Dustin Abbottが「VILTROX AF 56mm F1.2 Pro」のレビューを公開。絞り開放から優れた解像性能を発揮し、ボケ質はシグマよりも良好と評価。ビルドクオリティやAF性能を含めてソニーAPS-C Eで最良の一本とのこと。
Dustin Abbott:Viltrox Pro AF 56mm F1.2 E Review
- 外観:Proシリーズらしく、高品質で美しい外観。右上の「Viltrox」バッジと反対側の「Pro」バッジの配置バランスが良い。鏡筒の質感も高く、APS-CレンズとしてはソニーGM並みの造りと機能を備える。サイズと重量にはやや不満があるものの、全体的な仕上がりは非常に優れている。
- フード:付属のプラスチック製花形フードは27mmや75mmモデルよりも幅が狭く、収納性が向上。以前よりもマウント装着時のクリック感が改善され、精密なカチッとした感触になった。
- 構造:防塵防滴構造を採用。インナーフォーカス方式で可動部分が少なく、埃の侵入を防ぐ。前面にはHDナノ多層コーティングが施され、水や指紋への耐性を高めている。フロントフィルター径は67mm。USB-Cポートをマウント部に搭載し、直接ファームウェアアップデートが可能。
- 携帯性:27mm F1.2とほぼ同じサイズで、75mm F1.2よりやや小さい。直径約7.8cm、長さ約9.2cm、重量は570gとシリーズ中で最軽量。堅牢な構造に見合うサイズ感である。
- 操作性:鏡筒左側にAF/MFスイッチとカスタムFnボタン。スイッチの操作感は良好で、ボタン機能はカメラメニューで自由に割り当て可能。ソニー版にはクリック/デクリック切替スイッチがあり、デクリック時にはスムーズな絞り操作が可能。クリックモードでは1/3段ごとにクリック感があり、F16とA位置の間には適度な抵抗。クリック感はやや軽めで、もう少し重い方が安心感が増す。
- AF:HyperVCMフォーカスモーターを採用、高速かつ静粛なオートフォーカスを実現。APS-Cレンズとしては非常に優れたAF体験。ソニー版ではほぼ瞬時に被写体へ合焦し、精度も高い。富士フイルム版は良好だが、まれにピントのズレが見られる。F1.2開放でも屋内外問わず安定した速度を維持し、動作音はほぼ無音。耳を近づけるとわずかに低い音が聞こえる程度。
- MF:金属製リブ付きのフォーカスリングは滑らかで減衰特性も良い。非常に自然な操作感で、精密なピント合わせが容易。フォーカスブリージングはよく抑えられており、絞り開放でも画面サイズ変化が最小限に留まる。
- マクロ:最短撮影距離は50cm、最大倍率は0.13倍とこのクラスとしては良好。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:F1.2でも中心から隅まで高い解像度を保ち、非点収差が少なくディテールが際立つ。F1.4〜F2でコントラストが上がり、F4でフレーム全域がほぼ完璧。F1.2からF5.6までの画質変化は主にコントラスト向上によるもので、F1.2としては極めて優秀な描写性能。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:11枚羽根の円形絞りにより、絞り込んでも円形を保つ。撮影距離が長いと周辺部でレモン型の玉ボケが見られるが、F2で完全な円形。背景ボケは柔らかく自然で、縁どりや色づきが少ない。中距離では軽い渦巻きボケが現れるが、好ましい効果と感じられる。シグマ56mm F1.4よりもボケ描写が大幅に優れている。
- 軸上色収差:ほとんど見られず、ピント前後は非常にクリーン。
- 倍率色収差:良好に抑制され、白黒の境界部分でも偽色はほとんど発生しない。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:歪みはほぼゼロ。
- 周辺減光:F1.2でわずかな減光が見られるが、実写ではほとんど問題にならない。空など均一な背景でのみ軽微に確認できる程度。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:開放では軽いフレアと光筋が見られるが、全体として許容範囲。F11ではフレアが抑えられる一方、ゴーストがやや増加する。太陽をフレーム外に置くとわずかな反射が出るが、芸術的効果の範囲であり、致命的な問題はない。
- 光条:記載なし。
- 作例集:多数掲載。
- 総評:Proシリーズの中でも特に完成度が高く、HyperVCMモーターの採用で性能がさらに向上。外観と造りの良さ、優れた光学性能、高速で正確なAFを兼ね備える。ソニーAPS-C用中望遠レンズとして最良の一本。価格は580ドルと高めだが、同等の富士フイルム製よりも半額程度であり、AF性能も優れる。Viltroxが「少ないコストで多くを提供する」ブランドであることを象徴するレンズ。
- 競合について:
- 備考:
VILTROX3本目となるAPS-C F1.2 Proシリーズレンズ。
今回は35mm判換算で約85mmに相当する中望遠の単焦点。過去2本のProシリーズレンズはステッピングモーター(STM)を使用していましたが、今回はボイスコイルモーター(VCM)を採用。STMより高速で滑らかなAFが期待できます。販売価格は他のF1.2 Proと同程度で、従来通りの金属鏡筒と防塵防滴のプロ仕様。
Dustin Abbottのレビューでは、他のレビューと同じくF1.2の絞り開放から隅々までシャープな結果が得られるようです。絞って改善するのはコントラストくらいで、F1.2から快適に利用できるレンズとのこと。ボケは撮影距離に関わらず滑らかで綺麗な描写。作例を見ると、撮影距離によって口径食が目立つものの、気になるのはそれくらい。ビルドクオリティや操作性も良好で、全体的に完成度の高いレンズに仕上がっている模様。
VILTROX AF 56mm F1.2 Pro 最新情報まとめ
| VILTROX AF 56mm F1.2 Pro | |||
| 楽天市場 |
Amazon | キタムラ |
|
レンズの仕様
| レンズマウント | E / X |
| 対応センサー | APS-C |
| 焦点距離 | 56mm |
| レンズ構成 | 8群13枚 |
| 開放絞り | F1.2 |
| 最小絞り | F16 |
| 絞り羽根 | 11枚 |
| 最短撮影距離 | 0.5m |
| 最大撮影倍率 | 不明 |
| フィルター径 | 67mm |
| 手振れ補正 | - |
| テレコン | - |
| コーティング | 不明 |
| サイズ | Φ78.4mm×92mm |
| 重量 | 約575g |
| 防塵防滴 | 対応 |
| AF | VCM |
| 絞りリング | 搭載 クリック切替対応 |
| その他のコントロール | AFMF AFLボタン |
| 付属品 | レンズキャップ レンズリアキャップ レンズフ-ド 収納袋 |
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