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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Z-mount レンズレビューVol.2 解像チャート編

「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」ニコンZマウントのレビュー第二弾 解像チャート編を公開。ソニーE版と同じく、近距離では周辺や隅のパフォーマンスが若干低下するようです。

簡易的なまとめ

中央画質はズーム全域で良好で、特に広角~標準域ではF2.8から抜群のパフォーマンスを発揮。望遠端でも少し絞れば非常に良好な結果を得ることができます。「中央番長」と言うほど周辺や隅の性能がかけ離れてはおらず、手頃な価格のF2.8ズームレンズとしては近距離時の周辺・隅の結果が良好。とはいえ、近接撮影でF2.8にこだわる必要が無ければ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」も要検討(光学性能に加え、ズーム全域で接写性能も高いため)。

The center image quality is good throughout the entire zoom range, and in particular, it delivers outstanding performance from F2.8 in the wide-angle to standard range. Even at the telephoto end, you can get very good results if you stop down a little. The performance of the periphery and corners is not so far off that you could call it the “center boss”, and for an affordable F2.8 zoom lens, the results in the periphery and corners at close range are good. That said, if you don't need to stick to f/2.8 for close-up photography, you should also consider the “NIKKOR Z 24-120mm f/4 S” (because of its high close-up performance throughout the entire zoom range, in addition to its optical performance).

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ニコン用のレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z 8
  • 交換レンズ:28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

28mm

中央

絞り開放から非常に高い解像性能を発揮。少なくとも、この解像力チャートでは絞りによる改善効果は見られず、開放からピークの状態。パフォーマンスはF8まで維持し、F11で回折の影響により少し低下。F16~F22はさらに性能が低下するので、必要なければ避けて通りたい絞り値。

周辺

中央と比べると大幅に低下し、絞り開放はかなりソフト。これを改善するには3段絞る必要あり。ただし、広角レンズは定型解像力チャートは相性が悪い(かなり接写する必要がある)点には注意する必要があります。F8まで絞ると中央に近い結果を得ることが可能。

四隅

周辺よりもさらに悪化し、F2.8では測定可能ギリギリの性能。ただし絞ると性能が向上し、F8付近で周辺に近い結果となる。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4449 2947 2020
F4.0 4568 3309 2942
F5.6 4521 3408 3621
F8.0 4268 4059 3751
F11 4178 3738 3306
F16 3935 3387 3179
F22 2733 2536 2436

35mm

中央

中央は28mmと同じく、絞り開放から非常にシャープな結果。F5.6までをピークとして、それ以降は回折の影響で徐々に低下します。

周辺

28mmと同じく、絞り開放が甘い。ただし改善速度が速く、F5.6まで絞ると4000を超え、F8でピークに到達。

四隅

周辺部と同じく、隅も絞った際の改善速度は28mmよりも良好。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4570 2759 1390
F4.0 4693 3052 2881
F5.6 4757 4133 3852
F8.0 4479 4286 3675
F11 4208 3968 3501
F16 3823 3187 3217
F22 2975 2724 2527

50mm

中央

広角側と同じく、非常に良好な性能を維持。パフォーマンスの低下が全く見られないのは正直に言って凄い。F11までは4500を超える非常に良好な結果ですが、F11以降で急速にパフォーマンスが低下。

周辺

広角側と比べると絞り開放の数値が高い。ただし、中央比で1~2グレード低下するうえ、絞りによる改善効果がほとんど無い。均質性が高まるのは小絞り時。

四隅

まだソフトですが広角側と比べると安定感がある。絞ると徐々に改善し、F8付近でピークの性能。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4556 3267 2697
F4.0 4591 3776 2807
F5.6 4695 3988 3286
F8.0 4556 3885 3710
F11 4620 3495 3541
F16 3778 3256 3159
F22 2927 2759 2671

75mm

中央

他の焦点距離と比べると中央の結果が低下。ただし、絞ることで急速に改善します。

周辺

絞り開放から良好ですが、非点収差の影響か絞っても大幅な改善はありません。

四隅

周辺と同じ傾向。ただし、均質性は高い。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 3907 3020 2622
F4.0 4500 3202 2799
F5.6 4868 3465 3068
F8.0 4757 3027 3082
F11 4259 2975 2584
F16 3700 2744 2340
F22 2922 2474 2394

Z 24-120mm F4との比較

広角側は健闘しているものの、35mm以降の均質性は24-120mmが圧倒的。もしもF2.8の明るさやボケが必要なければ24-120mmが無難な選択肢。

まとめ

中央画質はズーム全域で良好で、特に広角~標準域ではF2.8から抜群のパフォーマンスを発揮。望遠端でも少し絞れば非常に良好な結果を得ることができます。「中央番長」と言うほど周辺や隅の性能がかけ離れてはおらず、手頃な価格のF2.8ズームレンズとしては近距離時の周辺・隅の結果が良好。とはいえ、近接撮影でF2.8にこだわる必要が無ければ「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」も要検討(光学性能に加え、ズーム全域で接写性能も高いため)。近距離で周辺や隅が低下するものの、撮影時に近距離で被写体を周辺や隅に配置することは少ないと思います。テスト時のパフォーマンスを過度に心配する必要はありません。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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