Irixレンズ 海外の評価

IRIX 30mm f/1.4はOtusよりも少し良好な抜群の解像性能

Lenstipが「IRIX 30mm f/1.4 Dragonfly」のレビューを公開。Otusよりも良好な解像性能を発揮し、色収差などの補正状態も優れているとのこと。コストパフォーマンスの高いMFレンズですね。

Lenstip:Irix 30 mm f/1.4

外観・構造:

  • レンズ構成枚数は11群13枚だ。シグマやニコンよりも少ないが、大きく重いレンズとなっているのは興味深い。
  • 絞り羽根は11枚と際立っている。
  • 後玉はフォーカシングで前後に移動する。周囲の反射防止対策は良好だ。
  • スイス設計・韓国製造のレンズである。

携帯性:

  • 大きく重いレンズだが、Zeiss Otusほどではない。

操作性:

  • 45mm幅のフォーカスリングは滑らかに回転する。均質で適切なトルクがかかっている。
  • フォーカスリングのストロークは160度と良好だ。
  • フォーカスリングにはロック構造が備わっている。

フォーカス:

  • 被写界深度の表示が無いのには驚いた。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • EOS 5D Mark IIIのRAWを測定した。
  • 良像の基準値は30-32lpmmだ。
  • 最高の単焦点レンズで45-50lpmmに達することがある。
  • 中央はセンセーショナルな性能だ。絞り開放から42.7lpmmと非常に高く、絞ると50.1lpmmと抜群の性能となる。レコードを破る数値ではないが、最高の単焦点レンズに匹敵する。
  • 中央の解像性能はZeiss Otusよりも少し良好だ。
  • シグマと比べると、F11やF16の絞った際に差が大きくなる。
  • APS-Cフレームの端で、絞り開放から37lpmmを超える非常に良好な解像度だ。絞ると43lpmmを少し超える。
  • フルサイズ端にも弱点は見られない。F1.4で35lpmmを超え、絞ると40lpmmを超える。
  • 大きいレンズだが、これが功を奏しているのは明らかだ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 玉ボケは良好に見えるが、よく見ると同心円状のムラが見られる。
  • 口径食の影響は2段絞っても目に付く。

色収差:

  • 軸上色収差は絞り開放から無視できる程度だ。きちんと補正されている。
  • 倍率色収差もケチのつけようがない。

球面収差:

  • 球面収差について大きな問題は見られない。

歪曲収差:

  • フルサイズで-1.5%の樽型歪曲だ。
  • 30mmの画角を考慮すると文句を言う筋合いはない。
  • とは言え、これはOtusやシグマと比べると少し見劣りする結果だ。

周辺減光:

  • 絞り開放で-2.99EVだ。レンズサイズを考慮すると非常に弱い。
  • このカテゴリはシグマも同様で、さらにツアイスはより悪い結果だ。
  • 幸いにも絞ると急速に改善する。

コマ収差:

  • コマ収差はきちんと補正されている。
  • 非点収差は平均値で3.7%と心配する必要が無い。

逆光耐性:

  • 光源の位置に関係なく、フレアが発生する。
  • 光源がフレームの隅から離れている場合でもゴーストが発生する。

作例集

総評

本レンズは675ドルで購入可能だ。シグマ 28mm F1.4 HSMより安く、ツァイス Otus28mm F1.4と比べて遥かに安い。しかし、性能はより高価なライバルと対等に渡り合うことができ、最も重要な解像度を含む多くのテストカテゴリーで、さらに良い結果を出している。個人的な見解としては、購入して満足のいくレンズだと思う。

  • 長所
    ・センセーショナルな中央画質
    ・良好な周辺画質
    ・軸上色収差が無い
    ・倍率色収差が良好な補正状態
    ・球面収差が良好な補正状態
    ・適度な歪曲収差
    ・コマ収差が良好な補正状態
    ・非点収差が良好な補正状態
    ・APS-Cでは周辺減光の影響なし
    ・心地よいボケ
  • 短所
    ・逆光耐性
    ・周辺減光

とのこと。
IRIXは、ミラーレスが主流となった2022年で一眼レフ用レンズを作り続けている珍しいレンズメーカーですね。超広角レンズやマクロレンズ、大口径レンズなどを手掛けており、今回は程よい画角の広角レンズでF1.4の大口径を実現したMFレンズとなっています。電子接点を搭載しているので、EXIFにレンズ情報が記録されるほか、自動絞りに対応しているのが嬉しいポイント。

B&Hなどでは675ドルで購入可能となっており、一眼レフ用の大口径レンズとしてはリーズナブルな価格設定ですね。これで解像性能がOtusよりも良好で、諸収差も抜かりなく補正しているのは凄い。AFには非対応ですが、マニュアルフォーカスで問題なければコストパフォーマンスの高いレンズと言えそうです。

IRIX 30mm f/1.4 Dragonfly 最新情報まとめ

IRIX 30mm f/1.4 Dragonfly(簡易検索)
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo

関連レンズ

関連記事

-Irixレンズ, 海外の評価
-,