FUJIFILM 海外の評価

富士フイルム X-H2Sはライバル不在の高性能APS-Cモデル

DPReviewが富士フイルム「X-H2S」のレビューを公開。AFシステムに改善の余地を残しているものの、優れたハイブリッドカメラとして「金賞」を獲得したようですね。

DPReview:Fujifilm X-H2S review

Xシリーズの最高級機として、スポーツや野生動物を高速で撮影できる、静止画と動画の両方に対応したカメラだ。キヤノンやニコンが製造していたハイエンドAPS-Cデジタル一眼レフのミラーレス版と言ったところだが、撮影速度は何倍も速く、高品質の4K動画撮影でも説得力を発揮する。

Xシステムとして、大部分の点で新たなスタンダードを確立した。AFが大幅に改善され、バッファが深くなったことで、より高速な撮影が可能になり、動画出力はすでにとても優れたX-T4から多くの点で進化している。

X-H2Sの静止画撮影では、オートフォーカスの性能が重要なポイントになる。しかし、40コマ/秒で複雑な動きにも対応できるAFシステムは見劣りするとこがある。また、被写体認識モードは被写体が撮影しやすいポーズをとっていないと、ピントが合わないことがある。しかし、この落とし穴を理解し、少しチューニングすることで、プロ機並みの20fpsや30fpsでの撮影でも、非常に高い成功率を達成することができた。

動画についても同様で、競合製品に比べれば数段劣るものの、ほぼすべての機能が非常によくできている。例えば、動画AFはキヤノンやソニーほどシンプルでパワフルではなく、手ぶれ補正はパナソニックやOMDSレベルではないが、どちらの点でも遠く離れた性能ではない。総合的な性能と美しい映像は、パナソニックのGH6やソニーのα7S III/FX3などと競合するものであり、どちらにも負けていないことを意味している。

より一般的には、富士フイルムがXマウントカメラの最初の10年間で築き上げた画像処理オプション一式に加え、高度なカスタマイズ、テザー撮影オプション、アンチフリッカーモードなど、優れたオールラウンダーとなっている。Xシリーズのユーザーの中には、専用の露出ダイヤルからコマンドダイヤル式へ移行したことに失望した人もいるだろうが、これは他のすべてのブランド(最近のGFXカメラも)で何十年も前から主流となっている方法だ。ハイスピードモデルやハイブリッドカメラでは、うまく機能する。

これだけの性能には対価が必要だ。支払う価値のあるプレミアムなカメラであるかどうかは、カメラのパフォーマンス向上がどのていど撮影に必要であるか、あるいは恩恵を受けることができるかによって決まる。X-H2Sは静止画と動画のハイブリッドモデルだが、その性能は十分に高く、高速の静止画や動画しか使わない場合でも、十分な選択肢になると思う。

  • 長所
    ・幅広く、優れた画質のJPEG
    ・快適なグリップと操作性
    ・深いバッファと40fps連写
    ・改善したAFシステム
    ・ローリングシャッターが最小限
    ・幅広い動画仕様
    ・F-Log2
    ・バッテリーライフ
    ・長時間の連続動画撮影
    ・追加の空冷ファンに対応
    ・コマンドダイヤルを主体とした操作
    ・ブーストISの効果的な補正能力
  • 短所
    ・C-AFと40fpsの組み合わせで苦戦する
    ・被写体検出の検出能力
    ・一般的な動画時の追従AFがない
    ・AFシステムは微調整が必要
    ・カスタム設定の自由度
    ・動画IS
    ・露出ダイヤルが無い

総評

X-H2Sは、富士フイルムのXシリーズの中で最も野心的なカメラであり、最も適応力のあるカメラの1つだ。そのAFシステムは、最高速の連続撮影速度には必ずしもマッチしないが、少しチューニングすることで見事な成功率を実現することができる。動画も素晴らしく、より高価なカメラに匹敵する機能と性能を備えている。決して安くはないが、この価格でこの性能に匹敵する選択肢はほとんどない。

