Lesnumeriquesが富士フイルム「X-T5」のレビューを公開。ファインダーの解像度など一部の欠点を指摘しつつも、小型軽量でパワフルなカメラであり、フルサイズに目移りすることはほとんどないと言及しています。
Lesnumeriques:Test Fujifilm X-T5 : compacité, réactivité, définition ; le bon compromis
ビルド・外観:
- X-H2やX-H2Sなど一部のモデルは、GFX 100Sなどの中判カメラのデザインに近い、シャープなラインだ。
- 一方でX-T5は、これまで物足りなさを感じていた物理ダイヤル愛好家向けのカメラである。
- レスポンスの良さではX-H2と瓜二つだ。両機種とも、プロセッサーとセンサーの組み合わせは同じである。
- 実際、起動時間の点で両者は同等で、どちらも1秒に迫る起動速度だ。
バッテリー:
- 記載なし。
インターフェース:
- デュアルカードスロットはSD UHS-IIのみに対応。これでも十分だが、少し速いスピードで連続撮影し、ファイルサイズが大きくなると、記録されるまでに待たされる。
- 以下のアクセサリに対応している。
3.5mmマイク端子
2.5mmリモコン
フラッシュシンクロ
UBS-C (USB3.2 Gen 2x1)
マイクロHMDI(タイプD)
アクセサリーシュー- ヘッドホン端子がないため、動画撮影者はまたもや蚊帳の外だ。これを補うために、USB-Cからマイクロジャックへの変換アダプターを同梱している。ただしUSB給電を利用できなくなる。
携帯性:
- X-T5(129.5×91×63.8mm、557g)は、X-T4より小型・軽量化されている。
- やや重厚感のあるX-H2やH2Sの後では、かなり持ち心地がいい。
グリップ:
- X-H2よりも小型軽量なカメラだが、それでも比較的深いグリップを実現。
- XF33mm F1.4 R LM WRのような比較的コンパクトなレンズは、全体のバランスをよくしてくれる。
- ただし、大きなレンズの場合は注意が必要だ。
操作性:
- X-Tシリーズの伝統を受け継ぎ、X-T5でもISOダイヤルとSSダイヤル、露出補正ダイヤルを搭載。
- 富士フイルムのこだわりで、絞りはレンズ側で操作するが、一部のレンズはカメラ操作となる。
- X-H2、GFX 100S、50S IIに搭載されているラバーカバーのパッドではなく、硬質プラスチックのミニジョイスティックを採用している。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 電子ビューファインダーの解像度は369万ドットだ。
- 0.8倍の倍率はX-T4よりも優れているが、X-H2の576万ドットの解像度には及ばない。
モニター:
- 最新のカメラにバリアングルモニタを搭載し続けていると思った矢先、X-T5は一歩後退した。
- X-T3の3軸チルトを継承しており、撮影時にダイレクトなフィードバックを得たい方にとっては、あまり実用的とは言えない。
- メーカーはこの選択を、省スペースとターゲットがフォトグラファー向けであることを理由としている。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- 日中においては非常に高速だ。
- しかし、X-T5のオートフォーカスはX-H2の2倍も遅い。これは、テストに使ったレンズ(X-T5ではXF23mm F1.4 R LM WR、X-H2ではXF16-55mm F2.8 R LM WR)のせいだろうか。それとも、ソフトウェアがまだ洗練されていないことが原因なのか?
