タムロン「90mm F/2.8 Di III MACRO VXD」のレビュー第三弾 解像チャート編を公開。F2.8から隅まで一貫性のある高い解像性能が得られるマクロレンズとなっています。
今回のまとめ
文句なしの結果。
中央から隅まで一貫性のある高い解像性能を発揮し、絞り開放から最小絞りまで快適に利用することが出来ます。最小F値が「F16」までのため、それ以上に深い被写界深度の撮影はフォーカスブラケットと深度合成が必要となる点に注意。
The results are beyond reproach.
It delivers consistent high resolution performance from the center to the corners, and can be used comfortably from wide open to minimum aperture. Note that because the minimum f-number is up to “F16”, shooting with a deeper depth of field than that will require focus bracketing and depth synthesis.
90mm F/2.8 Di III MACRO VXDのレビュー一覧
- 90mm F/2.8 Di III MACRO VXD レンズレビューVol.3 解像チャート編
- 90mm F/2.8 Di III MACRO VXD レンズレビューVol.2 遠景解像編
- 90mm F/2.8 Di III MACRO VXD レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:ILCE-7RM5
- 交換レンズ:90mm F/2.8 Di III MACRO VXD
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・レンズ補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
6100万画素のα7R Vでも絞り開放のF2.8から非常に優れた解像性能を発揮。F5.6くらいまで絞ると解像チャートの上限に突き当たります。周辺・隅もF2.8から非常に良好で、全体的に大きな欠点はありません。敢えて言えば、最小F値が「F16」となっているため、絞りによる被写界深度の調整能力は限定的。「F36」まで利用できるNIKKOR Zと比べると柔軟性は低い。
中央
絞り開放からシャープでコントラストの高い結果が得られています。絞りによる大幅な画質向上はありませんが、F2.8からピークの性能が得られます。
周辺
中央とほぼ同じで、絞り開放から非常に良好。画質の低下はほとんどありません。ただし、倍率色収差が残存しているため、細部のコントラストが僅かに低下しています。
四隅
周辺とほぼ同じ結果。やはり残存する倍率色収差の影響で中央と比べるとコントラストが少し低い。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4488 | 4405 | 4092 |
F4.0 | 4632 | 4569 | 4175 |
F5.6 | 4703 | 4670 | 4258 |
F8.0 | 4653 | 4620 | 4339 |
F11 | 4571 | 4242 | 4486 |
F16 | 3750 | 3561 | 3521 |
実写確認
競合製品の比較
テスト機が異なるため参考までに。どのマクロレンズも非常に高性能ですが、比較的手頃な価格のタムロン90mmは見劣りしない結果が期待できます。
まとめ
文句なしの結果。
中央から隅まで一貫性のある高い解像性能を発揮し、絞り開放から最小絞りまで快適に利用することが出来ます。最小F値が「F16」までのため、それ以上に深い被写界深度の撮影はフォーカスブラケットと深度合成が必要となる点に注意。
競合製品が多い中で後発のタムロンに居場所はあるのか?
おそらくあると思います。VXD駆動による高速AFはシグマよりも良好で、100mmマクロと比べると全長が少し短め。携帯性の良い手持ちマクロレンズと考えると、最小F値がF16でも問題とは感じないかもしれません。
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作例
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