競合モデル

  • キヤノンの7DやニコンのD300やD500の精神的な後継機として、X-H2Sに直接対抗する機種はほとんどない。おそらくOM SYSTEM OM-1が最も匹敵すると思われる。価格は、より低性能なフルサイズカメラや、パナソニック LUMIX GH6のように特殊なカメラと競合する。
  • OM SYSTEM OM-1は、撮影速度が速く、より小さなレンズとカメラの組み合わせが可能で、特に長焦点撮影や自然撮影に適している。被写体認識は非常に優れているが、一般的なトラッキングはやや劣る。その一方、X-H2Sの一般的なトラッキングは非常に優れており、認識モードはやや信頼性に欠ける。OM-1は手ぶれ補正に優れているが、X-H2Sの動画はより多くのコントロールとオプションを提供し、より良い映像を撮影することが可能だ。完全な「勝者」を選ぶのは難しいが、画質面ではX-H2Sが優位であり、おそらくより安定したオールラウンダーであると思う。
  • フルサイズのソニー α7 IVやキヤノン EOS R6に対しては、X-H2Sは画質面で不利となる(ただし、Xマウントには優れた大口径レンズがあり、このギャップを最小限に抑えることができる)。オートフォーカスも、2つのフルサイズカメラほど簡単には操作できない。少し調整すれば、富士フイルムは非常にうまくピントを合わせることができ、最大40fpsで撮影することができる(ただし、20fpsと30fpsではより信頼性が高い)ので、スポーツ、アクション、野生動物の撮影にはより適している。
  • X-H2Sの動画は、パナソニックのLUMIX GH6と競合している。パナソニックは、波形モニターや内蔵ファンなどの機能を搭載しており、X-H2Sの追加ファンでもかなわない確かな性能を備えている。また、GH6の手ぶれ補正は、カメラを動かすことを想定した場合、よりスムーズだ。X-H2Sのオートフォーカスは(適切なレンズで)より信頼性が高く、低光量画質に関してはセンサーサイズの優位性を持っている。多くの場面でX-H2Sの映像は間違いなく優れており、スチルも撮影するのであれば、より優れたハイブリッドカメラであることは間違いないだろう。

とのこと。
APS-Cミラーレスとしては初めて積層型CMOSセンサーを導入し、同時に次世代メモリーカードであるCFexpressを採用して高速連写と高速バッファクリアにも対応した最高級のXシリーズカメラ。新型プロセッサを使用した新しいAFシステムでは富士フイルムで初めて被写体検出AFに対応しています。検出精度は十分と言えないものの、富士フイルムではお馴染みの改善ファームウェアで精度が向上すると良いですねえ。

X-S10と同じく、従来の富士フイルム機とは異なりISOやシャッタースピードなど専用の露出ダイヤルがありません。その代わりにモードダイヤルを搭載した一般的なカメラデザインとなっています。対応するカスタムモードの機能が完璧とは言えないようですが、露出ダイヤル搭載モデルと比べると、素早い設定変更などに対応可能であり、よりスポーツ・野生動物向けのカメラと言えそうです。

これからシステムを構築する人にとってOM SYSTEM OM-1は悩ましい存在ですね。手ぶれ補正や連写速度はより良好で、レンズラインアップはXシステムよりも豊富。さらに被写体検出の精度はOM-1のほうが良好となっているようです。このあたりはX-H2Sもファームウェアによる改善を期待したいところ。また、X-H2は画質面で優れたパフォーマンスを発揮し、幅広く豊かなJPEGカラーも強みになるのではと考えています。OM-1のJPEGは基本的な画質こそ改善しているものの、プリセットのバリエーションはほとんど未着手の状態。

あとは近日登場と噂されているX-H2とどのように区別されているのかでしょうか。積層型のX-H2Sほど高速では無いものの、プロセッサ(X Processor 5)を共有しているので、同じようなAFシステム、撮影システムのカメラになっていると思われます。とは言え、積層型CMOSセンサーに近いパフォーマンスを発揮出来るのか気になるところ。

富士フイルム X-H2S 最新情報まとめ

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