- いずれにせよ、フォーカシングはかなり効果的で高速であることに変わりはない。
- 夜間はX-H2のほうが若干速いが、それでもわずかな差だ。
- X-H2と同様、AFの追従性はかなり良好だ。ただし、スポーツモデル(X-H2S)よりも性能が低下し、時々不安定となる。
- ソニーとキヤノンの理想的なAFアルゴリズムを、富士フイルムはまだ実現できていないように見える。
- 被写体追従は、時々、少し不可解に前後へ飛んだり、存在しない顔を認識したりすることがある。
連写性能:
- X-H2と一致している。
- メカニカルシャッターモードでは15fpsまで、電子シャッターでは少し劣る13.3fpsだ。
- 電子シャッターは1.29倍のクロップで、20fpsまで上げることが可能だ。
- どの設定でもAFの追従性は維持される。
- 連続撮影時はカメラのバッファメモリがすぐに限界に達する。JPEG+RAWでは20枚強までだ。CFexpress Type Bカードの必要を感じる。
- 電子シャッターは1/180,000秒、メカシャッターは1/8000秒の高速シャッターに対応。
- 1/8000秒を超えると自動的に2つのシャッターが切り替わる設定があり、これはかなり便利だ。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- 初期設定の感度範囲はISO125?12,800で、ISO64?51,200まで拡張可能だ。
- X-H2と同じく、ノイズはよく抑えられている。
- ノイズの発生はISO1600からで、ISO3200から本格的に劣化し始める。
- ISO 6400の画質に価値を見出せるのであれば、ISO12800が上限と感じるはずだ。
- さらに高い数値は劣化しすぎとなる。
- EOS R7よりも良好だが、フルサイズのZ 7IIほどではない。
ダイナミックレンジ:
- シャドウ側は-3EVからノイズが目立ち、それ以上ではより顕著となる。
- ハイライトを正しく補正できるのは、+1.6EVまでだ。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 主にフォトグラファー向けであることを強調しており、確かにApple ProRes HQ 4:2:2や8K 30p 10bitなどは利用できない。しかし、6.2K 30p 4:2:2 10bitで内部収録が可能だ。これは多くのビデオグラファーにとって満足のいくものとなる。
- さらにmicro HDMI出力により、Apple ProRes Raw 12bitも利用できる。ただし、この6.2Kフォーマットはセンサー全幅ではなく、1.23倍のトリミングが必須となる点に注意が必要だ。
- 6.2Kからリサンプリングした4K HQも、同様のクロップが適用される。
- 通常の4K 60pでも、1.14倍のクロップでやりくりする必要がある。
- 全幅の撮影は通常の4K 30p、あるいはFullHDに切り替える必要がある。
- 3種類のログとHLGフォーマットが用意されているのは、エディターにとって嬉しい限りだ。
- X-H2SやX-H2と同様、最高峰に匹敵する、実に素晴らしい動画画質だ。
- オートフォーカスの追従性は正確で効果的だ。
- 6.2Kで90分連続撮影しても、オーバーヒートの心配はない。ファンなしでも十分だ。
- ローリングシャッター効果は、かなり顕著と予想したが、最も厳しいフォーマットでも、顕著なクロップがあるので、かなり抑えることができる。
総評
X-H2と富士フイルムの伝統的なデザインを融合させたカメラだ。ファインダーがもっと鮮明で、AFの追従性が高ければ、ずば抜けたカメラになったことだろう。しかし、コンパクトでパワフルなこのカメラを持てば、フルサイズミラーレスを羨ましく思うことはほとんどないはずだ。
- 長所:
・ビルドクオリティ
・エルゴノミクス
・防塵防滴
・ボディ内手ぶれ補正
・全体的な応答性
・静止画/動画で被写体検出に対応
・高解像ショット
・完璧な動画機能
・USB充電・給電に対応- 短所:
・AF追従が不安定な時がある
・AFエリアの管理が限定的
・ハイライトのダイナミックレンジ
・ローリングシャッター効果が顕著
・従来のメニューシステム
とのこと。
X-H2と同じ4000万画素のAPS-C X-Trans CMOSセンサーとX-Processor 5を搭載した最新のX-Tシリーズカメラですね。X-T4よりも静止画よりとなり、背面モニタはバリアングルから3Wayチルトモニタに回帰。X-H2のモードダイヤルは継承せず、従来通りの物理ダイヤルを主とした操作性を採用しています。AFや高ISO感度性能はX-H2とよく似ているものの、連続撮影時はCFexpressに対応するX-H2よりもバッファクリアが長くなる模様。確かに4000万画素のRAWを扱うのにSD UHS-IIの転送速度が力不足と感じるかもしれません。
同社でさらに強力なパフォーマンスを備えたX-H2が僅かな価格差で購入可能となっているのが悩ましいところ。より高性能な連続撮影や動画機能、操作性を重視するのであればX-H2のほうが適した選択肢となるかもしれません。逆に携帯性を重視し、連続撮影もしないのであれば、価格差などを考慮してもX-T5のほうが適していると言えそうです。
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