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シグマ 18-50mm F2.8 DC DN RF レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

シグマ「18-50mm F2.8 DC DN RF mount」のレビュー第一弾を公開。他のマウント用と同じく適切なビルドクオリティで小型軽量なF2.8ズームレンズ。AFに関してはEマウントよりもキビキビと動作しており、これと言った不満はありません。

18-50mm F2.8 DC DN RF mountのレビュー一覧

まえがき

2021年10月にソニーEマウント用として登場。シグマのContemporaryラインに属するAPS-C用大口径ズームレンズです。2024年4月にキヤノンRFマウントへの参入を発表し、当初の予定通り7月に本レンズが発売となりました。全長74.5mm、重量300gで、開放F値「F2.8」固定の大口径標準ズームとしては一線を画す小型軽量レンズに仕上がっています。

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  • フォーマット:APS-C
  • マウント:RキヤノンRF
  • 焦点距離:18-50mm
  • 絞り値:F2.8-F16
  • 絞り羽根:7枚(円形絞り)
  • レンズ構成:10群13枚(SLD1枚、非球面レンズ3枚)
  • 最短撮影距離:12.1(W)-30(T)cm
  • 最大撮影倍率:1:2.8(W)-1:5(T)
  • フィルター径:φ55mm
  • サイズ:φ69.2mm × 74.5mm
  • 重量:300g
  • 防塵防滴:簡易防塵防滴
  • AF:STM
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:-

特筆すべきは前述した小型軽量なレンズサイズ。競合レンズと比べて広角側が18mmと狭い画角であるものの、比較的して圧倒的に小さな筐体を実現しています。このレンズサイズで全域「F2.8」を実現しているのは凄い。さらに撮影倍率は広角側で0.35倍、望遠側で0.2倍と比較的高く、クローズアップの撮影に強い仕様。また、AFはステッピングモーター駆動で静音性と高速性の両立しています。

価格のチェック

Eマウント発売時の初値と比べると値上がりしており、売り出し価格は7万円強。以前と比べると少し高くなっていますが、ここ最近のAPS-C用大口径ズームとしては最も安い。気軽にF2.8ズームの使ってみたいのであれば面白い選択肢となることでしょう。

  • 発売日:2024年7月11日(木)
  • 予約開始日:2024年6月28日 10時
  • 希望小売価格:オープンプライス
  • 直販価格:79,200円
  • カメラのキタムラ:71,280円

外観・操作性

箱・付属品

SGVシリーズ(Sigma Global Vision)らしい白を基調としたシンプルなデザイン。右上に表示している3桁の数字はエディションナンバーで、発売した西暦の下3桁を表しています。RFマウント版が登場したのは「2024」ですが、最初に登場したEマウント版の「2021」がプリントされています。

Eマウント版のレンズ本体は紙製の緩衝材に包まれていましたが、RFマウント版は段ボールの間仕切りに変更。どのような意図で元に戻ったのかは不明。

レンズ本体の他に、レンズフード、説明書、保証書が付属。レンズケースはありません。レンズ本体のリアキャップは、純正品と同じく装着する方向が決まっているので使い辛い。

外観

Contemporaryラインらしいプラスチック製パーツを外装に使用。高級感は無いものの、しっかりとした作りで堅牢性に不安は感じません。同価格帯の他社製レンズと比べても立派なビルドクオリティ。
外装にはマットブラックな塗装が施され、質感は非常に良好。ただし、スレによる跡が付きやすいのが悩ましいところ。

装飾はほとんどありません。白字でプリントされた焦点距離やレンズのロゴ以外には「Contemporary」を表す「C」マークが埋め込まれているくらい。ちなみにレンズはもちろん日本製。もっと言えばシグマの会津工場製。一貫して日本の向上で生産し続けているので、個人的には積極的にシグマ製レンズを購入したいと考えています。(「日本製」というブランドではなく「地産地消」と言う意味で)

ズーム操作により内筒が伸びる仕様。内筒は多段式では無く、ズーム操作で少し伸びる程度。こちらもしっかりとした作りでガタツキなどはありません。

ハンズオン

全長74.5mm、重量300gのレンズであり、非常に小さく、非常に軽い。フルサイズ用レンズ「28-70mm F2.8 DG DN」のAPS-C版と考えるとしっくりくるサイズ感。レンズサイズは「30mm F1.4 DC DN」とよく似ており、カメラバッグへの収納性は非常に良好。

