このページではシグマのミラーレス用交換レンズ「60mm F2.8 DN マイクロフォーサーズ版」のレビューを掲載しています。
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管理人の評価
中央解像力 開放 | とても良好 | 周辺解像力 開放 | とても良好 |
中央解像力 ピーク | とても良好 F2.8-F5.6 |
周辺解像力 ピーク | とても良好 F2.8-F5.6 |
軸上色収差 | 部分的 | 倍率色収差 | 良好 |
球面収差 | 良好 | コマ収差 | 良好 |
非点収差 | 良好 | 歪曲 | 良好 |
周辺減光 | 良好 | 逆光耐性 | フレア良好 ゴースト僅か |
AF | 並・リニア | MF回転角 | 電子制御 |
最大撮影倍率 最短撮影距離 |
1:7.2 50cm |
手ぶれ補正 | ー |
フィルター | Ø46mm | 重量 | 190g |
色 | 良好 | ||
コントラスト | やや強め | ||
ボケ傾向 | 前後とも並・非球面レンズの影響あり | ||
備考 | レンズフード・ソフトケース付属 |
間違いなく良いレンズ。
…なのだけど、マイクロフォーサーズは42.5?60mmのレンズがとても多い。より明るく、F2.8まで絞れば良好な解像性能のレンズも多いので、コストパフォーマンスだけで選ぶのはモッタイナイ気がするのも確か。
選択肢が少ないソニーEマウントでは違った評価となるかもしれません。
レビュー 外観編
開封・付属品
箱はグローバルヴィジョンシリーズらしいデザイン。
無駄な装飾が無く分かりやすいものの、対応マウント表記は小さいので購入前に要チェック。
箱の中には定番のレンズケース・レンズフード・レンズ・説明書・保証書が同梱。
1万円台のレンズながら「Art」シリーズのためケースが付属する。ただし、シグマレンズを買い続けるとレンズケースがだいたい余ってくる。
レンズの質感・サイズ
全体的に金属パーツが多くしっかりとした作り。1万円台のレンズとしては質感はとても良好。
表面は光沢を残した塗装で高級感があるものの、指紋付着が目立ちやすい。指紋のことを考えるとシルバーでも良かったかなと反省。
重量は190gと軽量。
APS-C用レンズのため鏡筒が太いもののレンズ全長はそこまで長くない。
”カコカコ”音がする?
レンズを手に取ってみると、内部で何かがズレる音がする。これはフォーカスレンズが自由に動いてしまうため。
フォーカス駆動にリニアモーターを採用しており、電源オフ時は磁力による固定が効かずロックされない状態らしい。今のところこれでレンズが壊れたという話は聞かないものの、少し気持ち悪いのは確か。
せめて電源オフ時は固定できなかったのか…。
フォーカスリング
レンズ鏡筒の大部分はフォーカスリング。他に操作する部材も無いので、ファインダーを覗きながらでもフォーカスリングの操作は簡単。
フォーカスリングを回転する速さに応じてピント移動量が変化する。回転角は非常に大きく、素早くリングを操作したとしても無限遠→近接までは1回転以上必要。このためフルマニュアルには向いておらず、オートフォーカス後の微調整程度に使うべき。
レンズ前玉・後玉
「開放 F2.8」を考慮すると妥当な前玉の大きさ。
周辺にはレンズ名や製造国が印字されている。白文字ではなく刻印のためフィルター面に反射する可能性は低い。
フィルターソケットはプラスチック製のため身の丈に合わない大きなフィルターなどを装着した場合の耐久性は心配。46mmフィルターを装着する分にはなんの問題も感じられない。
真鍮製バヨネットは4本のネジで固定。
後玉は固定されておりフォーカシングに連動して移動することはありません。レンズの密閉性は高く、粉塵などの混入は少ないはず。
残念ながら防塵防滴には非対応。
レンズマウント面にシーリングはありません。
レンズフード
プラスチック製の円形フードが付属。
ロック機構こそ無いものの、緩みの少ないバヨネットのためズレる心配は無い。APS-C60mm(マイクロフォーサーズで言えば45m)画角用のためマイクロフォーサーズで使うとフードの有用性があまり感じられない。
逆光耐性は悪く無いためフード無しでも問題は無いでしょう。ただしフィルターを装着しているのであればフード推奨。
カメラに装着
マイクロフォーサーズの中では大柄なG9 PROに装着。
F2.8ズームレンズやF1.2大口径レンズと比べると小さく、特に問題とならないサイズ感。
GF9のような小さいカメラボディに装着してもバランスは良好。ただしGFはボディ側に手振れ補正が無いため使い勝手が少し悪くなる。
レビュー 実写編
遠景解像
- LUMIX G9 RPO
- 絞り優先AE
- ISO200固定
- ホワイトバランス固定
- フォトスタイル「スタンダード」初期設定
- 三脚使用・セルフタイマー使用
F2.8
中央は文句無しの解像性能。四隅は中央と比べると劣るものの、描写に乱れの無い安定したパフォーマンス。
42.5mm F1.7のF2.8と比べて同程度。45mm F1.8のF2.8と比べると周辺解像で優っている。
同じ焦点距離のM.ZUIKO 60mm マクロと比べると、四隅の解像はシグマのほうが良好。
価格を考慮すると遠景解像のコストパフォーマンスは高い。
F4.0
絞り開放から良好な描写のため1段絞ってもそこまで大きな変化は無い。
周辺解像はF2.8と比べて改善傾向が見られる。このレンズでベストな解像性能を得るためにはF4-F5.6が最適。
F5.6
F4と比べてほぼ変化なし。
F8.0
僅かに回折の影響を感じるものの、まだまだ実用範囲。
