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7Artisans AF 27mm F2.8 X-mount レンズレビューVol.5 ボケ編

「7Artisans AF 27mm F2.8 X-mount」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。

製品提供について

このレビューは株式会社焦点工房より無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

簡易的なまとめ

全ての状況において滑らか・綺麗なボケとは言えませんが、27mm F2.8でボケが必要となるシーンでは良好な結果が得られる可能性が高い。特に接写時は球面収差が微増し、適度に滲む柔らかい描写が得られます。

非球面レンズを使用していないこともあり、(低価格レンズとしては)玉ボケが綺麗。口径食は目立つものの、不快と感じるほどではありません。サイズと価格のわりにバランスの良い描写だと思います。

Although it cannot be said that the bokeh is smooth and beautiful in all situations, it is likely to produce good results in scenes where bokeh is necessary with a 27mm F2.8. In particular, when shooting close-ups, spherical aberration increases slightly, resulting in a moderately blurred, soft image.

Since it does not use aspherical lenses, the bokeh is beautiful (for a low-priced lens). Although vignetting is noticeable, it is not unpleasant. I think the image quality is well balanced considering the size and price.

7Artisans AF 27mm F2.8 X-mountのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

滲むように滑らかな後ボケ。ボケの縁取りが弱く、穏やかに残存する球面収差が影響していると思われます。

前ボケ

後ボケと比べると輪郭が残る少し硬めの描写。とはいえ、二線ボケが目立つほど癖があるわけでもなく、色収差の影響も皆無。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

縁どりが若干あるものの、内側は滑らかで綺麗な描写。絞ると角ばりやすいので、玉ボケを重視するなら絞り開放を推奨。

ボケ実写

至近距離

至近距離では滑らかで柔らかい描写。隅に向かって口径食の影響があるものの、悪目立ちするほどの問題ではありません。

近距離

撮影距離を少し長くしても悪目立ちしにくいボケを維持。よく見ると少し硬調ですが、色収差の影響はほとんどありあません。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、縁どりが目立つボケに変質します。ボケが小さくなるので目立ちませんが、フレーム隅で騒がしいと感じる場面がありそうです。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F2.8)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身を入れるような撮影距離の場合、後ボケは小さく目立ちませんが、よく見ると縁取りが強く、口径食が非常に強い。かなり騒がしい描写。膝上、上半身まで近寄ると、ボケが大きくなり、描写も改善します。ベストな結果はバストアップから顔のクローズアップくらいまで近寄ったとき。

まとめ

全ての状況において滑らか・綺麗なボケとは言えませんが、27mm F2.8でボケが必要となるシーンでは良好な結果が得られる可能性が高い。特に接写時は球面収差が微増し、適度に滲む柔らかい描写が得られます。

非球面レンズを使用していないこともあり、(低価格レンズとしては)玉ボケが綺麗。口径食は目立つものの、不快と感じるほどではありません。サイズと価格のわりにバランスの良い描写だと思います。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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