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28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 Z-mount レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」ニコンZマウントのレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。キビキビと動作するAF、滑らかに動作するズームリングやフォーカスリングなど。

簡易的なまとめ

純正品との違いで最も気になる点はAFなど互換性の部分。このレンズを購入してから数か月経ちますが、(ズーム中AF以外で)今のところ大きな問題には遭遇していません。ボイスコイルモーター駆動のAFは非常に高速で、ふとした瞬間に訪れるシャッターチャンスにも問題なく合焦しています。さらに、ビルドクオリティは悪くなく、TAMRON Lens Utilityにて純正品以上のカスタマイズが可能。Fnボタンまで付いています。

光学性能は現在テスト中。ソニーEマウント用と同じくバランスの取れた使い勝手の良いレンズに仕上がっていると感じています。これと言って大きな欠点がありません。部分的にカメラ側の補正に依存している部分があるものの、自動補正を利用可能で撮影体験にデメリットはありません。

The most noticeable difference from genuine products is in the compatibility of features such as autofocus. It's been a few months since I bought this lens, and so far I haven't encountered any major problems (other than the AF when zooming). The voice coil motor-driven AF is very fast, and it focuses without any problems even when the shutter chance comes unexpectedly. In addition, the build quality is not bad, and it is possible to customize it more than the genuine article with TAMRON Lens Utility. It even has an Fn button.

The optical performance is currently being tested. I feel that it is a well-balanced and easy-to-use lens, just like the Sony E-mount version. There are no major drawbacks. Although there are some areas that rely on the camera's correction, it is possible to use automatic correction, so there is no disadvantage to the shooting experience.

28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ニコン用のレビュー一覧

まえがき

2024年に発売した4本目のタムロン製Zマウントレンズ。Zマウントのサードパーティ製F2.8ズームとして最初の一本であり、手頃な価格で携帯性の良いレンズに仕上がっています。

ニコンは2022年に「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」を発売しています。このレンズはタムロン旧製品である「28-75mm F/2.8 Di III RXD」の光学系をベースにしていると思われます。まさか2年後にタムロンから(実質的なリニューアル製品である)本レンズがZマウントで登場するとは予想していなかった人も多いはず。

純正品の「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」か、サードパーティ製ながらリニューアルされた「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」にするか悩むひとは多いのではないしょうか。

  • 商品ページ
  • 仕様表
  • 公式サンプル
  • データベース(Eマウント版 兼用)
  • 発売日:2024年4月18日
  • 希望小売価格:143,000円(税込)
  • カメラのキタムラ:112,860円(税込)
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:Z
  • 焦点距離:28-75mm
  • 絞り値:F2.8~F22
  • 絞り羽根:9枚
  • レンズ構成:15群17枚
  • 最短撮影距離:0.18-0.38m
  • 最大撮影倍率:1:2.7-1:4.1
  • フィルター径:φ67mm
  • サイズ:φ75.8×119.8mm
  • 重量:550g
  • 防塵防滴:対応
  • AF:VXD
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:
    ・USB-Cポート
    ・TAMRON Lens Utility

価格のチェック

売り出し価格は112,860円(税込)。
現在は10.5万円くらいで、面白いことに販売価格は「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」とほぼ同じ。

外観・操作性

箱・付属品

従来通り白を基調としたDi IIIシリーズらしいデザインの箱。装飾は底部にブランドカラーのルミナスゴールドを配色しているのみ。上部には封印用のシールが一か所張り付けられているものの、今回は販売店側で封切られ、保証書に日付が記載されていました。

レンズの緩衝材は入っておらず、段ボールによる間仕切りのみ。レンズケースなどは同梱していません。付属品は花形レンズフードに前後のキャップ、説明書・保証書・シリアルナンバーのシールなど。

外観

外装はプラスチック製ながらしっかりとした作り。サムヤンのような薄っぺらいプラスチック感は無く、頑丈な作り。外装のつなぎ目はソニーEマウント版よりもうまく隠されているように見えます。塗装はDi III初期モデルと比べて黒が強くなっており、一眼レフ用レンズ「SP」シリーズを彷彿とさせるカラーリング。もちろん、金属外装だったSPシリーズと比べると質感は劣ります。

全体的に過度な装飾は施されておらず、マウント付近のルミナスゴールドのリングのみ。相変わらず「日本設計」を大きく表示しており、製造国は非常に分かりづらく記載。ただし、このレンズに関しては製造国も日本。

ズームリングとフォーカスリングはゴム製で、グリップは良好。ただし、ゴム製グリップは塵や小ゴミを吸着しやすい点がマイナス。側面にはUSBポートを搭載しており、パソコンと接続してカスタマイズが可能。ただし、USBポート用のカバーは付属していません(仕様的にはカバー無しでも問題なさそうですが)。焦点距離 75mmにに向けて内筒が伸び続けます。素材はプラスチック製でしが、しっかりとした作りで、特にがたつきはありません。

