このページではシグマのフルサイズミラーレス用交換レンズ「24-70mm F2.8 DG DN」を発売から3か月ほど使って来た感想を書き連ねています。
このページで伝えたいこと
- 良いレンズである
- 良いレンズである
- 良いレンズである
大事なことなので3回言いました。
コスパだけで売れてるレンズじゃないのは確か
操作性
「24-70mm F2.8」のズームレンズとしては至って普通のサイズ・重量。ソニーGMより小さく軽いものの、そこまで大きな違いはありません。携帯性・収納性も平均的。
もちろんF4ズームや単焦点レンズと比べると大きく重いレンズですが、許容できないレンズサイズとは感じません。
外装はシグマArtシリーズらしい立派で高級感のある作り。ズームリングは適度な抵抗と回転量を備えています。フォーカスリングは少し緩いと感じるものの、回転量が多く結果的に素早く精密操作が可能となっています。
さらに外装にはフォーカスホールドボタンやズームロックスイッチ、AF/MF切替スイッチなどがあります。プログレードのズームレンズに必要なコントロールは全て備えていると言って良いでしょう。
防塵防滴
雨天の撮影に何度が臨みましたが、動作に問題はありませんでした。従来の「簡易防滴」では無く、可動パーツ各所が耐候仕様となっているので信頼できる防塵防滴仕様と言えるでしょう。
ただ、購入して間もなく繊維質の異物がレンズ前面に入り込んでしまったのは少し残念(乾燥したロックタイトのカスかもしれませんが)。
内筒が前後に伸縮するタイプのズームレンズであり、空気の出入りが発生することを考えると妥協すべきポイント。
AF
ステッピングモーター駆動のオートフォーカスは静かで高速。精度や再現性も非常に良好。
ソニー製の「デュアルXDリニアモーター」やパナソニックの「リニア+ステッピングモーター」と比べると遅いかもしれません。しかし、大デフォーカスからの合焦速度に期待しなければ十分高速と言えるフォーカス速度です。
AF-Sの合焦速度がワンテンポ遅く感じる(特に低照度・低コントラスト)ものの、AF-C使用時はとても快適に動作します。日常生活でフォーカス速度に不満を感じるシチュエーションは少ないはず。
アクションスポーツや近距離を激しく動き回る子供や小動物相手の場合は純正レンズとの差を感じるかもしれません。
また、接写時の四隅を使ったオートフォーカスには注意が必要。もともと接写の四隅が甘く、AF-S時の精度や再現性、そしてAF-Cの追従性が低下します。瞳検出を使った精度・追従性に問題はありません。ソニー純正レンズで追いかけることができる状況であれば、このレンズで大きな違いは感じないはず。
また、連写時の追従性や露出の安定感に大きな問題はありません。
接写性能
広角側で0.34倍と高い撮影倍率を実現しています。撮影距離が短い(レンズフードギリギリ)のであまり実用的なスペックとは言えませんが、水族館や昆虫館などでは重宝しました。
中央以外はやや甘めの描写ですが、接写で四隅まで解像性能を発揮しなければならない状況はそう多く無いはず。
望遠側は0.22倍と割と平凡なパフォーマンスなので、広角側のように被写体との距離を詰めるとピントが合わない可能性が高いです。24mm F2.8と言っても接写時は被写界深度が非常に浅くなります。手持ち撮影の場合、はAF-Cを使いながらピントを合わせ続けるのがおススメ。
解像性能
接写は少し甘いものの、少し距離を開くとご覧のようにシャープな描写となります。さらに70mm以外は色収差を良く抑えているため、開放からコントラストが高く、キレのあるピント面。気兼ねなく使うことができる絞り開放の画質だと思います。
絞り開放から良好な画質ですが、ピークのパフォーマンスはF5.6~F8あたり。特に広角側のパフォーマンスが良く、四隅までとてもシャープです。
コントラスト
絞り開放からコントラストが強く、パンチの利いた描写です。発色も自然で良好。
時には後ボケのコントラストが高すぎ、騒がしく感じるかもしれません。そのような場合はボケを大きくするなり、カメラ側でコントラストを落とすように調整すると良い感じとなります。
ボケ
ズームレンズとしてはとても滑らかで柔らかく、そして綺麗な描写。
裏を返せば良好な補正で色収差が目立たず、口径食の影響が小さいと言えるかもしれません。
非球面レンズの影響も小さく、タムロン28-75mm F2.8と比べると全体的に滑らかで柔らかい描写です。個人的にはこのレンズで最もおススメできるポイント。開放からコントラストが強いのでボケが小さくなると少し騒がしいと感じるかもしれません。
酷い描写では無いのですが、目障りとなる可能性はあります。コントラストや露出を変えることで改善する場合があります。
色収差補正
フレーム四隅で目に付きやすい倍率色収差はほぼ完璧に補正しています。少なくとも2400万画素のα7 IIIでは全く問題ナシ。軸上色収差も70mm以外は完璧。70mmのみ高コントラストな領域で色収差が発生します。フレーム全体の画質を損ねるような影響ではありませんが、たまに「おや?」と感じるかもしれません。
歪曲
周辺減光と共に注意しておくべきポイント。
特に広角側の樽型歪曲が大きく、ボディ内、もしくはソフトウェアのレンズプロファイルで補正することになります。補正後は綺麗な直線となりますが、レンズプロファイルなどを適用できない環境では手動での補正が必要となります。
購入初期はAdobe Camera RAWにプロファイルが入っていませんでしたが、2020年3月現在ではLightroomで「プロアイル補正を使用」のチェックボックスをクリックするだけで補正可能となっています。特に心配する必要は無いでしょう。
周辺減光
歪曲と共に注意しておくべきポイント。
特に広角側の減光量が非常に大きく、補正後に四隅のノイズ増加は避けられません。特にISO 1600?6400を使った撮影からのレンズ補正は厳しい。減光量を抑える場合は少なくとも1~2段は絞って撮影したいところ。
周辺ノイズが気にならない場合は歪曲と同じく心配する必要は全くなし。
逆光耐性
「パーフェクト」では無いものの、レンズ構成枚数などを考慮するとフレアやゴーストが良く抑えられていると感じます。特に絞り開放近くでフレアの影響を受けず、良好なコントラストを維持しているのがGood。
総評
長く付き合える大口径ズームレンズ
満足度はほぼ100点。
妥協点をぎゅっと凝縮してその他を高みへ押し上げた高バランスな大口径ズームレンズ。
個人的におススメは解像性能でも逆光耐性でも無く、ボケ描写だと思っています。特にタムロンと比べると柔らかいボケなので「これぞF2.8ズーム」と言った描写を楽しめるはず。
ビルドクオリティはとても良好で、しっかりとした外装で防塵防滴仕様となっています。F2.8の明るさも手伝って、長く付き合うことが出来るレンズとなりそう。
Lマウントアライアンスに参加したシグマ”純正”ズームレンズをソニーEマウントでも使うことが出来るのは素晴らしいですねえ。
タムロンよりも高価ではありますが、光学性能やビルドクオリティを考慮すると値付けは非常に安く感じます。
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