初心者とは誰だ?私のことだ
さて今回はややこしいレンズの名前の意味を各社で分けて見て行きたい。Kマウント以外にもちょっとカメラ遊びをしてみようかね、と考え始めているのだけども…GやらLやらUSMやらVRやら…。なんのこっちゃ?
レンズを購入していると、後々失敗したと気付かされる事もあると思う。失敗すると軍資金が減っちゃうので失敗は少ないに越したことは無い。特にカメラの種類、レンズの種類によっては互換性が変わってくるものがあるのでしっかりと意味を理解して購入したい所。
まずはお勉強も兼ねて大手のCanonとNikonから調べていきます。
Canon
EF
EOSシリーズに装着できるレンズの頭文字。「EF-S」「EF-M」と続かなければフルサイズ対応と捉えても問題無い。もちろんKissや2桁台のEOSシリーズなどのAPS-Cセンサーサイズの一眼カメラにも装着可能。その際はAPS-Cセンサーのイメージサークルでしか使えないので注意。逆に言えば、レンズの中でも画質の良い中央周辺の光情報のみを使えるので悪くは無いと思う。フルサイズで使うと、どうって事が無いレンズもAPS-Cで使うと化けるレンズもあるかもしれない。価格帯は撒き餌レンズが1万円を切る値段から数十万クラスの高級レンズまで幅が広い。
注意点は、ミラーレスにはアダプタを介さなければ装着出来ない。完全電子マウントに対応する為にEFレンズはすべてEMD(電磁駆動絞りユニット)が搭載されている。電子化されているので、EFマウント以前のカメラとは互換性が無いので気をつけよう。(と言っても昔のフィルム時代のカメラの話)
EF-S
APS-Cサイズのセンサーにレンズを合わせることでサイズダウンやコストダウンを図ったレンズ。Kissなどの軽いボディに合わせるのであればこのシリーズが比較的安く買えて、取り回しが軽くて簡単という認識。EF同様、ミラーレスにはアダプタを介して装着が可能。また、APS-Cに最適化されているのでフルサイズ機などでは装着は不可能なので気をつけよう。
EF-M
ミラーレス機専用レンズ。2012年から発売開始されたレンズ群でまだ玉数が少なく4つのみ(2015年5月末現在)。EF-MマウントのミラーレスカメラにEF、EF-Mマウントはアダプターを介して装着が可能だが、EF-MマウントのレンズをEF-S、EFマウントのカメラには装着出来ない。現状はEOS Mシリーズにのみ装着できるレンズだ。
TS-E
ティルト・シフトが可能なレンズ群に付加される表記だ。言葉で説明するのは難しいが、
- ティルト…ピント面を撮像に対して斜めに付ける事が出来る。絞らなくてもピント面に奥行きを出すことが出来るレンズ。例えば明るいレンズを絞り開放で斜めの被写体を撮ってもパンフォーカスさせる事が可能と言うこと。
- シフト…これが説明しにくいのだが、レンズをずらす事で歪みを補正したり、光軸をずらして真正面から鏡への移りこみを回避したり出来る。
と言うような事ができる特殊なレンズ。詳しくはコチラでかなり分かり易い説明がなされている。
L
F値のすぐ後ろに表示される。贅沢な(Luxury)の頭文字で、高級レンズ群に属するレンズに付加される文字。10万円以上するレンズが多い。SWCや蛍石、UDレンズ、スーパーUDレンズなどを贅沢に使っているのがこのレンズ群。
EFマウントのレンズで防塵防滴の表記は無いが、主にこのLレンズに属するレンズは防塵防滴構造が多い(全てではないので注意)
ただし、Canonは特に防塵防滴を強く謳ってはいないので心配ならばレインジャケットを持参の上で使用すると良いだろう。高級レンズだし故障やカビの原因は極力避けよう。
Canon公式に防塵・防滴対応レンズの表があるので確認してみよう
IS
Image Stabilizerの略。レンズ内に手振れ補正の機構が搭載されている場合に付加される文字だ。CanonやNikon、タムロンやシグマなどがレンズ内手振れ補正を採用している。
II・III
同等のスペックを有するレンズのマイナーチェンジの際などに付加される文字。IIIなんてあったかなあ…。まあいづれはIIIのレンズも出てくるはず!
