DPReviewがツアイス「ZX1」のレビューを公開。Adobe Lightroomを搭載し、直接SNSへアップロードできる面白いカメラですが、様々な観点から「考えていたほどゲームチェンジャーとなるカメラではない」と言及しています。
ツァイスZX1のように、「おおっ」「こんなカメラがあったのか」と多くの反響を呼んだカメラをレビューするのは久しぶりだ。それは、外観のデザインが、ある種の矛盾したミニモノリスに似ていて、人々の想像力を純粋にかき立てるからかもしれない。ゴム製のグリップに手をかけ、重さを感じ、背面の画面の大きさを自分の目で確認したとき、すぐに「これはいいカメラだ」と感じると思う。
そして、Zeiss ZX1は良いカメラだ。この価格帯では、そうあるべきだと思っている。大衆向けのカメラとは程遠いし、長時間の使用後、ブランド資料にある「Stay in your flow」というキャッチフレーズの意味合いにもかかわらず、いいカメラ以上のものであるとは完全には確信できない。
ZX1には、高品質なコンテンツを1台のデバイスで素早く簡単に撮影・編集・共有したいと考えている人にとって魅力的な機能が備わっている。顔検出オートフォーカスやディテールのある4K動画、そしてもちろん、業界で最も人気のあるソフトウェアを使用した堅実なカメラ内RAW現像を搭載している。
しかし、これらの機能には本質的な限界があり、その使用を妨げる。「撮影、編集、共有」における流れのどの部分であっても気が散ってしまう。AFシステムは不便で信頼性に欠けることがあり、4K動画はローリングシャッターが目立ち、かなりのトリミングが必要だ。また、Lightroomとの統合は、時折反応の悪いインターフェースと長い出力時間があり、私(そしておそらくツァイス)が考えていたようなゲームチェンジャーにはならなかった。
ZX1は何よりもまず、高性能でプレミアムなトラベルカメラと考えるのが一番かもしれない。その意味では、裕福なトラベラー、レンズ固定式のコンパクトカメラで最高の静止画品質を求めている人、あるいは何よりもシンプルな撮影体験を重視する人にとって、ZX1は意味のあるカメラと言える。
それ以外の人は?ZX1は6,000ドルという価格設定だ。6,000ドルもあれば、他にもたくさんのカメラ機材や、編集や共有に使うスマートフォンやパソコンが買えてしまう。しかし、私はZX1の存在をうれしく思っている。他のメーカーとは違うことをやっているというのは、とても新鮮なことだ。その結果として生まれたZX1は、何十年にも渡り培ってきたエルゴノミクスに基づいて設計されたものではなく、ユーザーの声を反映して洗練されたデザインになるとは思えない。しかし、ZX1は印象的なデザインに仕上がっている。印象的なのだ。
だから「ZX1は誰もが急いで買うべきレンズ固定式コンパクトカメラだ」と全面的に勧めることはできないが、適切な人にとっては、優れた画質と独特のユーザーエクスペリエンスで喜びをもたらしてくれることだろう。独自性とは、結局のところ、人によって値段が違うということだ。長所
- 心地よいボケ描写と信じられないほどのシャープさを兼ね備えたレンズ
- 3740万画素のセンサー画質
- 見事なデザインとビルドクオリティ
- 大きく明るい高解像ディスプレイ
- 良好なバッテリーライフ
- ディテールのある4K
- 最大1/1000秒の同調速度に対応
- サブスクリプション無しでAdobe Lightroomを使用可能
- USB-C経由の高速転送と充電
短所
- 一貫性のないUX(特にシェアのためにアカウントログインする場合)
- RAWは高感度ISOで競合他社よりもノイズ多め
- オートホワイトバランスが不安定
- 動作が時折重くなる
- 使いにくいレンズのコントロールリング
- タッチ操作でのみ利用可能な露出補正
- 信頼性が低く、面倒なインターフェースのAFシステム
- RAWの処理や現像に時間がかかる
- メカニカルシャッターが1/1000秒まで
- 電子シャッターが1/2000秒まで
- 高価
とのこと。
外観・使い勝手が独特で面白そうですが、なかなかに癖の強いカメラに仕上がっているみたいですね。操作性はともかく、動作が重くなるのはイラっとするかもしれません。SNSへ写真を投稿する際も合理化した手順では無い模様。インターフェースで言えば、つい最近発表されたYONGNUO「YN455」のほうがスマホライクな使い勝手で馴染みやすいかもしれませんね。
搭載しているセンサーは少し古めの3600万画素センサーに類似するモデルでしょうか?最新カメラの高感度ISO性能ほどではありませんが、まずまず良好なパフォーマンスを備えているように見えます。35mm F2レンズの光学性能は良好で、絞り開放から良好な解像性能とボケ味ですね。色収差も少ない。
さらに厄介なのは入手性と価格設定で、今のところ国内の販売店から購入することはできません。AdoramaやB&Hなど海外の大手販売店を利用する必要があります。当然、購入後のサポートも英語などでのやりとりが必須となるはず。
それらを考慮すると、同価格帯で入手できる「LEICA Q2」のほうが万人向けと言えるかもしれません。
購入早見表
今のところアメリカとドイツの一部店舗でのみ販売
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