イメージセンサーは1.0型 2000万画素積層型、レンズはZEISSブランドのVario-Sonner 光学2.7倍ズームレンズだ。光学手ぶれ補正を搭載し、F1.8-2.8の絞り開放F値を実現している。焦点距離は35mm判換算で24-70mmだ。
- 特有の新機能
・背景ボケ機能
・商品レビュー用設定
・顔に最適化したAE
・3カプセルマイク
・ウインドスクリーン付属- P/A/S/Mモードを実装しており、フルマニュアルでの操作が可能だ。これらはモードボタンを押して変更可能だ。他にもインテリジェントオートモードを搭載している。
- WiFi/Bluetoothを搭載しており、スマートフォンと接続して画像の転送が可能だ。
- Bluetooth接続によりワイヤレスでシューティンググリップ「GP-VPT2BT」からの操作が可能である。ケーブル接続の「VCT-SGR1」も使用可能だ。
- 1.7倍のオーバーサンプリング4K UHDを利用可能だ。これは各フレームに1400万画素のデータを使い、880万画素に圧縮してディテールを改善していることを意味する。
さらにS-Log2/S-Log3のガンマコントロールに対応したHDR動画を利用可能、3段分の内蔵NDも搭載している。- ハイフレームレートは960/1000fpsまで利用可能だ。フレームレートが高い程解像度が低くなる。
- カメラ前面のタリーランプで録画中であることを知ることが出来る。
操作性
- 重量やサイズを気にせず持ち歩けど程コンパクトなカメラだ。メモリーカードやバッテリーを含めて294gである。
- ウインドスクリーンを装着状態だと電源ボタンを見つけるのが少し難しい。
- 自撮りに最適化しており、カメラ前面にはゴムグリップを搭載している。
- C1ボタンは初期設定で後ボケ機能が登録されているが、カスタマイズ可能である。
- 外装はプラスチック製だがしっかりとした作りだ。内蔵フラッシュを搭載していないが、必要に応じてホットシューに外付けフラッシュやビデオライトを装着可能だ。
- LUMIX G100と比べるとコンパクトサイズが強みとなるが、レンズ交換をしたい場合はG100を選ぶと良いだろう。
- バリアングルモニタは晴れた屋外でもきちんと視認できるが、解像度や明るさ、そして発色はG100と比べて見劣りする。屋外モードでモニターを明るくすることが可能だが、その際は露出がオーバーになりそうな印象を受ける。
- バリアングルモニタはカメラ側面にモニタを展開することとなるが、幸いにもアクセサリーポートはカメラ右側に配置されている。
- メニューシステムはソニーでお馴染みのデザインだ。つまり設定や機能を変更するのにとても時間を取られてしまう可能性がある。α7S IIIでは新デザインを採用しており、タッチ操作にも対応している。
- バッテリーライフは260コマだが、自動モニターオフを2秒に設定すると410コマまで拡張する。コンパクトカメラとしては妥当なバッテリーライフだが、長時間の動画撮影では予備バッテリーを用意しておくと良いだろう。
パフォーマンス
- 露出を調整する機会もあったが、基本的に信頼できる。
- ダイナミックレンジは良好だ。DROやHDRなど、ダイナミックレンジを自動的に改善するための機能を備えている。
- 初期設定で暖色系の心地よい色再現だ。
- フレーム内で最も近い被写体にピントを合わせる傾向がある。等倍で確認するとピントを外していることがあるので注意が必要だ。
- 歪曲収差はカメラ内で自動補正されるので問題無い。
- 色収差は最小限で逆光時のフレアは最小限だ。
- F1.8-2.8と比較的明るいレンズを使用しているのでボケを得やすい。
- ISO80-800まで優れたノイズ性能を発揮する。さらにISO感度を上げるとノイズが目立つようになる。ISO1600~3200でディテールが低下するものの、許容範囲は個人差があると思う。
- オートホワイトバランスは蛍光灯下でも良好に動作し、プリセットを使うと僅かに色被りする。
- 動画機能は見事で本当にうまく機能する。ディテールがあり、クリアな4K画質を実現し、オーディオ品質も非常に良好だ。
開放F1.8の広角端を使えば暗所でも比較的良好に機能する。- 手ぶれ補正も良好で、G100と比べるとクロップ倍率は悪く無い。
- カメラのクオリティを考慮すると、三脚ネジ穴の位置やNTSC/PALの切替は目をつむることが出来る。
- 価格は699ポンドとVlog用カメラの中ではかなりお買い得だ。
ちょっとした癖やおかしな点は簡単に挙げることができる。NTSC/PALの切替が面倒(メディアを入れ替えるかフォーマットする必要がある・α7S IIIでは改善された)だったり、三脚ネジ穴とSDカードスロットが近いので装着中にメディアカードを入れ替えることが出来ない、などがある。
静止画ユーザーの場合は内蔵フラッシュが無いのが問題となることもあるだろう。しかし、動画機能について欠点を見つけるのは難しい。画質は良好で、低照度でも見栄えが良い。解像度は低くなるがハイフレームレートの撮影にも対応している。さらにオートフォーカスは信頼性が高く、優れた結果を生み出しやすい。
Vlog用のコンパクトカメラとしては、これまで見てきた中で最高だ。
長所:後ボケ機能はとてもうまく機能する・動画時の製品レビュー用設定はうまく機能する・動画における並外れた機能性・小型軽量・信頼性の高いAF・良好な色再現・優れたノイズ耐性・ウインドスクリーン付属
短所:三脚ネジ穴とバッテリースロットのドアが近すぎる・複雑なメニューシステム・NTSC/PALの切替が面倒・内蔵フラッシュが無い・モニタが暗くて屋外での視認できない場合がある・MicroUSB
とのこと。
RX100シリーズのパーツを流用しつつ、価格を抑えた手頃なVlogger向けカメラに仕上がっているみたいですね。個人的に換算24mm始まりのズームレンズは画角が少し狭いと感じるものの、大部分の状況で上手く機能するように見えます。
RX100 Vを以前に使って事がある身として言わせてもらうと、レンズのボケと逆光耐性はまずまず。ボケは場合によって非球面レンズの騒がしさが目立ち、特に斜めからの逆光時にフレアが出やすい印象。レンズコントロールリングが無いので、代わりにフィルターやフードを装着できるアダプターや機能が欲しかったなと感じるところ。
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