ハンズオン

全長119.8mm、重量550gの大口径標準ズームレンズ。このクラスとしては非常に軽量ですが、シグマ「28-70mm F2.8 DG DN」が登場した現在は最軽量・最小ではありません。とはいえ、シグマ28-70mm F2.8はニコンZ版が未発売。見た目はタムロンのほうがしっかりとしていますが、実際に手に取ってみるとどちらも良好。

前玉・後玉

前面には撥水・撥油性のある防汚コートを採用。水滴や油汚れに強く、現地でのメンテナンス性が良好。とは言え衝撃や傷が想定される撮影であれば、フィルターを装着しておいたほうが良さそう。フィルター径は大部分のDi IIIシリーズと同じく67mmで統一。他にタムロンレンズを使用しているのであれば、NDやC-PLなどを、67mmで揃えてしまうのは一つの手。

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レンズマウントは4本のビスで固定された金属製プレート。一般的なシルバーカラーのマウントと比べて、ルミナスゴールドのような色味となっています。周囲は防塵防滴用のシーリング。後玉は球状となっており、フレアカッターを搭載。

フォーカスリング

幅15mm程度のゴム製フォーカスリングは滑らかに回転。
リングの回転速度に応じてピント移動量は変化し、ゆっくり回転させた場合はピント全域を移動する際に1回転ほどの操作が必要となる。逆に素早く回転した場合は90度弱でピント全域を操作可能。リングのトルクは程よく、操作しやすい。ストロークや応答性に不満を感じた場合はTAMRON Lens Utilityでカスタマイズ可能。

ズームリング

35mm幅のゴム製フォーカスリングを搭載。ズーム全域で滑らかに回転し、ほぼ均質的なトルク。静止画で細やかな画角の調整ができるほか、動画撮影でも滑らかなズーム操作が可能。リングは28mmの広角端から75mmの望遠端まで、ストロークは90度弱と短く、一度の操作で素早くズームすることが可能。

レンズは28mmで最も短くなり、75mmに向かって徐々に内筒が前方へ伸びる。

ボタンなど

従来モデルと異なり、今回のモデルは側面に一つのFnボタンを搭載。初期設定はカメラ側の「レンズFn」で割り当てた機能に依存するものの、「TAMRON Lens Utility™」を使ったカスタマイズで「AF/MF切替」「A-Bフォーカス」「フォーカスプリセット」などに使用可能。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが付属。ロック機構が無ければフィルター操作窓もないシンプルなフードで、シグマの競合製品と比べると少し安っぽい。とは言え、フードとしての役割は果たしており、特に問題はありません。

ケラレ耐性

薄枠2枚重ねが限界で3枚目装着で28mmにケラレが発生します。

装着例

Z 8に装着。大きいレンズに違いはないものの、バランスは良好で快適に手持ち撮影が可能。24-120mm F4ズームレンズを使っている感覚とそう変わりません。

AF・MF

フォーカススピード

前モデルはステッピングモーター駆動で、正直に言うとAF速度はソコソコ。今回のレンズはボイスコイルモーター駆動にアップグレードされ、AFスピードが格段に向上。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

画角の変化はゼロと言えないものの、広角端・望遠端どちらも良く抑えられています。少なくとも最短撮影距離と無限遠を行き来するような使い方以外でブリージングが問題となる可能性は低い。

28mm

スライドショーには JavaScript が必要です。

35mm

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50mm

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75mm

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精度

Z 8と組み合わせた限りで大きな問題は無し。注意点として、接写時は周辺から隅が甘くなるため、合焦精度や速度が低下する可能性あり。ピントが迷い気味であれば、少し絞ってAFしたほうが良いでしょう。

注意点があるとすればズーム中のAF-Cで、この際は純正品と比べて精度が低下しているように見えます。(テスト環境が確立していないので感覚的なものですが)

MF

前述したようにTAMRON Lens Utilityによるカスタマイズが可能。自身の好みに合わせてフォーカスリングの操作性を調整することが出来ます。

まとめ

純正品との違いで最も気になる点はAFなど互換性の部分。このレンズを購入してから数か月経ちますが、(ズーム中AF以外で)今のところ大きな問題には遭遇していません。ボイスコイルモーター駆動のAFは非常に高速で、ふとした瞬間に訪れるシャッターチャンスにも問題なく合焦しています。さらに、ビルドクオリティは悪くなく、TAMRON Lens Utilityにて純正品以上のカスタマイズが可能。Fnボタンまで付いています。光学性能は現在テスト中。ソニーEマウント用と同じくバランスの取れた使い勝手の良いレンズに仕上がっていると感じています。これと言って大きな欠点がありません。部分的にカメラ側の補正に依存している部分があるものの、自動補正を利用可能で撮影体験にデメリットはありません。実質的に旧製品の光学系を使用している「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」と比べてどちらが良いのか?光学性能は主に周辺や隅の解像性能に関してタムロンG2がより良好(タムロン版G1の感想ですが)。

互換性に関してはニコン28-75mmを使ったことがないので言及できません。しかし、他のNIKKOR Zレンズと比べて、このタムロンG2レンズが大幅に見劣りするという印象は無し。むしろVXD駆動のAFがキビキビと動作しているという感じすらあります。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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