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キヤノンEOS R3の裏面照射積層型CMOSセンサーは「自社開発・製造」

先日、正式発表されたキヤノンEOS Rシリーズのハイエンドモデル「EOS R3」について「自社開発だけど自社製造ではない?」と言った憶測記事が流れているので情報をまとめてみました。

国内のプレスリリース

PRETIME:撮影領域を拡大するフルサイズミラーレスカメラ“EOS R3”を発売 最高約30コマ/秒の高速連写と高画質・高信頼性を実現(一部抜粋)

■?新開発のCMOSセンサーや、映像エンジン「DIGIC X」が実現する高速・高画質
新開発の有効画素数約2410万画素(※3)のフルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーと、映像エンジン「DIGIC X」により、電子シャッター撮影時において、AF/AE 追従で最高約30コマ/秒の高速連写と高画質を両立しています。電子シャッターによる像の歪みを大幅に抑制するとともに、静止画撮影時に常用ISO102400の高感度を実現し、夜間や室内などの暗いシーンでもノイズを抑えた動体撮影が可能です。

確かに「新開発」と記載されていますが、「自社製造」とは謳っていませんね。
過去のEOS Rシリーズに搭載しているセンサーは「自社開発・製造」をしっかりと明記しています。例えば以下の通り。

EOS R5

自社開発・自社生産の35mmフルサイズ約4500万画素CMOSセンサー(画面サイズ:約36.0×24.0mm)を搭載。被写体のディテールまで鮮鋭に描写し、高画素ながらも、常用ISO感度(静止画)は最高51200という高感度撮影を達成しました。また偽色・モアレを軽減するローパスフィルターは、超音波振動する複屈折水晶と、赤外吸収ガラスの独立した2枚の板材で構成。フルサイズセンサーならではの、幅広いダイナミックレンジも魅力。ハイライトからシャドーまで、滑らかな階調表現が可能です。

EOS R6

CMOSセンサー、映像エンジン、レンズ。この3つの要素が三位一体となることで、EOSの高画質は実現されています。EOS Rシステムにより、三位一体の連携は高次元で結実。EOS R6でもその真価を発揮しています。キヤノンが長年にわたり自社開発、自社生産を続けてきた35mmフルサイズCMOSセンサー(画面サイズ:約35.9×23.9mm)には、EOSのフラッグシップEOS-1D X Mark IIIのCMOSセンサーをEOS R6用にカスタマイズ。約2010万画素、常用ISO感度(静止画)は最高102400、電子シャッター使用時最高約20コマ/秒の高速連写※、デュアルピクセルCMOS AF II、4K/60P動画撮影などを実現しています。またハイライトからシャドー部まで滑らかに描く、広いダイナミックレンジも魅力です。大きなボケ味、広角レンズによるダイナミックなパースペクティブもフルサイズならでは。幅広い映像表現を可能にします。

EOS R

高画素と高感度・低ノイズ化を両立した、自社開発・自社生産の約3030万画素、35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載。RFレンズに対応した光学設計の最適化を図り、高い解像力を発揮。またフルサイズという大型センサーが、RFレンズの美しいボケ味を最大限に引き出します。さらに豊かで滑らかな階調表現を可能にする、広いダイナミックレンジも実現しています。

などなど。
くどい程に「自社開発・製造」を明記しており、キヤノン製CMOSセンサーであることを強調しています。これらと比べるとEOS R3のセンサーに関する紹介文は押しが弱いように見えます。「実はソニーセンサーでは?」と憶測が広まってしまうのも理解できます。

キヤノンUSAのプレスリリース

それでは国外のプレスリリースではどう説明されているのか?例えばキヤノンUSAでは以下の通り。

Canon USA:The EOS Revolution Continues: Canon Officially Announces the Company’s Most Technologically Advanced Full-Frame Mirrorless Camera, the Professional-Grade EOS R3

The core of the EOS R3 features a Canon designed and manufactured 24.1-megapixel back-illuminated stacked CMOS sensor. The sensor is the first of its kind from Canon, and when combined with the DIGIC X processor, delivers a high-speed readout allowing for continuous blackout-free shooting1 at up to 30 fps in electronic (silent) shutter mode and up to 12 fps in mechanical shutter, with minimum rolling electronic shutter distortion. The combination also increases the high sensitivity, light-capturing efficiency of a native ISO range of 100-102400, expandable up to 204,800 for still images. Like the EOS R5 and R6, the camera features the improved Dual Pixel CMOS AF II with 1,053 AF Points and evolved EOS iTR tracking down to EV -7.5 for subjects such as eye, face, head, animals2, and select cars and motorcycles. In addition, the camera features up to 8 stops3 of in-body image stabilized (IBIS) shake correction.

ここでは「a Canon designed and manufactured 24.1-megapixel back-illuminated stacked CMOS sensor」と明記されています。このプレスリリースを書いた人の勘違いでなければキヤノン「自社開発・製造」の裏面照射積層型CMOSセンサーと言うことになります。
さらに過去にはPetapixelがキヤノンに直接問い合わせたところ、「自社設計・製造のセンサーである」と回答を得ているので、この情報に間違いは無さそうに見えます。なぜ日本向けのプレスリリースが「新開発」だけなのかは不明。EOS R3の開発発表時は確かに海外でも「新開発」だけだったので、ひょっとしたらその紹介文を継承しているのかもしれませんね。

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