前玉・後玉

フィルター径は55mm。もちろんこのクラスでは最小。この径に対応するAPS-C用レンズは多くありませんが、「56mm F1.4 DC DN」「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」などと共用可能。仕様を見る限り防汚コートは施されていないので、水滴や汚れの付着が想定されるシーンではプロテクトフィルターを装着しておきたいところ。

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真鍮製レンズマウントは4本のビスで固定。周囲は簡易防滴用のシーリングが施されているものの、それ以外の点に防塵防滴処理が施されているのか不明。

最後尾のレンズはマウント付近で固定。ズーム操作で最後尾のレンズが前後に動くことはありません。このため、センサーボックス内における空気の出入りが少なくなり、小ゴミの混入が少なくなると思われます。個人的に評価したいポイント。

フォーカスリング

幅12mmの小さなフォーカスリングを搭載。プラスチック製ながら、表面の加工で良好なグリップ。リングは適度なトルクで滑らかに回転。ピント移動量はカメラ側で設定・調整が可能。ピント移動時の設定に関わらず、全体的にストロークが長め。微調整に適していますが、ダイナミックな操作には不向き。

ズームリング

幅27mmのゴム製ズームリングを搭載。程よいトルクはズーム全域で一貫しており、滑らかに回転。動画撮影にも適しているように感じます。全体のストロークは90度未満で、ワンアクションで18mmから50mmまでの操作が可能。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが同梱。

装着例

APS-CボディのEOS R7に装着。見た目や質感はボディとの相性が良く、適度な携帯性。大きなR7のみならず、小型軽量なR50やR10との組み合わせも良さそう。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスレンズの駆動にはステッピングモーターを使用。静かで滑らか、そして高速で正確に動作。過去にEマウント用をテストしましたが、比較して明らかに高速。ボディ側のAF性能の違いなのか、ライセンスの下で高い互換性を実現しているのか気になるところ。

至近距離から無限遠までの大きなピント移動でも合焦速度が非常に速い。キヤノンRF-Sレンズには本レンズよりも明るい開放F値のズームレンズが存在しないため、低照度でも効果的なAFが期待できる唯一の選択肢。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

18mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

ブリージングがほとんど発生していません。撮影倍率が非常に高いレンズながら、ブリージングをこれほど良く抑えているのは凄い。もちろん動画撮影でのピント送りも全く違和感が無いと思われます。

50mm

18mmと同じく、画角の変化はほとんど発生していません。非常に優れた結果。ブリージングが抑えられたフォーカシングは動画撮影に役立つうえ、静止画撮影時も滑らかなフォーカシングが良質な撮影体験になると思われます。

精度

EOS R7と組み合わせて特に大きな問題はありません。

MF

前述した通り、少し長めのストローク。フルマニュアル操作で使用するにはストロークが長すぎると感じるものの、AFの微調整として使うのであれば問題ないでしょう。

まとめ

小型軽量でAPS-Cミラーレスと相性が良く、このクラスとしては手頃な価格で入手しやすい。光学性能を抜きにして、これは売れると思うし、おススメしやすいレンズ。さらにソニーEマウントと比べてオートフォーカスが自然で、非常に高速。同じステッピングモーター駆動でも、カメラ側のAFアルゴリズムや互換性の違いでこうも違うのかと驚かされます。

(まだテスト中ですが)肝心の光学性能も良好。倍率色収差など、いくらかカメラ側の補正に依存している部分は見られるものの、解像性能は広角端から望遠端まで良好で、特に大きな弱点は無い模様。3000万画素のEOS R7で、ズーム全域で十分良好な結果が得られているように見えます。ボケもこのクラスとしては滑らかで綺麗。逆光耐性もシグマ製レンズとしては良好で、全体的に文句ナシ。

低照度におけるAFもEOS R7との組み合わせで良好に動作します。最短撮影距離が短く、ズーム全域で小さな被写体をクローズアップできるのは便利。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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