DO
Diffractive Optics(回折光学素子)の略。レンズの小型化と色収差の補正の両立を可能にするレンズを搭載している時に付加される文字。Canonが世界で初めて各収差の補正に成功したのがDOレンズだったりする。
USM
UltraSonicMotor(超音波モーター)の略。レンズ内に駆動装置でオートフォーカスの際に稼動してピントの調節をする。高トルク・高レスポンスで素早くピントの調節が可能だったり、静音性に優れていたりと、メリットが多い。現在は小型レンズにも搭載できる「マイクロUSM」と大型レンズにも対応している「リングUSM」の2種類がある。リングUSMではMFスイッチを使用せずにマニュアルによるピント調整を行うことが出来る「フルタイムマニュアル」に対応しているのでかなり便利。特にマクロなどピント面の微調整を行うときにはありがたい機能だ。
「EF50mmF1.4 USM」はマイクロUSMだが、フルタイムマニュアルが使えたりするので一概にマイクロUSMでは使えない、と言うわけではない。
STMに比べると、ちょっとだけ高めのレンズに搭載されている事が多い。
STM
SteppingMotorの略。パルス電力に同期して動かすことからパルスモーターとも言うらしい。起動・停止する時のレスポンス・制御性の高さが特徴で、構造もシンプルな為静かでスムーズな駆動や小型化が可能。構造がシンプルと言うことはUSMよりかは壊れにくいと言う印象を個人的には受ける。(ま、KマウントのSDMが壊れすぎと言う事も…)
通常のリードスクリュータイプと小型レンズのギアタイプの2種類が存在する。普通に考えるとギアタイプの方が音が出そうな構造。
Nikon
Ai
非常にややこしいFマウントにおけるポイント。露出連動するための機構を「互換性の為にあえて残してある」と言う表記。但し、これは現行レンズに際しての意味で、2000年以前はこの方式がスタンダードだった時期もある。デジタル世代から見ると、言ってしまえばオールドレンズの部類のカメラなので購入する際はしっかりとFマウントについて調べてから購入したい。露出連動を機械式からデジタル式に切り替える中での、Nikon技術者の苦悩や苦労や伺えるのでFマウントユーザーなら一見の価値はあり。ニコン公式:知られざるニコンの歴史
現行品はほぼAF-SのGレンズなので、デジタルカメラで現行品を扱う分には問題は無い。Aiのカメラに非Aiのレンズをつけようとすると干渉する場合があるので気をつけよう。オールドレンズも気兼ねなく装着できるKマウントユーザーからすると、なんともややこしい話である。一方でフル電子化したCanonのEFマウントと比べると面白いかもしれない。
AF
オートフォーカス機構が内蔵されているので、オートフォーカスが可能である事の表記。AF-Sと違う点は駆動方法が超音波モーターでは無い点。
AF-S
オートフォーカス機構が内蔵されており、且つ超音波モーターであると言う事の表記。非超音波モーターならば「AF」となる。まちがってもCanonEFマウントの「EF-S」とは全く意味が違うので気をつけよう。
1
CXフォーマット(Nikon 1シリーズにおける1型センサーサイズのカメラ)用のレンズに付加される表記。もちろんFX・DXカメラには装着出来ない。
DX
APS-Cセンサーサイズ用にレンズのイメージサークルが小さくなっているレンズの場合はこの表記が付加される。その分、サイズが小さく価格も安く設定されているので取り扱いが簡単。逆にFX(フルサイズ対応)レンズの場合はDXの表記が付かず、FXの表記は付加されないのでDXの文字が無ければフルサイズ対応と言う認識で良い。カメラ側には「FX」や「DX」の表記があるので確認してみよう。
NIKKOR
ニコン純正のレンズに付与される表記。もともとNikonは「日本光学工業株式会社」と言う社名で「日光」でニッコー、レンズの後ろに「R」を付ける流行があったので「NIKKOR」となったらしい。なるほどなあ。
G
絞りリング未搭載の意味で使われる表記。絞りの調整は全てカメラ側での調整となる。
間違ってもαマウントの高級レンズ群「Gレンズ」の意味では無い。
?ED
特殊低分散ガラスを搭載している際に使われる表記。色収差などを抑えた画質に貢献するレンズ。
VR
VibrationReduction(振動減少)の略。要は手振れ補正装置内蔵の場合に表記される。レンズ内での手振れ補正はNikonやCanon、タムロンやシグマなどが採用している。
IF
インナーフォーカスの略。ピントを合わせる際にレンズが伸縮みしないので取り回しが楽だったり、C-PLフィルターを付けた際にいちいちフィルターごとレンズが回転しなかったりと利点が大きい。
インナーズームとは別なので、「ズームしたら伸びるやんけ!」とNikonにクレームを入れないように。
II・III
Canonと同じく世代による表記
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