Lenstipがタムロン「SP 35mm F/1.8 Di VC USD」のレビューを掲載しています。
純正の「EF35mm F2 IS USM」や「AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED」よりも周辺画質や絞り開放の解像力が安定しているみたいですね。絞った時の周辺解像力は「EF35mm F1.4L II USM」ほどでは無いものの、それに近い性能を発揮するようです。
さらに普段はあまりボケについて評価をしないLenstipが「とてもナイスなアウトフォーカス」と述べています。実写は確かに柔らかく気持ちの良いボケ味ですね。
全体的に多くの長所を持つ本レンズですが、逆光耐性とAF速度を欠点としています。AFは近接性能を優先したフローティング方式を採用し、さらにピント距離が長いために仕方のないことかもしれません。
Lenstip
- 後玉は無限遠側にピントを合わせるとマウント部と同じレベルだが、近接側にピントを移動させると後玉は2センチほど鏡筒内へ移動する。
- このレンズは日本製だ。
- 29mm幅のリブ付きでゴム製のフォーカスリングは滑らかで均等に動作する。ピント距離全域は190°の回転角を持っている。マニュアルフォーカスでとても正確にピントを合わせることが可能だ。
- 特殊レンズは贅沢に使われており、出し惜しみはされていない。
- 付属品はキャップとフードのみ。ポーチやケースが付属していないのは残念だ。
- 手ぶれ補正の効果は実際に3段分だ。このカテゴリの手ぶれ補正としては評価に値する性能である。
- 絞り開放の中央解像性能はシンプルに素晴らしいものだ。テストした個体は39lpmmと高い数値に達している。これはSP45mmやAF-S35mm F1.8Gを上回り、さらにEF35mm F2 ISをやや上回る数値だ。
- 絞ると45lpmm近くに達するが、これはレコードを打ち破るほどの解像性能では無い。
- APS-Cフレームにおける解像性能は非常に良好だ。絞り開放でさえ我々が定める基準値を超え、絞ることでさらに良好な結果となる。これはEF35mm F2 ISよりも僅かに良好であり、AF-S 35mm F1.8Gよりも明らかに良好だ。さらに重要なことはシグマよりも良好だと言う事だ。
- フルフレームの隅における解像性能は少し絞るだけで実用的な画質となる。急速に周辺画質が立ち上がるのはタムロンの長所と言えるだろう。キヤノンやシグマで良像を得るためにはさらに絞る必要がある。
- フルフレームの隅における解像性能は全てのライバルに打ち勝つものであり、タムロンには拍手喝采だ。
- 軸上色収差は致命的な問題を抱えてはいないが、DXフォーマット機に装着した場合にはボケの色づきがもう少し目立つかもしれない。
- 倍率色収差の補正は極上だ。絞り開放ではほとんど視覚出来ない状態であり、絞ったとしても極僅かだ。
- 球面収差の深刻問題は発生していない。
- 歪曲収差の補正ではライバルを明らかに上回っている。例えば中一光学の35mm F2やより高価なAF-S 35mm F1.4Gの半分程度。さらにこのカテゴリでは最高性能だったシグマをも上回っている。これには再び拍手喝采だ。
- コマ収差はAPS-C/DXフレームであれば何の問題も無い。フルフレームは目立つようになるが、キヤノンやニコンよりも良好だ。しかし、シグマほどでは無い。
- 非点収差は4.6%と僅かな数値を示している。
- 周辺減光はAPS-C/DXフレームで問題はほとんど発生しない。
- 周辺減光はフルフレームで増加するものの、ライバルと比較して良好だ。ニコンはより悪く、キヤノンはさらに恐ろしい減光が発生する(タムロンよりも暗いレンズなのに)。さらにシグマよりも良好だ。このカテゴリではライバル全てに上回る結果を出している。
- 逆光耐性はこのレンズにおける残念なポイントの一つだ。
- オートフォーカスは静かだが高速では無い。ピント距離全域を移動するためには0.9?1.0秒ほど必要だ。しかしこれには訳がある。タムロンの接写性能の良さを思い出してほしい、その分ピント移動距離が増えているのだ。
- オートフォーカスの精度に関して深刻な問題は発生しなかった。シビアにチェックしても不満がでるような精度では無かった。
長所:しっかりとたスタイリッシュなデザインの鏡筒・簡易防滴・接写性能・非常に良好な中央画質・良好なAPS-Cフレームの画質・許容範囲のフルフレーム四隅の画質・中程度の軸上色収差・非常に低い倍率色収差・球面収差の問題が無い・非常に低歪曲・素晴らしいボケ・僅かな非点収差・ライバルよりも特に小さい周辺減光・静かで正確なAF・効果的な手ぶれ補正・5年保証
短所:逆光耐性・AFはもう少し早い方が良かった
このレンズは直接のライバルであるキヤノンよりも明るく、ニコンと比べて手ぶれ補正の優位性を持っている。さらに接写性能、高品質なレンズの造り、効果的な保証内容が付いてくる。
大きな問題はシグマの存在だ。少し高価だが、より明るく充実した付属品がある。さらに中央解像力はよりシャープだ。しかし、周辺の解像力や歪曲、周辺減光はタムロンが有利である。
35mmで注目されているのはタムロンやシグマだが、キヤノンやニコンの純正35mmが優れたAF性能を持っていることもセールスポイントとなるだろう。選択肢が豊富で面白い時代になったものだ。
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