Weiboにて「VILTROX AF 13mm F1.4 STM」のレビューが掲載。従来のVILTROX製レンズから飛躍的な進化を遂げ、良好な解像性能、色収差やコマ収差、歪曲収差なども抑えられている模様。
外観・構造:
- このレンズは以前のVILTROXレンズとは異なるものだ。
- APS-Cで13mmのレンズは35mm判換算で約20mmに相当する。16mmや18mmのレンズよりも画角が広く、超広角と呼べる焦点距離である。
- フィルター径はわずか67mmである。
- 国産(中国製)レンズを語るとき、ビルドクオリティは消極的だったが、VILTROXレンズの仕上がりや質感は良好だ。もちろん全体的な質感はシグマ「I」シリーズとはかけ離れている。ライカMレンズを比べるのも時期尚早だ。それでも3000元以下の価格設定や中国レンズメーカーであることを考慮すると嬉しい驚きである。
- USB-C経由でファームウェアアップデートに対応している。
携帯性:
- フルサイズの大口径20mmと比べて大きすぎず、理想的なサイズである。
- X-T4のようなカメラと組み合わせると丁度いいバランスだ。
操作性:
- これまでのVILTRIXレンズは無段階操作だったが、このレンズはクリック感のある操作性を実現している。
- ライカMユーザーに触ってもらったところ、絞りリングの感触は良好というフィードバックを得た。
フォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央はF1.4から良好でF2.8まで絞るとさらに改善する。F8以降で低下する。
- 建築物や風景写真でフレーム端まで最もバランスが取れているのはF5.6~F8だ。
- 低照度であればF2.8やF4でも十分に使える性能だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- よく見ると玉ねぎボケが発生している。これは非球面レンズが起因していると思われる。加工精度やコストを考慮するとソニーXA非球面レンズの精度を実現するのは難しいだろう。
色収差:
- パープルフリンジが発生しやすい環境でさえ、色収差が発生することは滅多にない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は極僅かだ。
周辺減光:
- F1.4の場合は隅が少し暗いが、一般的にこのような大口径レンズは影響を受けやすい。それに個人的には許容範囲内だ。
コマ収差:
- F1.4からF2ではフレーム隅の点光源が変形する。しかし、それほど深刻な影響ではない。
逆光耐性:
- 非常に強い光源がある場合はフレアが発生するものの、それほど目立たない。大部分のシーンでは問題とならないだろう。
- ゴーストは発生するが、アクセントとして使えると思う(もちろん気に入らない人もいると思うが)。
- 絞ると光条が発生する。個人的な見解として、F5.6以降で目立つようになる。シャープネスとバランスを取るのであればF5.6~F8を使うと良いだろう。
総評
VILTROXはAF 13mm F1.4 STMで飛躍的に進化したと思う。シャープネスは従来品よりも向上しており、パープルフリンジはほとんどない。歪曲収差も最小限に抑えられ、ボケは超広角レンズとしては良好な水準だと思う。現時点で国産のAFレンズとしては最高峰と言っても過言では無い。コストパフォーマンスが良いだけではなく、飛躍的に向上し、妥協は見られない。価値のあるレンズだと思う。
重要なのは13mm F1.4で何を撮りたいかということだ。なぜなら、富士フイルム、シグマ、ソニーをはじめ、他のメーカーから同様のAPS-C用レンズはリリースされていない。建築物や風景用なのか?メディア関係者としては「YES」と答えるべきだが、フォトグラファーとしてはいかなるルールにも縛られたくない。他に何が撮れるのかサンプルギャラリーを確認して欲しい。
(訳注:リンク先で直接確認してください)サンプルギャラリー内のコメント
- ポートレートで一般的な50-135mmとは異なり、換算20mmのこのレンズは画角がとても広い。人物の背景までより多くの情報を捉えることが出来る。F1.4の開放F値を使うことである程度のボケも得られるため、ストーリー性を得ることが可能だ。
- フレーム端まで良好なパフォーマンスであり、躊躇なく人物の顔を配置することができる。
- X-T4との組み合わせで瞳AFが動作し、撮影は非常にスムーズだった。
- 最短撮影距離が0.22mのため、人物をクローズアップすることが可能だ。同時に浅い被写界深度を得ることも出来る。
- パースを強調することで、視覚的にインパクトがあるポートレートの撮影が可能だ。
- 元気な子供を撮影する際はAF-Cがそれほど安定しなかった。これは富士フイルムのAFアルゴリズムに起因しているところもあると思う。ソニーEマウント版が無いので、これがボディの問題なのか結論付けることが出来ない。
- 明るい超広角レンズなので、絞り開放でシャッタースピードを上げるシーンでも十分な被写界深度を得ることが出来る。
- 最短撮影距離が短いので小さな被写体を撮影するのにも適している。ボケ質は中望遠レンズほどではないが、大きなボケを得ることが可能だ。
とのこと。
しっかりとレビューされており、作例多めで参考になると思います。
APS-C用レンズとしては珍しいF1.4の大口径を採用した超広角単焦点ですね。これまでのVILTROX用APS-Cレンズは非球面レンズを使用していませんでしたが、この13mm F1.4では高屈折レンズ、EDガラス、非球面レンズなど、多数の特殊レンズを使用している模様。Weiboの作例を確認した限りではF1.4から全体的に実用的な光学性能ですね。特に色収差がかなり良好に抑えられているように見えます。逆光耐性は完璧と言えないものの、従来のVILTROXと比べるとフレアが少ないかもしれません。非球面レンズの研磨状態も完璧とは言えないようですが、超広角レンズで玉ボケが目立つシーンは少ないと思われます。コマ収差の補正状態は今回の作例だけでは判断が付きませんね。
いずれにしてもAPS-Cでは貴重な大口径の超広角レンズであり、これまでにない面白い結果を得ることができるかもしれません。価格は2500元と従来品よりも高価ですが、それでも日本ブランド・Zeissなどと比べると手ごろな価格に抑えられています。いつも通りであればPERGEARかAmazonあたりで日本国内での取り扱いが始まるはず。
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