F11
LUMIX G9の回折補正のためか(機能を切り忘れていた!)極端にもやっとはしない。正直に言えばまだまだ実用的な画質。
補正のためかやや線が太くなっているもののクロップして拡大しな限り問題無い。
F16
回折の影響が目立つのは高解像だった中央。ここまで絞るとキレのあるシャープさでは無くなってしまう。
F22
全体的に解像性能が低下。
ボケ1(撮影距離 約3m)
F2.8
柔らかいボケ質のレンズを見てきた私が判断すると少し硬め。
ボケの縁撮りがやや強めなので「コントラストが強く複雑な背景」が写りこむと騒がしく感じるかも。
ピント面に僅かな軸上色収差があるものの、ボケへの影響は皆無。やや硬いボケではあるものの、比較的使いやすいレンズです。
同じ画角の「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と比べて色収差補正が少し悪くボケは硬い。比較してみると、シグマは四隅の解像性能とトレードオフになっている印象。
F4.0
1段絞ると縁取りが少し弱まりマイルドとなる。
ただし、被写界深度が深いためボケ量は少ない。
F5.6
60mm F5.6と言うこともあってボケは小さく評価し辛い。
ピント面の切れ味は鋭く、主張しないボケ。
F8.0
3m程度の撮影距離ではF8まで絞っても被写界深度は前後1m未満。
ボケ2(撮影距離 約1.5m)
F2.8
やはり縁取りが強く場合によって騒がしくなるかも。
また、APS-C対応レンズのわりに四隅の玉ボケは変形が大きい。また非球面レンズの影響も僅かに確認できる。
細かいボケ描写はツッコミどころがあるものの、1万円台のレンズとしては優秀。
F4.0
1段絞っても玉ボケは円形をキープ。
F5.6
玉ボケが少し角ばり始めるが全体的な描写は問題無し。
F8.0
F5.6と同様。
色収差
ボケチェックでは僅かな色づきを確認できたが、今回の作例では問題無し。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」と比べると少し劣る。
歪曲
問題無し。よほど直線的な被写体を撮らない限り歪曲があることも知覚できないレベル。
逆光耐性
悪く無いパフォーマンスだが太陽を直接フレームインするとゴーストが発生する。
小絞り時の光芒はやたら主張が激しい。
オートフォーカス
速くも無く遅くも無く。
オリンパスやパナソニックの純正レンズと比べると微妙に遅い。
まとめ
ここがおススメ
- 小型軽量
- 金属パーツが多い頑丈な造り
- 価格の割に四隅までシャープな解像性能
- 色づきが少なく使いやすいボケ
- 良好な逆光耐性
- 豊富な付属品
- 安い
ここに注意
- 撮影倍率が低い
- 電源オフ時にフォーカスレンズがカタカタ動く
- ボケが少し硬い
満足度は90点。
解像性能やレンズの造り、アクセサリーはコストパフォーマンスがとても高い。素直におススメできる望遠レンズ。
問題はもう少し上の価格帯に競合レンズがひしめいている事。
- M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
・解像性能や色ノリはシグマが上。マクロ性能やボケ描写が良好で防塵防滴仕様。 - M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
・四隅まで玉ボケが綺麗。解像性能はシグマが上。 - LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.
・解像性能は互角でボケや接写性能はシグマより良好。おまけに手振れ補正搭載。おススメ
SIGMA 60mm F2.8 DNはコストパフォーマンスが良いものの、明るさ、ボケ、接写瀬能など特性を考えると上記3本のほうが面白いレンズ。個人的におススメはバランスが良い42.5mm F1.7。
提案:接写リングによる撮影倍率の改善
物足りない接写性能を向上するため接写リングを装着。
無限遠など遠景にピントが合わなくなるものの、M.ZUIKO 60mm F2.8 マクロの代用となる接写性能を発揮する。
元の光学性能が良いためか、接写リングを装着しても球面収差は目立たず実用的な描写。接写リングの脱着が手間と感じないのであればマクロレンズとしてのコストパフォーマンスは高い。
購入早見表
60mm F2.8 DN SONY ブラック | ||||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo | ヤマダ |
60mm F2.8 DN SONY シルバー | ||||
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60mm F2.8 DN MFT ブラック | ||||
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60mm F2.8 DN MFT シルバー | ||||
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レンズフード LH520-03 | ||||
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FRONT CAP LCF III 46mm | ||||
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フィルター購入早見表
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